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『「アタマのやわらかさ」の原理。』~読書感想文#18

私は、小説や詩を書ける人や、絵やデザインが得意な人に憧れます。
無から有を生み出すことができるなんて、自分にはない独創性があるからです。
アタマがやわらかければ、独創的になれるでしょうか。

今回ご紹介する本はインプレスから出版されている『「アタマのやわらかさ」の原理。』です。
アタマがやわらかいとは、どういうことなんでしょう。

キーワードは編集

著者名として「編集者 松永光弘」と記載されているように、本の中でも「編集」という言葉が何度も出てきます。

「アタマのやわらかさ」は編集からはじまるとして、アタマのやわらかさや、アタマをやわらかくする方法について説明しています。

では、その「編集」とは何かというと、下記のように定義づけています。

編集とは、組み合わせによって価値やメッセージを引き出すこと(p.72)

1枚の写真に、どんなコメントを添えるか。

その写真とどんな写真を組み合わせるか。

それによって、新しい価値が生まれてくるのだというのです。

【1枚の写真】と何を組み合わせるか

私が先日撮った写真と、異なるコメントを組み合わせてみました。
2つのコメントのついた同じ写真を見比べてください。

a)

ばんから

すっごくおいしいので、ぜひ行ってみてください!!

b)

ばんから

コロナ禍の中、外食産業の生き残りをかけた戦いが続く。

私の下手なコメントでも、新たな価値が生まれているでしょうか。

創造性に対する誤解

その他、創造性に対しての誤解を解いて著者は、常識がない人がアタマがやわらかいわけでもなく、全く新しい価値を生み出そうとする人がよいわけでもないと言います。

中でも印象に残ったのが、「調べればわかる」の誤解に対して以下のように述べている部分です。

創造的にアタマをつかおうと思ったら、「調べればわかる」情報は生かしづらいんです。「調べずにわかる」知識を、自分のなかに蓄えておく必要があるんですね。(p.160)

「アタマのやわらかさ」とはいくつもの組み合わせを試し続ける地道な努力であり、そのためには組み合わせの対象を自分のなかに蓄えておかなければならないというのです。

大切なのは、最初の反応ではありませんし、発想の瞬発力でもありません。どう考えなおすか。もっといえば、望むような結果にたどり着くまで、どう考えなおしつづけるか。(p.28)

今から私が優秀なコピーライターになれるとは思いませんが、少しは自分でも新たな価値を作れそうな気がしてきました。

よろしければ、ご一読を。




世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。