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気がついたら田舎暮らし

私なんかは「田舎暮らしをしよう」と選んだわけではなく、たまたま住みたいと思ったところが田舎とか山奥とか言われるところだっただけである。もう都会には最初から住める気がしなかったし、街みたいなところにも住める気がしなくなってしまい途方に暮れてしまい、私とってはもう生きていくためにココしかなかったのである。だから「この街とココとどっちに住もうかな」などと比べてもいないし、選択していないのである。
ココに住むと買い物に行くのに不便とか、JRの本数が少ないから不便とかはそんなことはとりあえず住んでみてからの話で、そういうことならそれはそれで受け入れるしかないのである。

実際住み始めるとそんな買い物とか交通の便とかは、とりあえず車とかバイクとかがあればなんとかなるので気にしたことがあまりないし、買い物とかも移動販売車も来るし、今や光インターネットを繋げることも出来るから(住んで2年くらいはなかった)、アマゾンで注文すれば2日後には届けてくれるし、不便さを感じたことはほとんどない。
「田舎には仕事がない」とはいつの話だったのだろうか、今現在はそこかしこで働く人を募集しているし、時給も街とあまり変わらない。

そんな不便などどいうことはたいして重要ではないのだ。人において背が高いとか学歴があるとか痩せてる太ってるとかがそんなに重要ではないように、その人とのフィーリングが合うか合わないかみたいのがもっと重要であって、その他のことはどうでもいいようなところがある。

だからココに住んでみて「近所の人のイライラが伝わってこないのが助かる」とか「街とかで人工物を見るとよく頭の中にアレコレ浮かんで疲れたのだが、自然の木とか川とかに囲まれてるとアレコレ浮かんでこない」とかに気がついてきて、「なんでこういう場所にもっと早く住まなかったのか私よ」と少し悔しかったりした。

自分にその土地が合っているかどうかもあって、それはその土地に住む人の気質とかもある。例えば『裏表あるような気質の人が多く住む場所』には私は住めないし、住んでいてザワザワしてしまい大変疲れてしまう。
ココは感情剥き出しで面食らうこともたまにあるが、なにしろ人に裏表がないような気がするので、そこが私には合っていた。もちろん逆にそういうのが合わない人もいるであろう。そこらへんは少し住んでみないとわからないところである。

だから「もう都市に住むのはなんかうんざりしてきたなあ」とか「街に住むのにこのごろ少し疲れてきたなあ」などと言う人は一度田舎(と言われる場所)に住んでみたらいいのではないかと思う。周りの人に気を使いすぎて疲れてしまうとか、職場に疲れ果てて退職してしまったというような人には特におすすめだと思う。
もし望めばお試し住宅という1ヶ月光熱費だけで生活できる家もあったりするし、サポートしてくれる人がきっといるはずである。

もちろん住む場を変えるのは簡単なことじゃないかもしれないが、一歩踏み出して一度住んでみれば「自分に合う合わない」もわかってくるし、「やはり私は街が合ってる」というものわかるのかもしれない。動けば今まで見えなかったなにかが見えてくることもあるではないか。

私の場合はココに住んで生き延びたように思う。ココに住む前はいろんなことが無理になってしまっていて、この先どうにもならないだろうと半分諦めていたところがあった。

最近山の上の方の仕事を終えて、夕方にバイクで帰って来る時にクネクネとした山道を降りながら「ああ、ココに住めてよかったなあ」と少し泣きそうになってしまったことがあった。
たかが住む場所かもしれないが、住む場所でそれまで考えもしなかったことが変化することもあるというお話でした。

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