ESG〜新たな基幹産業へ

▪️日本は2050年にカーボンニュートラル、すなわち温室効果ガスの排出量をネットゼロにすることを宣言している。実現に向けて以下の通り、金融界、産業界、政府でかなり動きが激しくなっている。

▪️金融業界
国連による責任投資原則でESGの重要性が示された。また、金融庁の作業部会でも企業の開示の充実ら市場機能の発揮、金融機関の投融資先支援とリスク管理についての取りまとめが行われた。

▪️産業界
カーボンニュートラル宣言をしている企業が2021年8末時点で214社にのぼる。サプライチェーン 全体の脱炭素化の動きや、事業者内で価格付を行うインターナルカーボンプライシングなどの動きがある

▪️政府
2021年6月にグリーン成長戦略を発表した。2050年カーボンニュートラルに向けた政策パッケージとなっている。概要は以下の通り。

- 予算面では、2兆円規模のグリーンイノベーション基金を造成し、今後10年間にわたり、野心的な企業の研究開発費を支援

- 税制面では、脱炭素化に資する設備導入費の税額控除や特別償却など

- 金融面では、利子補給や政策投資銀行などのグリーン投資促進ファンド、コーポレートガバナンスコード改訂によるプライム上場企業の気候関連財務情報の開示を強化

- 規制改革では、グリーン投資拡大に必要な規制緩和など総点検を実施。またカーボンプライシングの導入に向けた議論を進める

- また、エネルギー、輸送、製造、家庭、オフィスなどのカーボンニュートラル実現に不可欠な分野においての実行計画を作成し、市場拡大につなげていく

▪️このように、金融、産業界、政府がカーボンニュートラルに向けた動きがかなり激しくなっている。環境省の推計によると、2019年の国内の環境産業の市場規模110兆円に対し、2050年には133兆円にまで拡大すると予測されている。日本の新たな基幹産業として期待できるものであり、引き続き注視していきたい

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