競馬の調教タイム 2歳 まとめ

2歳の調教タイムについて長々と書いてきたが、イチイチ全部読み返すのは面倒なのでまとめておこうと思う。なお、その後の成績や実際の調教を見て標準とか優秀だとか言っているのではなく、あくまでデータを集計してまとめた結果で標準とか優秀そうなものを語っているに過ぎない。その点は理解の上で読み進めてもらいたいと思う。

1.ウッドチップコースについて

ウッドチップの調教場は3箇所。美浦南と栗東CW、そして函館だ。美浦南は古いウッドチップコースも含めた集計になっているので注意。それぞれの統計上の標準的なタイムは、

ウッドチップ標準タイム

という感じだった。栗東が美浦南よりも前半は約1秒くらい、後半は0.5秒くらい早いイメージで、函館は美浦南と前半が同じ、後半が1F毎に0.5秒(3Fなら1.5秒)早くなるようなイメージだ。
次に、統計上で比較的良いタイムは、

ウッドチップ良タイム

というタイムになる。同じように、栗東は美浦南よりも前半は約1秒くらい、後半は0.5秒くらい早くなるイメージで、函館は美浦南と前半が同じ、後半が1F毎に0.5秒(3Fなら1.5秒)早くなるイメージだ。更に言えば、美浦南の良いタイムは、標準タイムの概ね-0.5秒くらいだ。
そして最後に統計上で非常に優秀な部類のタイムは、

ウッドチップ優タイム

というタイムで、差は少し違うハロンもあるが、似たようなイメージだ。栗東は美浦南よりも5Fは約1秒くらい、4F以降は0.5秒くらい早くなる感じで、函館は美浦南と前半は同じ、後半は1F毎に0.5秒(3Fなら1.5秒)早くなる感じだ。美浦南のタイムも標準からは概ね-1.5秒くらいだ。

したがって、美浦南のウッドチップ調教タイムを基準として覚えれば、比較的栗東と函館のタイムは覚えやすいと思う。
少し覚えやすい0.5刻みに数値を丸めて表にしてみると

ウッドチップ標準タイム差

ウッドチップ良タイム差

ウッドチップ優タイム差

ということになる。


また、回った位置の違いによるタイム差は以下の通り。1つ外側になる毎に以下くらいのタイム差があると思われる。

ウッドチップ回った位置の違い差


最後に加速ラップについてまとめると以下の通り

美浦南ウッドチップ:
・加速ラップはそこまで重要視しなくてもOK
・加速ラップの追切ならラスト1F12秒台。13秒台なら少し軽視
・加速ラップの追切なら5Fが70秒以下ならOK 68秒以下は尚良し
・加速ラップでない追切でもラスト1F垂れならOK。不規則ラップはNG
・加速ラップでない追切なら5Fは68秒以下が欲しい

栗東ウッドチップ:
・加速ラップは重要視
・加速ラップの追切ならラスト1F12秒前半。13秒台なら軽視
・加速ラップの追切なら5Fが68秒以下が良いが、重要視しなくてOK
・加速ラップでない追切でもラスト1F垂れは13.5秒まで
・加速ラップでない追切なら5Fは68秒以下であることが重要

函館ウッドチップ:
・加速ラップは重要視
・加速ラップであってもなくても勝利馬の1Fタイムにあまり傾向はなし
・加速ラップの追切なら5Fが早いに越したことないがそこまでではない
・加速ラップでない追切なら5Fは68秒以下であることが重要


2.坂路コースについて

坂路の調教場は2箇所。美浦南と栗東だ。それぞれの統計上の標準的なタイムは、

坂路標準タイム

坂路の場合は栗東の方が負荷が掛かるため遅いタイムになる。美浦南は栗東と比較して前半は-0.5秒くらい、後半は-0.2秒くらい早くなる。
次に、統計上で比較的良いタイムは、

坂路良タイム

というタイムだった。標準的なタイムと比べ1F以外は-0.5秒くらい早く、1Fは-0.2秒くらい早いタイムとなる。美浦南と栗東を比較すると、標準タイムのときと同じように美浦南は栗東に比べ前半は-0.5秒くらい、後半は-0.2秒くらい早いタイムとなる傾向が見られる。
最後に、統計上で非常に優秀な部類のタイムは、

