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ぬる湯天国〜川場湯

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

さて、2021年一発目の記事は銭湯ブログから。

2020年の大晦日。
今年の締めくくりはどこにしようか。
最近リニューアルした銭湯も気になるが、三密回避を考えると、逆にあまり話題になっていないところがいいんじゃないかと考え、氷川台の川場湯へ。

古い看板に「露天風呂」「高濃度炭酸泉」の文字。これは両方とも私の大好きな言葉。最近リニューアルしたところで炭酸泉を取り入れたところは多いが、この古めかしさでしかも高濃度と豪語する炭酸泉とは。期待できそう。

看板をくぐり、コインランドリーがずらっと並ぶ通路を入口へ。

コインランドリーが並ぶ

下駄箱に靴を入れる。靴箱は木札ではないが、小さな鈴が付いている。店主の配慮が感じられる。
待合室は看板から想像したものよりも、とてもきれい。

きれいな待合室

待合室に入ってすぐ、目に付くところにポスターが。
川場湯の可愛らしいキャラクターがソーシャルディスタンスを訴えている。

ソーシャルディスタンス

フロントへ行くと、カギの代わりにロッカーキーをもらうパターン。
ただ違うのは、下駄箱のカギをフロントの人に渡すのではなく、消毒液の入っている容器へチャポンと入れる。確実に一回人が触ったものだから、確実に消毒しなければということだ。さらに、フロントの人の目の前で消毒液を手にかけるよう指示される。今はどこの銭湯でも気を遣っているが、ここはかなり徹底しているようだ。

お風呂は露天風呂、高濃度炭酸泉の他、ジェットバス、バイブラがある。
水風呂はない。
まず、入り口のかかり湯を浴びる。ぬるい。

え?

立ちシャワーを浴びてみる。ぬるい。

カランから出るお湯までも、やっぱりぬるい。

お風呂の温度を確認しよう。
ジェットバス、バイブラが42℃。
露天風呂が40℃。
高濃度炭酸泉は37℃。
つまり、一番熱い風呂が42℃だ。
水風呂がないのも当然だ。要らない。

なんということだ。ぬる湯好きにはパラダイスじゃありませんか!

露天風呂は白い濁り湯で温泉気分。そもそもお風呂の水は全て地下水をくみ上げている軟水なので、とても肌当たりがよい。外は見えない半露天だが、ここ数日の寒さが露天感を倍増してくれる。三密を避けるため、こちらの銭湯では一回の浸かる時間は5分と制限されているが、同時に入る人数も2人までと制限されているので、広々と浸かれる。私が行ったのは営業終了1時間前なので、既にお客さんは少なく、露天風呂は独り占めだ。

ラムネ温泉として有名な大分県の長湯温泉を参考にしたという高濃度炭酸泉は、浸かった途端、看板に偽りなしと分かる濃さ。
中には炭酸泉を謳っていながら40℃という銭湯もあり、38℃ぐらいならOKとしようと思っているなかの37℃。嬉しい。
炭酸泉を分かってる。
体中にたまった2020年の疲れを、炭酸泉がピリピリとマッサージしてくれる。

と、満喫しているとバイブラが止まった。
営業終了10分前。
慌てて脱衣所へ。
気づくと音楽が流れている。
『蛍の光』代わりに流れているのは、サディスティックスの 『adios』
サディスティックといえば、サディスティック・ミカ・バンドが解散し、バックメンバーで結成したバンド。バックメンバーとはいえ、高橋幸宏、高中正義、後藤次利、今井裕という錚々たるメンバーだ。
……渋い。

うーん、一年の締めくくりとして、我ながら素晴らしいチョイス。

ああ、ごちそうさまでした。


世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。