50キロって表示ではあるけれど(地元ネタ)
「50キロって表示ではあるけれど、そのまま50キロで走られると遅くて困る。そのせいで後ろにはズラリと車が並んでいて、これじゃあまるで大名行列みたいじゃないか」
大豊町を通る国道は32号線であるが、この道は片側一車線である。
どういうことかというと、こっちから行く車の道路が車一台が通れる幅あって、逆向きにこっちに向かってくる車の道路が車一台が通れる幅あるだけである。どちらの方向の道路も車2台が並んで走ったりするような余分な車線はないのです。
なのでゆっくり走る車が前に走っていても、横に並んで追い抜いたりはできません。もしも追い抜くのであれば、逆にこっちに向かって走ってくる車が走っている反対車線に出てから抜くしかありません。なので基本的には前を走っている車がゆっくりであれば、後ろを走る私もゆっくり走るしかありません。
特にセンターライン(2つに車線の真ん中の線です)にオレンジ色の線が引かれている場合は線を踏み越えてはいけません。オレンジの線を踏み越えてはいけないということは、前の車を追い抜くことはできないということになります。もしもセンターラインが白い点線であってはじめて、反対車線に出て追い抜いてもいいのです。
国道32号線は下を流れる吉野川に沿った、クネクネ道路です。それも結構大型トラックとかも走っているので、曲がっているのにハンドルをきり損ねたりすると、反対車線を走っている大型トラックなんかと正面衝突して、軽自動車なんかだと車体の硬さで負けてしまうことでしょう。
大型トラック同士が橋ですれ違のも難しいです。橋の幅が狭すぎてぶつかってしまうことがあるので、一方が入ったら一方は橋の入り口で待っていることもあります。普通の乗用車ならすれ違えるのですが、大型トラックには横幅が広く、センターラインを余裕で越えて向かってくることもあるので、こっちもできるだけぶつからないように端に寄せて走らないといけないことがあります。
恐ろしいのはトンネルの途中でカクンと曲がってるところが一箇所あって、そこでは大型トラック同士の衝突事故も起きています。軽自動車でもちょうど反対車線を走ってくる車とすれ違うと「うわっ、当たったかと思った」とヒヤッとします。
クネクネ道で荷崩れを起こすようなトラックもいます。右に左にと順番に曲がってるうちに、振り子みたくどんどん振れ方が大きくなったのか、積荷の大型トラックが途中で横に転んでいるのに遭遇したことがあります。道には積んでいた鉄骨がばら撒かれて、積んでたトラックも運転席の出入口を路面に着けて、ベタッと真横になって倒れてるので一車線は完全に潰れてしまい、避けて走るにももう一車線の側にも太い鉄骨がはみ出していて、結局バイクの私は通れましたが、他の乗用車やトラックは数時間動けなくなっていました。直後に出くわしたので、倒れたトラックの運転手は道路の壁面のコンクリを何度も叩いて、力なく頭を抱えてました。怪我がなくてよかったですが状況は最悪です。
そんな国道ではあるが、ゆっくりと走る車はいます。県外ナンバーの車が多いではありますが、高知ナンバーもよくいます。「法定速度が50キロなんだから、50キロで走って何が悪い」なのではあるが、50キロははっきりいって遅すぎです。そんな車の後ろにはどんどん車が並んでいく。大名行列がどんどん伸びていって、夜なんかはズラーッとライトの光が並んで美しいネオンのパレードのようになります。
だったら少し広いとこに一時的に寄って、後ろの車を前に行かせたらいいのではありますが、そういうゆっくりと走る車はそんな後ろを見ている余裕なんてありません。
もうクネクネ道を外れないように走るので精一杯なのです。カーブに差し掛かるとハンドルを切り損ねないようにさらに減速してから確実に曲がり、直線になったらスピードを上げます。しかし、そこで上げたスピードがやっとのことで50キロなのでした。
オレンジのセンターラインなんか知ったこっちゃねえみたいな、どこだろうと無理矢理抜いてく車がたまにいます。そういう追い抜きできるように見える道なのに、何故かできなくしてある道ってのは、かなりの確率でパトカーが待機してたりしますので、「見つかんなきゃいいや」みたいな運転をしていると多分『地獄へまっしぐら』になると思います。私は『運転はあきらめが肝心』と思うようにしてます。
たまに緑の回転灯を回している車に遭遇します。これはやたら巨大なものを載せてるトレーラーとかの前後に走ってる誘導車です。なのでこいつがピカピカと反対車線からやってきたら、「車線なんかはみ出すくらいの横幅の車が後から来ますよ」ってことなんで緊張します。特にトンネルとか橋の手前なら要注意です。
例えば、トンネルを走ってたら、こっちの走っている車線を完全に塞いでしまう鉄の分厚い板がこっちに向かってくる。横幅が完全に車線をはみ出してしまっている巨大なトレーラーが、正面からこっちに向かってかなりのスピードで迫ってくる。バックで逃げようにも狭くてUターンできないし、もう後ろからも車のライトが向かってくる。
そういうことがないように走ってるのが誘導車なので、こんな目に遭ったことはありません。誘導車とすれ違って緊張して道の横に寄ってると、肩透かしみたいに小さいトラックが来たりして「そんなんで必要なかろうー!」と走り出したら、突然目の前に巨大なトレーラーが出てきたってことはありました。
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