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恵文社のフリーペーパー『しましま』第四号

こんにちは。書店スタッフの原口です。
恵文社のフリーペーパー『しましま』最新号を発行いたしました。
今回のテーマは「いちべついらいの一節」
年度が替わるこの季節は、出会いと別れの季節ともいえましょう。

「サヨナラ」ダケガ人生ダ
井伏鱒二の名訳と名高く、今も親しまれている言葉のひとつですが、元は
中国の詩人・于武陵(う ぶりょう)の詩、「勧酒」の一節。
思えば毎日はさよならの連続で、ささいなことから印象に残ることまで、日々の裾野というものは、別れによるものにより出来るものなのかもしれません。

そろそろと、本号の準備を始めていた二月の頃のことです。
阪急電車に乗っていると、前の座席の子供たちが小さな声で合唱の練習を始めました。きっと卒園する年長者に向けた歌のおくりものなのでしょう。思わず見渡すわたしの警戒心に反し、咎めなくそれぞれに過ごす車内の人々と、薄くながれる歌声の頼もしさになだめられ、もうそんな時期かぁ…と春の予感を感じたものです。
もうすっかり春。あの歌のおくりものは届けられたのか、ふと思いだしています。

表紙はイラストレーターの梢夏子さんに描いていただきました。

さて、今回のゲストですが…!
歌人で文筆家の小原晩(おばらばん)さんをお迎えいたました。
小原さんの初のエッセイ集「ここで唐揚げ弁当を食べないでください」には、仕事をサボり食べた唐揚げ弁当のこと、眠れない夜を少し明るくしてくれるおまじないなど、一生懸命だからこそ空回ってしまう自身のことを綴った23編が収録されています。

山あり谷ありは表裏一体、蛇腹折り。今号は少しせつない縞模様。

フリーペーパー『しましま』は、主に恵文社一乗寺店の店頭にて配布しています。お店にお越しの際は是非、お土産に。
お楽しみいただけましたら幸いです。
(原口)

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