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【ニューロサイエンス】で変わる"マクロミル"のマーケットリサーチ&商品開発

BrainMedia第22弾!
(脳科学のビジネス応用可能性をお届けするメディア)

今回は、脳データも活用するマーケティングカンパニーの"マクロミル"をご紹介します。

1. データ活用によるマーケティング・リサーチ企業

マクロミルは、インターネットリサーチをその黎明期から始め、今や世界20ヵ国でマーケティングリサーチを行う業界のリーディングカンパニーです。

消費者の意識データ、行動データ、生体データを効果的に組み合わせ、消費者自身も気づいていない「あったらいいな」「これ欲しかった」を発見することで価値を発揮しており、生体データの一つとして脳も取り入れたニューロマーケティングを始めています。

2. 電通小会社を買収(積極的なM&A)

マクロミルは、積極的な企業買収とグローバル展開を行っている企業でもあります。例えば、2013年には電通マーケティングインサイト株式の51%を取得し子会社化しています。この企業も、現在は電通マクロミルインサイトと名前を変えて、ニューロマーケティングを取り入れています。

また、ニューロリサーチを行う株式会社センタンの株式の51%も取得して小会社化しています。株式会社センタンに関しては、また改めて記事にしようと思います!

3. フリスクWeb動画を脳波で定量測定

マクロミルでは、主に動画視聴者の脳波を測定して動画の質を定量的に評価するニューロマーケティングを行っています。

ニューロサイエンス事業で生まれたプロダクトがMovie Karte(ムービーカルテ)で、Movie Karte(ムービーカルテ)は、動画広告の効果測定をアンケートではなく脳波で行うことで、アンケートでは言語化・可視化しにくい感情や気持ちの変化を脳科学的に明らかにします。

マクロミルでは、"共感度(脳波同期性)は"という特許取得済みの指標を使っているのが特徴で、この共感度(脳波同期性)は、拡散性や購買などの行動指標と関係性が見られるようです。共感度(脳波同期性)の他にも、注目度・好意度・記憶保持などの多面的な評価項目を用いて動画広告を評価していきます。

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https://www.macromill.com/service/neuro_research/movie-karte.html

実際に「フリスク」のWeb動画を作成するにあたりこのニューロマーケティングの手法が用いられており、脳波の動きがそろわない部分は思い切ってカットしたり、共感度の高いクリエイティブに洗練するなど、離脱率の低い動画制作に役立っているようです。

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https://www.macromill.com/service/neuro_research/case_story.html

4. カプコンと『バイオハザード』のコンセプト開発

またマクロミルでは、ニューロマーケティングを活用し、カプコンと共同でホラーゲーム「バイオハザード」のコンセプト開発も行われました。

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https://www.macromill.com/case-stories/capcom.html

ゲーム『バイオハザード』では、ゾンビから逃げる過程で、プレイヤーは恐怖や焦燥、安堵など様々な心理状態を経験する仕掛けがあります。

ゲーム中、即時的な反応をつかさどる自律神経系のうち、興奮や警戒など生体の覚醒度を測定できる心拍数と皮膚電気反応を数値化することで、興奮/ストレス/リラックス/緊張/驚き/ストレスといったプレイヤーの感覚を解析することができます。

解析の結果、平常時と変わらない心理状態が続いたゲームシーンがあり、それらのシーンでゲームの見直しが行われたようです。当初意図していた究極の緊張感や恐怖感をプレイヤーに与え切れていなかったことが、データドリブンでプレイヤーの心理状態を可視化したことで把握することができ、ゲームの改善につながりました。

また、社内のメンバーの間で、データに基づいた会話が増えたことも、ニューロマーケティングをとり入れた効果として現れていたようです。

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(ゲームチャプターごとの脳波の変化)
https://www.dm-insight.jp/service/neuro_research/

マクロミルは、日本で最も多くニューロマーケティングの実証実験をやっている会社の一つであり、今後も様々な業種の企業と連携しながら脳波測定が活用していくようなので、注目していきたい企業ですね。


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宜しければ、ニューロマーケティングで注目されるもう一つの企業、NTTデータについてのこちらの記事もどうぞ!


参考・引用:


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