坂路優タイム

となった。標準タイムと比べると1F以外は-1~1.5秒くらい早く、1Fは-0.5秒くらい早いタイムとなっている。美浦南と栗東を比較すると、少し差は開き前半は-1秒くらい、後半は-0.3秒くらい早いタイムとなっている。

同じように基準を作った方が覚えやすいと思うので、栗東坂路を基準に数値を0.5刻みくらいに丸めて表にすると以下のようになる。

坂路標準タイム差

坂路良タイム差

坂路優タイム差


また、加速ラップについては以下の通りだ。

美浦坂路:
・加速ラップは多少は考慮する
・加速ラップの追切なら1Fが12.7秒ならOK 12.2秒以下なら尚良し
・加速ラップでない追切は傾向なし。ラスト1Fだけ早くても関係なし
・加速ラップの有無に関係なく4Fは52秒以下が望ましい

栗東坂路:
・加速ラップは多少考慮するが、そこまで重要視しなくてもOK
・加速ラップの追切ならラスト1Fは12秒前半。13秒台なら少し軽視
・加速ラップの追切なら4Fは54.5秒以下なら早い必要はない
・加速ラップでない追切でもラスト1F垂れで13.5秒以下ならOK
・加速ラップでない追切でバラバラしたラップはNG
・加速ラップでない追切なら4Fのタイムはそれほど気にしなくても良い


3.ポリトラックコースについて

ポリトラックの調教場も2箇所。美浦南と栗東だ。それぞれの統計上の標準的なタイムは、

ポリトラック標準タイム

という結果だった。栗東ポリトラックコースの方が全体的に早いタイムが出るようだ。美浦南と栗東のタイム差は一定ではなく、最初はかなり開きがあるが、徐々にその差が縮まっていくというイメージだ。
次に、統計上で比較的良いタイムは、

ポリトラック良タイム

となっている。美浦南は-0.5秒ほど(1Fは-0.2秒ほど)タイムが早くなるが、栗東はほとんど変わらないタイム。栗東の場合はレベルに関係なく早いタイムが出やすいコースということのようだ。美浦南と栗東のタイム差は、傾向的には標準タイムのときと同じで、最初開いていて徐々に縮まっていくイメージだ。
最後に、統計上で優秀な部類のタイムは、

ポリトラック優タイム

となる。美浦南と栗東のタイム差は上記の比較的良いとされるタイムと同じような範囲で、最初は開いているが徐々に縮まっていく感じだ。

こちらも美浦南を0.5秒刻みくらいで丸めた数値で基準にした形で見てみると、

ポリトラック標準タイム差

ポリトラック良タイム差

ポリトラック優タイム差

という感じになり、5Fでは開いている差が1Fに向けて縮まっていくのが分かりやすく、覚えやすいのではないかと思う。


また回った位置の違いによるタイム差は、1つ外側を回る毎に以下のようなタイム差が出ると思われる。

ポリトラック回った位置の違い差

本編でも書いたが、1Fタイムについては外側になる方が全体的に早くなるのに注意が必要だ。


ポリトラックにおける加速ラップに関しては以下の通り。

美浦ポリトラック:
・加速ラップは比較的重要な方
・加速ラップの追切なら1Fのタイムはそれほど考慮しなくてもOK
・加速ラップでない追切は1F垂れならOK バラバララップは軽視
・加速ラップの有無に関係なく5Fは67秒以下が望ましい

栗東ポリトラック:
・加速ラップは重要視
・加速ラップの追切ならラスト1Fは12.5秒以下が望ましい
・加速ラップの追切で5Fは67秒以上なら要注意
・加速ラップでない追切ならラスト1Fは問わない
・加速ラップでない追切なら5Fは65秒以下かどうかをチェック


4.ダートコースについて

ダートコースの調教場はいろいろあるが、2歳として取り上げたのは4場で、栗東、札幌、小倉と美浦が2箇所なので計5箇所だ。但し、美浦北や栗東、小倉は集計上の母数が少なかったため、あくまで参考程度に見るようにして欲しい。
それぞれの統計上の標準的なタイムは、

