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競馬ナイト+(プラス) 2023年12月号 発行・文:鈴木ユウヤ

こちらはオリジナルWebマガジン『競馬ナイト+』の12月号です。

1.編集前記

さて、今年も国家の一大イベント・有馬記念がやってくる。
 
有馬記念が近くなるとヤマカツエースという馬を思い出す。6歳4月までに全30戦を走って金鯱賞変則連覇など重賞5勝を挙げた実力派。2016年、わたしが馬券を買える歳になって初めて迎えた有馬記念の◎だった。
 
当時、極度の穴党であったわたしは有馬記念の人気薄好走パターンを徹底的に探し求め、3つの法則を発見した。
 
1.    ジャパンC組よりフレッシュな別路線組
2.    中山巧者はもちろん、なぜか中京巧者も活躍
3.    内枠の偶数番が理想
 
以上3点から、登録馬が出た段階で「ヤマカツエースしかしない!」と目を付け、「内枠引いてくれ!」と強く念じながらBSフジの枠順抽選会を観ていた。
 
引き当てた馬番は2枠4番。最高だ。
 
迷いなし。わたしはヤマカツエースからの3連複と、同馬を3着に固定、1着⇔2着にサトノダイヤモンドとキタサンブラックを配置した3連単をしこたま購入。当日は冬枯れの中山で、想像を絶する寒風と人混み、不通になるインターネットの洗礼を浴びながら、期待に胸を高鳴らせてレースを見届けた。
 
……ヤマカツエースは4角から直線にかけて2度ほど進路を切り替えるロスもあり、8番人気4着。唯一の幸いはそのむなしさが吹き飛んでしまうほど、逃げるキタサンブラック、襲い掛かるサトノダイヤモンドの争いが美しかったことだろう。
 
閑話休題。ヤマカツエースという馬は東京コースには5度出走し、13着、13着、15着、11着、8着という戦績だった。ところが「同じ左回り」であるはずの金鯱賞は2勝した。
 
金鯱賞を初めて勝った時、前走は天皇賞(秋)15着。これを嫌われてか、単勝は4番人気で9.9倍というオイシイオッズだった。もし東京でのパフォーマンスと金鯱賞での走りが「非直結」であることを事前に見抜けていれば、この単勝は容易くとれたのではないか?
 
わたしも競馬のデータを基にあれこれ論じるようになって数年経ったが、類似の事象は他にもある。そのあたりを掘り下げて、予想理論として模索したのが2章の「逆接レース理論」だ。
 
「レースAで凡走したことが、逆にレースBでの買い材料にならないか?」こういう切り口でいろいろと考察してみた。手前味噌ながら、なかなか面白く、実用的な内容になった。ご一読いただければ幸いだ。
 
前置きはこのくらいにして。では、今回も楽しんでいってくださいませ。
 
2023年11月29日
鈴木ユウヤ

目次

1.編集前記
2.馬券の買い方研究
「凡走歴」が買い材料!? 「逆接レース理論」
3.GⅠ大予言!
 チャンピオンズC、阪神JF、朝日杯FS、
有馬記念、ホープフルS
4.重賞レース「眼の付けどころ」
 ステイヤーズS、チャレンジC~阪神C
5.地方もアツいぞ!
 全日本2歳優駿、東京大賞典
6.「この騎手この条件」
次世代スター候補 坂井瑠星を徹底解剖
7.金脈発掘! 「コースのバイブル」
中京ダ1800mの攻略法
8.競馬クイズ「走る大捜査線」
9.お礼とあとがき

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