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アメリカの田舎医療

久しく時間が空きました。今日もいつもながらの愚痴なります。私が現在働いている病院はアメリカの田舎町にあり過去の十年ほど手術を行っていませんでした。その病院の再建っといえば大袈裟ですが、立て直しを頼まれこの病院に来ました。早いもので1年7カ月がたち、私自身の仕事に関しては淡々とこなしているという感じです。外科医は自分一人なのではじめは少し、大丈夫か?という所はあったものの、何とかやり切っています。

昨日のことです。また耳を疑いたくなるような残念なことがありました。

手術一日前にお腹のヘルニアの手術の準備をしていたところ、メッシュが病院内にない。。。。確かに違ったサイズのメッシュはあるが、使いたいものが見当たらない。。。ひとまず担当者に電話して確認。
担当者の答え:いつも通りの、曖昧な回答 と他人への責任転嫁。田舎のうちの病院の18番。威張れることでは全然ないが、まああああああああ、うまい。もう一人の責任者に電話することに。同じ答え。また別の人に責任転嫁。どんだけだよ。。。。

てか、”お前ら二人が最高責任者だろ?”仕事PROFESSIONALなことに関しては私は手抜きは一切許しません。嫌われようが、患者さんが私たちを信頼して手術頼まれた以上、適当なことは言語道断。ま、医者としては当たり前のことですが。

そもそも、同じことがいままでに3度あり、それが起こるたびに同じ注意をしてきました。今日記事を書いているのは、同じことが1カ月ほど前にもあり、たえきれなくなり、ストレス発散の一つとしてここに書いているのです。ちなみに私の場合すべての手術の1-3日前にすべてのチェックをすることにしています。普通の病院ですと、このような医療器具のチェックは責任分担してナースの担当の者がするはずなのですが、今の病院の責任担当のディレクターなる人は知識もなければ、LAZYダラシナイ、”私たちは小さな病院なんだから、なあなあ、でいいんだよ”的な態度。マジお前やめろ!

失礼失礼。

という事で、急遽CEOのOFFICEに怒鳴り込んでやりました。
やっぱり日本人らしく静かに感情を押し殺し、状況を説明して、向こうの出方を見ることに。いつもこのようなことがあると、私は直にCEOに話しをつけに行きます。病院の頭・CEOが一番このような初歩的なこともできていないという事を実感するべきなのです。一番残念だと思うのはこのことを1年7カ月も自分が働き始めた今でも自分がSTRUGGLEしているところです。同じ手術をしているんだから、いい加減お前ら学べえええええと思ってしまいます。もちろんこれは氷山の一角。。。。前に比べればよくはなっていますが。まだまだ。もう一つ、まだ。

もちろん器具機材の要求も仕事を始める6カ月前に自分でタイプして提出しましたし。自分ができることはすべてをしているはずです。なのに、この状況。まるで私がハムスターWHEELを走っているようです。本当に残念。

本題にもどります。メッシュがないと分かった時点で、
私:必ず必要なので明日までに用意してください。

担当者:わかりました。近くの他の病院に連絡してみます。

私:お願いします。

担当者:一つ近くの病院にあるようなので明日の朝に取ってきて朝730分の手術までに持ってきます。

私:わかりました。自分の心の中ではマジで信頼ゼロなので自分で連絡して再確認もして、自分で一日前にメッシュ確保しました。もちろん担当者には何も言わずに。本心はもちろんメッシュのパッケージも名前も教えているのに、間違えそうなのがこの知識のない担当者。だからテストすることに。

つぎの日。手術。

担当者から、メッシュをとってきたので、手術準備万端です。

メッシュをみるとVENTRALEX HERNIA MESH。私がお願いしたのはVENTRALEX ST HERNIA MESH。

ええええええええ違うやつ

もってきてるやんこいつ????!!!

この行動は知識がありませんって言ってるようなもんやし、私、細かい点にも注意を払うことができませんっていってるようなもんやろ。嘘おおおお共いましたがもうここまでくると、逆にニヤっとしてしまい、笑いが出ました。さすがに怒りを越して笑いに。あああああああああ昨日自分を準備していてマジよかった。

もちろんこのこともCEOに話して。あとは1年3カ月のコントラクト、地域の人の手助けをしたいというのはありますが、この病院では自分の医者としてのライセンスが危ないだろ!と思うので、今のところあと1年3カ月を過ごしてササっと去りたいかと思います。この病院は、”誰かが誰かを知っているから雇う”という形態がみられるので、まさに実力主義ではないCEOにも問題があると思うので、自分は静かに、丁寧に患者さんのケアに徹して、自分ができる限りの努力をして、丁寧かつ納得できる安全な手術をしていきます。もちろん信じれるいい看護婦さんもいるのでご安心ください。ちなみに私のCOMPLICATIONS・合併症率は低いので、今まで自分がしてきたことを淡々と妥協なくしていくだけです。

余談ですが、Youtube:Surgery at 421 South Vine street で私のチャンネルを患者さん用にしているので、時間がある方は、チャンネル登録などよろしくお願いします。今の目標は、恵まれない地域での医療活動を世界的にしたいので、いつかこのYoutubeをとうしてこれからもっと活動分野を広めていきたいかと思っています。




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