ダート標準タイム

というタイムだった。一番早いタイムは栗東で、美浦は北・南いずれも1秒くらい遅く、札幌・小倉はトータルタイムが栗東より2~3秒遅いがラスト1Fは美浦よりも早くなるという不思議な差がある。ラスト1Fはどの調教場も栗東より0.5秒ほど遅くなっている。
次に統計上で比較的良いと見られるタイムは、

ダート良タイム

となっており、同様に栗東が一番早いタイムとなっている。栗東のラスト1Fなんかはポリトラックよりも早いタイムが出ているのが特徴的。美浦南の前半は栗東とそれほど差がないが、美浦北の前半は栗東と1.5秒ほどの差があるのは不思議なところだ。札幌と小倉は変わらず前半2~2.5秒ほど遅く、ラスト1Fは同じように美浦よりも早くなるという状態だ。ここではラスト1Fはどの調教場も栗東より1秒ほど遅くなっている。
最後に統計上で優秀な部類のタイムは、

ダート優タイム

となっている。小倉は母数が少なく際立って優秀なタイムが見受けられなかったため対象外とした。美浦南は栗東と比較して全体的に1秒くらいの差、美浦北や札幌はラスト1Fを除き2秒くらいの差になっている。

美浦北や札幌、小倉は前半のタイムが掛かるがラスト1Fは早くなる傾向があり、美浦南はそういった傾向は見られないが概ね栗東よりも0.5~1秒くらい遅いタイムが出る傾向があるようだ。

ここでは栗東ダートコースを0.5秒刻みにある程度まとめた数値を基準にして比較してみると、以下のような感じになる。

ダート標準タイム差

ダート良タイム差

ダート優タイム差


また、回った位置の違いによるタイム差もまとめてみよう。

ダート回った位置の違い差

美浦は5Fだと内外でかなりの差が出るので各馬の調教を見比べるときに注意がひつようだ。また、栗東の1Fは外にいくほどタイムが早くなる傾向があるようなので、それも注意が必要だろう。札幌・小倉は内外の差はそれほど考えなくても良さそうだ。


そして、加速ラップについても以下の通り。

美浦南ダート:
・加速ラップは重要視
・加速ラップの追切なら1Fは12秒台が良いが、それほど考慮しなくてもOK
・加速ラップでない追切の場合は1Fのタイムは特に考慮しなくてOK
・加速ラップの有無に関係なく5Fは67秒以下が望ましい

美浦北ダート:  ※母数が少ないため参考外
・加速ラップは重要視
・1Fタイムも5Fタイムも特に特徴的なところは見受けられない
・よって加速ラップかどうかのみチェック

栗東ダート:    ※母数が少ないため参考外
・加速ラップは重要視
・加速ラップの追切ならラスト1Fは12.5秒以下が望ましい
・加速ラップでない追切で1F垂れはNG 12秒台かどうかはチェック
・加速ラップの有無に関係なく5Fは67秒以下が望ましい

札幌ダート:
・加速ラップは重要視
・加速ラップの追切なら1Fは12秒台が望ましい
・加速ラップでない追切の場合は1Fのタイムは特に考慮しなくてOK
・加速ラップの有無に関係なく5Fは特に気にしなくてもOK

小倉ダート:    ※母数が少ないため参考外
・加速ラップは重要視
・加速ラップの追切ならラスト1Fは12.5秒以下が望ましい
・加速ラップでない追切はそもそもNG
・加速ラップの有無に関係なく5Fは特に気にしなくてもOK


以上が、2歳の調教に関するまとめ。
ここに挙がっていない芝での追切とかは母数がもっと少ないので、3歳以上の調教を書くときにまとめて書こうと思う。先日も書いたが、3歳以上の調教まとめでは更に詳細に。例えば馬券に絡んだ馬と絡まない馬で調教タイムの差が出ているのかどうかとか、稍重や重、不良で調教タイムのタイム差がどれくらい出るものなのか等、2歳では書けなかったところにも踏み込んでみようと思う。その分、集計・グラフ化しなければいけない量も増えるので書くのに時間が掛かってしまうのが難点だが。。。

また公開したときには読んでみてください。


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