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遺伝子をください。

好きな人がいたから東京に来たと話す二十代の女性M様に会った。M様は言った。こんなことを言ったら引かれるかもしれないけれど、ある男性を好きになった。その男性を見た瞬間「この人の遺伝子が欲しい」と体が望んだ。こんな経験ははじめてのことで、自分自身が驚いている。相手の年齢は十歳以上離れていて、バツイチだけど子供はいなくて、私の他にも仲良くしている女の子が二人いる。私は三人のうちの一人なのですが、友達にこのことを話すと「絶対に幸せになれないからやめな」と言われる。そう言われると、幸せってなんなのだろうと考えさせられる。そのようなことをM様は話した。

私は言った。参考にならないかもしれないけれど、私も「あなたの遺伝子が欲しい」とか「あなたの子供が欲しい」と言われたことが十回くらいあります。言われた側の気持ちとしては、嫌な気持ちはまったくしませんでした。もちろん驚きましたが、そう言ってもらえることは男として光栄なことだと感じました。男と言えども、人間であります。人間でありますから、常に強気でいられる訳ではなく、弱気になることも当然あります。弱気になった時に「でも、あの人は俺の子供を産みたいと言ってくれていたな」と思い出すことで、力をもらったことが何度かあります。だから、遺伝子が欲しいのならば、変な回り道をしないで「あなたの遺伝子が欲しいです」と一回ストレートに伝えてみるのはいかがでしょうか。結婚したいとかじゃなくて、付き合って欲しいとかでもなくて、あなたの遺伝子が欲しいと言う。真っ向勝負で伝えてみる。変化球ではなく直球を投げる。これまでに、そのことを彼に伝えたことはありますか?

そう尋ねると、M様は「言える訳ないじゃないですか!!」と頬を染めた。私は「なぜ??」と思った。だって、欲しいんだろ??おかしい人認定されたとしても、欲しいもんは欲しいんだろ??欲しいものは取りに行くことが俺たちの約束だろ??そう聞くと、M様は「欲しいです。めっちゃ欲しいです。その人の子供を抱いている姿をイメージするだけで、めちゃめちゃ幸せな気持ちになります。これまでは子供を産むだなんて恐怖でしかなかったのですが、その恐怖をはるかに超える喜びを感じています」と言った。素晴らしい。ブラボー。そんな気持ちにさせてくれる人物との出会いなんて、そうそうあるものではない。そんな人と出会えた時点で、最高に幸せなことじゃないか。他の人の幸せなんて知らない。幸せになれないからやめろなんて言われても知らない。うるせー。黙ってろ。こんな人間と出会えた私は宇宙で一番幸せ者なんだよ。これが幸せの道で、幸せの真っ最中なんだよ。そう思っていいような気がした。

そう言うと、M様は「はじめて背中を押されました!!今度会ったら言ってみようかな…」とソワソワしはじめた。私は「なんで言わないのかわからない」と言って、M様を煽った。M様もM様で「今度会ったら付き合いたいって言うつもりでした」とキュートな反発を示した。私は「そんな回りくどい言い方をしないで、遺伝子が欲しいって真っ直ぐ言いなよ」と煽った。すると、M様はちょっと練習しますねと言って遺伝子をくださいと発声練習をした。ドトールで。東京駅のドトールで。飲み物も頼まずに。水だけを飲んで。愉快な気持ちになった我々は「遺伝子は普遍」と思った。結婚の動機は愛情か打算である。年収や社会的なステータスで相手の価値を判断すると、それが失われた時に相手の価値も失われる。だが、遺伝子の価値は普遍。遺伝子が欲しいから子供を産む方がよっぽど人間として自然だし、動物として自然だと思う。ここは日本だ。餓死することはない。あらゆる制度を利用し尽くして、周囲にヘルプを求めまくれば絶対に行ける。大事なことは希望を失わないことだ。周囲の意見に惑わされて、体の望みを頭の声で封じ込めたら人生が終わる。巷で頻繁に見る、ゾンビみたいな人間になる。

散歩が好きだと話すM様は、レインボーブリッジを散歩するのが夢だと言った。私は「男の人を呼び出して、レインボーブリッジの真ん中であなたの遺伝子が欲しいと叫ぶのはいかがでしょうか」と提案した。相手が私のような男だったとしたら、多分、惚れると思う。愉快な気持ちになって、よし、じゃあこの流れでこれからこどもを作るかとピンクなお部屋に行くことになるかもしれない。レッツ・トライ。そんなM様に育てられた子供は、絶対に幸せだと思う。私はね、レインボーブリッジの真ん中でね、あなたのお父さんに「遺伝子が欲しい」とお願いをしたのよ。それで、あなたが生まれたのよ。こんなことを言われたら、子供も「うちの親、やるな」と思うに違いない。何かを諦めながら生きる姿を見せるより、人生を賭けて自分の欲しいものを取りに行く姿を見せてくれる方が、何億倍も素晴らしい教育になる。明日死ぬかもしれないのだ。M様は言った。次会う時は、勇気を出して言ってみたいと思います。遺伝子欲しいねん!!って。私は「お、出ましたね」と思った。その日はじめての関西弁が、M様の口から飛び出した。次は俺たちが飛び出す番だ。

坂爪様

粋な計らいと共に想定外をありがとうございました。

心残りは急いで家を出てくる際に何かお渡し出来る物はあるかと、家にあった保存食である尾西のわかめご飯を鞄に忍ばせていたものの、恥ずかしくて渡せなかったことです。

遺伝子欲しいねん!が叶ったら、
ご報告と共にお渡しさせていただきます。。笑(いらんか

どうかそれまで健康でありますように←

おおまかな予定

6月12日(月)福岡県福岡市界隈
以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)

6月24日(土)演奏会@福岡県福岡市「森本能舞台」
https://note.com/tomokopramana/n/n53d26fadc3ea

6月25日(日)日曜礼拝&わたり食堂【0円食堂】
https://note.com/keigosakatsume/n/n1114b83797aa

連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com

SCHEDULE https://tinyurl.com/2y6ch66z

バッチ来い人類!うおおおおお〜!