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<唯物論と観念論の折衷可能性についての趣味的論考> 

およそ全ての世界史学を俯瞰するに、どの社会システムにも生産様式として経済的土台は汎在している。これに着目し、経済的土台こそが社会的上部構造の全体を決定するとした哲学者は多い。社会的上部構造とは、文学、芸術、社会習俗、思想、理論、政治形態、そして国家をも規定するとする。ある哲学者の言葉を借りるなら「およそ全ての社会構造は経済的土台の変動によってのみ急速に変化する」とされる。これは主に唯物論を採用する哲学者が依拠する説である。
<唯物論の問題点について>
唯物論の前提となった感覚論は、人間の感覚によって確信されたもの、換言すれば感性的確信に実在性の根拠を希求する。いわば感覚論は相対主義的であり、統一的な実在としての世界を捉えきれない。その延長線上に立つ唯物論の一部は、世界の実在的統一をもたらす原理を物質に希求する。ここにおいて唯物論は物質の実在は感覚を介在させて確立するとする。しかし物質は思考によってのみ捕捉され得る感覚を超えた存在であるが、唯物論はこの事を全く捨去した理論展開をしている。これは唯物論哲学に生じる矛盾ではないか。仮に唯物論において矛盾が存在するなら上部構造とその基底となる経済的構造の「混合」という概念を認めてもいいのでは….とか考えながら朝まで勉強なう。もう一生休み無しで構わない。


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