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文化遺産にしたい~岩の湯

昨日は2月6日でフロの日だったそうですね。

フロの日にふさわしい銭湯はどこだろうと思い浮かべたところ、真っ先に浮かんだのがこちらです。
岩の湯さん。

まず、この立派な入り口を見てください。

岩の湯_正面

昔ながらの宮づくり。中に入ると立派な格天井なんです。

格天井と言われても、は?という人のほうが多いと思いますので、情報を探したら、動画を見つけました。

ここまでは、まだ古い銭湯なら、あります。

ここからが岩の湯オンリー。
さあ、まずは浴室の絵をご覧ください。

1_桃太郎_岩の湯

2_桃太郎_岩の湯

3_桃太郎_岩の湯

どうよ?どうよ、どうよ!?すごくない!?
こんな銭湯、他にある!?

そう、これは桃太郎です。
こんなタイル絵は見たことがありません。
ちなみに男湯は浦島太郎だそうです。

そして、銭湯といえば思い浮かべる富士山。

富士山_岩の湯

これぞ富士山、と言いたくなるThat's富士!

お風呂は井戸水を薪で沸かしているので肌当たりも柔らかです。

さらに、私が個人的に可愛いと思ったのがシャワーのレバーです。

温泉マーク_岩の湯

ピンクの温泉マークに、なんとも言えない愛嬌を感じませんか?

もうひとつ私の心をわしづかみにしたのがこれです。何だか分かりますか?

トイレ_岩の湯

これトイレのタンクです。狭いトイレの中で撮ったので、全体像が写せず分かりづらいかもしれませんが、横に垂れているチェーンを引っ張って水を流します。嬉しくて、3回も水を流してしまいました。(女将さん、ごめんなさい)

この記事を書くにあたり、YAYOIというメーカーを探してみましたが、見つかりませんでした。既にメーカー自体存在しないのか、ホームページなどには縁がなくとも存在はしているのか……。どちらにせよ、かなり年代物のはずですが、新品のようにきれいです。
裸電球がとてもお似合いです。

続いては、脱衣所から見える壁掛け。

壁掛け_岩の湯

きっと開店当時の贈り物でしょうね。恵比須様と布袋様で商売繁盛祈願。

最後に見ていただきたいのがこの番台です。

岩の湯_番台

女将さんが「私は写さないでね」というので、位置関係が分かりづらいのですが、番台の上に箱が乗っています。その箱の上部がえぐれているのが分かりますか?

「明日休みます」などの貼り紙を貼ってははがしを何十年も繰り返した結果、こんなにえぐれてしまったのです。歴史を感じます。

さて、通常、ライターでもない一般客がこんなに浴室や脱衣所を撮れることはないのですが、なぜ撮らせてもらえたかというと、他に客がいなかったから。(正確に言うと、もう一人も風呂を上がって女将さんの話を聞いていたので、一緒に撮らせてもらった)

昔は客でごった返し、カランの取り合いでけんかになるほどだったそうです。どれだけ客足が減ってもつぶしたくないというご主人の意向だそうですが、やはり客が少ないと番台をしていてもつまらないのでしょう。私たちにあれこれと昔の話をしてくれました。

古ければいいというものではありませんが、この銭湯もやがてなくなるでしょう。ぜひ、このタイル絵を見に行ってみてください。




世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。