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7月30日|赤阪友昭のお話会 『星の来訪者—星からみる祈りのかたち』

縄文時代から続く山里で伝承される星への祈りである銀鏡神楽と、それを支える人々に迫ったドキュメンタリー映画『銀鏡 SHIROMI』。今年6月の京都での上映にあわせ、当店にて二週にわたり開催された、本作の監督をつとめた写真家・赤阪友昭さんによる、古代から続く「星」と「人」の営みについてのお話。
映画へのイントロダクションとしてはもちろん、長年の旅と取材を通じ、モンゴルの遊牧民やアラスカの先住民らの生活や精神世界に関心を寄せてきた赤阪さんが紹介する、星や天体、自然の摂理やサイクルにもとづき各地で連綿と続いてきた世界観は、現代的な生活のなかで忘れられ失われかけている「人と星とのつながり」への関心を呼び起こす非常に興味深いものでした。

今回、ふたたび赤阪さんをお招きしたお話会が当店COTTAGEにて開催されます。一年を通じて、より星が身近に感じられる季節の貴重なお話会。この機会にぜひ。



古代のひとたちは、あらゆる生命の源は北極星である、と考えました。そして、そのまわりをめぐる北斗七星や宙に散らばる惑星や星々は、生命の行方を教えるものであり、ときには、魂そのものを意味したのです。縄文土偶は月の滴を受け取るための呪具であったこと、伊勢神宮に隠された北極星と北斗七星や出羽三山に残る太一陰陽五行思想を軸にした祭りのこと。星々や太陽、そして月と生きた人々の記憶は私たちの中にも残されています。今、ふたたび星を頼りに、かつて祖先が見たであろう世界に潜り、私たちが星と繋がっていたことを思い出してみたいと思います。我々の存在は、来訪者としての星そのものでもあるのです。写真家であり、映画『銀鏡 SHIROMI』の監督でもある赤阪友昭のお話会です。皆さんのご来場をお待ち申し上げております。




日時:2022年7月30日(土)14:00 - 15:30(13:30開場)
参加費:2000円
定員:20名
こちらのご予約フォーム
もしくはお電話(075-711-5919)、店頭にてご予約ください。


赤阪友昭
写真家、映画監督、プロデュサー。1963年大阪市生まれ。阪神淡路の震災を機に、狩猟採集や遊牧の暮らしに興味を持ち、モンゴルや北極圏など辺境への旅をはじめる。雑誌への写真と文の寄稿、テレビ番組の制作や公共施設での写真展やプログラム制作、国際文化交流プロジェクトのプロデュースなど活動は多岐にわたる。東日本の震災後は、福島の立入制限区域内の撮影を続け、記録映像を福島県南相馬市と共同制作する。映画関係では、ドキュメンタリー映画「新しい野生の地–リワイルディング」(オランダ)の日本語版を制作し、日本全国で劇場公開する。2009年より写真ギャラリー「photo gallery Sai」(大阪市福島区)を主宰。写真家で1996年に亡くなった星野道夫氏とは生前から交流があったことから、彼の死後、その遺志を継ぐようにアラスカの先住民と交流を続けてきた。特に星野道夫の盟友で先住民クリンギットの神話の語り部であるボブ・サム氏とは親交が深く、2000年12月にはアラスカ先住民族クリンギットの古老エスター・シェイを含む6名を日本に招聘し、「神話を語り継ぐ人々」と題した国際文化交流プロジェクトを共に開催する。このプロジェクトで、北海道のアイヌとの神話に関する文化交流や明治神宮での神話のストーリーテリングなどの統括責任者を担う。エスター・シェイは、クリンギットとアイヌの間に民族的な繋がりがあることを感じており、星野道夫氏は、その出会いを強く望んでいたという。また、2008年8月には星野道夫のためにアラスカ州シトカに彼のトーテムポールを立てるプロジェクトも実現する。このトーテムポールは、アラスカのクリンギットの人々に加え、日本からの数十名のボランティアや現地シトカの賛同者らがロープを引いてクリンギットに伝わる伝統的な手法で立てられた。星野道夫のトーテムポールは今もシトカの海辺で日本を向いて立っている。

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