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BDNFが作られるメカニズムとは?

BDNF(脳由来神経栄養因子)は、神経細胞の発育・生存・シナプス可塑性に重要な役割を果たすタンパク質です。BDNFは、脳内の神経細胞やグリア細胞などが産生し、シナプス前末端から放出されます。

BDNFが作られるメカニズムは、大きく分けて2つあります。一つは、活動依存性シグナル伝達経路による産生です。この場合、神経活動が活発化することで、細胞内のカルシウムイオン濃度が上昇し、カルシウム依存性プロテアーゼの活性化が促進されます。その結果、プロテアーゼがプロBDNF(BDNFの前駆体)を切断し、BDNFが産生されます。

もう一つは、活動非依存性シグナル伝達経路による産生です。この場合、神経細胞において、CREB(cAMP応答性エレメント結合タンパク質)と呼ばれる転写因子が活性化され、BDNF遺伝子の転写が促進されます。その結果、BDNFが産生されます。

このように、BDNFは神経活動によって産生が促進されるため、運動や学習などの刺激が豊富な環境で生活することは、BDNFの産生を促進し、脳の健康を維持するために重要であると考えられています。

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