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【徹底企業分析】おかしのまちおかはなぜ安いのか?② "まいばす出店戦略とは?"

無題のプレゼンテーション (3)

1. 前回まで

前回は、おかしのまちおかの三つの安さの秘訣における、一つ目の原価率引き下げについて書きました。今回は、販管費を抑えるためのオペレーションについて説明します。


2. 販管費を徹底的に抑える「オペレーション」

利益率を下げずに安さを実現するには、売上原価に加えて販管費(人件費や地代家賃など)を下げる必要があります。

営業利益 = 売上高 ー 売上原価 ー 販管費

おかしのまちおかでは、販管費を抑えるためのオペレーションの仕組みがいくつも見られます。

2-i. 二つの出店戦略

おかしのまちおかを運営する株式会社みのやがどのような出店戦略を持っているのか考察したところ以下の法則が見られました。

徹底した駅前出店 & スーパーへの被せ

考察をするにあたり、おかしのまちおかのwebサイトを見ると、全国で168店舗、都内には66店舗を出店していることがわかりました。

その中からランダムに店舗を抽出し、それぞれの特徴を分析しました。

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自分は、東大の近くの本郷三丁目店を通学時によく利用していたので、大学の通学路に出店しているのではないかと仮説をたてましたが、当てはまるのは10店舗中5店舗だけだったので、これはあまり関係なさそうです。

一方、分析の結果二つの法則が見えてきました。

a. 徹底した"駅前"出店

まず、全ての店舗が駅から徒歩4分以内の立地にありました。

これは、外出時に駅を利用し帰り際に買っていくことを狙っていると思われます。また、人通りが多い立地のため、誰かがお菓子を買いに店に入っていくのを見て自分も買いたくなるといった効果も期待できそうです。

b. "まいばす"出店戦略

さらに、店舗の近くに何があるかを見ていくと、新宿西口店を除いた全ての店舗から100m以内の距離に必ずスーパーがありました。距離を300mに広げると、平均3店舗以上のスーパーがあります。

特にまいばすけっとの近くに多かったため、"まいばす"出店戦略と名付けました笑。

これは、スーパーで買い物をしたあと、『お菓子だけはまちおかでまとめ買いする』という購買行動を期待しているものと思われます。

実はこのように他企業の店舗に被せる戦略は、日高屋も行っているそうです。日高屋は、"マクドナルド"出店戦略をとっています。マクドナルドに行くお客さんなら、月に何度かは今日はハンバーガーではなく中華が食べたいだろうという前提を利用しています。顧客が重複しているが、直接の競合ではない場合、"被せ出店戦略"は有効です。


以上のような出店戦略が、おかしのまちおかの売上と販管費の抑制を支えていると考えられます。

2-ii. ドンキホーテ式店舗

販管費を下げる一つの手法として、おかしのまちおかでは店舗サイズを徹底的に小さくしています。店内に入るとまるでドンキホーテかのように壁中におかしが敷き詰められています。これにより、豊富なラインナップを提供すると同時に、店舗を小さく済ませています。

おかしのまちおかの店舗は、良い立地を選びつつも店舗面積を小さくする事で、できるだけ小さいコストで多くの売上を上げられるように設計されています。

2-iii. 少人数オペレーションと決済システム

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最小の資本と人で、最大の付加価値を上げよ

ここで書いてきたおかしのまちおかの経営手法を見ていると、製造業で営業利益率50%以上を誇る"キーエンス"の「最小の資本と人で、最大の付加価値を上げよ」という言葉を思い出します。

これはどのような商売にも通ずるところがあると思いますが、おかしのまちおかも、三つの秘訣を通じて最小の資本と人で、最大の付加価値を上げることを体現しているように思います。

無題のプレゼンテーション (3)

3. 売上増加に繋がる 「100均現象」と「売れ残り商品」

3つ目の秘訣に関しては、また次の記事にまとめます。

Coming soon...

#おかしのまちおか #安さの秘訣   #企業分析

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