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【社会】裏金が必要な理由

https://youtu.be/QVAmTlQ2T8w?si=zM6PEV7thpolbsky

ビデオニュース・ドットコムでは今回、自民党の村上誠一郎氏を招いて話を聞いています。
リンクしたのはYouTubeのダイジェストですが、私はビデオニュースの有料会員なので本編を見ました。

昨今の自民党の裏金問題には腹が立つばかりですが、その問題点の理解においては神保哲生氏の取り上げ方がもっともコアなものだと感じています。
問題解決には透明化がもっとも重要で、企業献金の禁止とか連座制導入は本質的な議論ではないとわかりました。

調査活動などで政治に金が必要であることはじゅうぶん理解していたつもりですが、それが裏でないとならない理由についてはわからないところがありました。
使いみちに問題があって、集票のために賄賂を配ってるんだろうとは思いましたが、それは問題の半面でしかないことが、今回の動画で少しわかりました。

要するに、献金している側が、献金していることを知られたくないと思うために、誰からもらった金なのかを明らかにできないというのです。
この話が出た時に宮台氏は「(明らかになれば)それでいいじゃないですか」と返し、私もまったくそう思いますが、公開されるようでは払いたくない、という企業の思うこともよくわかります。

A社が与党B党に献金しているとなると、A社は自社に都合の良い政策を期待して金をつぎこむんだろうなあと思われてしまう。
本来A社は「それを期待して何が悪い」とも「B党の考えに共感して応援してるんだから社会貢献だと思っている」と自信を持って言えばいいだけなんですが、そんな骨のある経営者がいるのかという話。

B党はさらに面倒で、A社に都合のいい政策を推進すれば、金もらったからだろうと言われてしまう難しさが出てきます。
これも本来「金をもらったからではなく、国や社会のための政策を進めているのでありA社が金をくれるのはそれへの支持表明であり政策立案や効果測定への支援だ」と自信を持って言えばいいだけです。
こっちについては「そんな骨のある政治家はいない」と言ってしまうわけにはいかなくて、政治家たるもの全員こういう姿勢であるべきですよね。

こういう、あるべき姿がすべて、金の流れの秘匿とともに潰されているのが現状というわけですね。
これを正しい姿にするべきだというのが、まず思うところです。

ただ実際問題として、自分がかくかくの政党にお金を出していますというのがやりづらい以上、すべて透明化したら献金が不足して、生活はともかく政治活動ができないような政治家も出てしまう。
それはそれでいいんじゃない、ともいえなくて、金持ちしか政治家になれない状況を招いてしまう。
二世議員や三世議員ばかりが仕事しやすい状況になります。
今すでにそうなってるだろうという話ではありますが、それに拍車をかけるわけですね。

だから、政治家の給料を(常識的な範囲で)増やしたり、活動費用がもっと税金から出せるようにすれば良いわけです。
しかしもちろん、「政治家にこれ以上税金を与えるのか」っていう反応も多いでしょうね。
でも政治家を減らしたり政治家の給与を減らすのは、それ自体に政治上のメリットはないはずです。
金額的にそれほど巨額ではないし、せいぜい「あいつらがいい給料もらってるのは頭にくる」という感情を満たす程度のものでしょう。
そんな感情がずーっと日本を動かしてきたのも問題ではあります。

非常に難しい……ですが、しかし、それを承知で主張するべきなんでしょうね。
「個人や企業からの献金は与え放題もらい放題、政治家の給与もアップ、活動に必要な経費もできるだけ潤沢に税金から支払う、そのかわり献金や経費は全部透明にする」
こういう理想論を、政治家でも経営者でも資産家でもない一般人が語る。べきだなと思いました。

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