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22年マイルチャンピオンシップを振り返る~勝負を分けた白毛の作る絶好位の動き~

強い馬はどんな舞台だろうが強い』と言われる時がある。

まー、昔はそれこそテイエムオペラオーのように、舞台を問わず、馬場も問わずに1年間無敗だった馬もいたんだけれど、今の競馬は馬場の保全技術が進化したこと、仕上げ方もレベルアップしてきたこと、競走馬全体のレベルアップが進んだこともあって、どの舞台でも強いから勝つなんていうことがなくなった

先週のエリザベス女王杯もそう。終盤外伸びにシフトした結果外枠が上位を占める形になったが、良馬場だったらどうだっただろう。少なくともこれだけ外外外で決まることはなかっただろう。

ライラックが弱いとは言わない(ここ大事)が、間違いなく雨の恩恵を受けている。そもそも能力がないとGIで2着になんか来られないんだけど、良馬場で雨がなければあの競馬で届いていたとは思えない。

それくらい現代競馬において、天気、馬場が左右する部分は大きい。1勝クラスに後のGI馬が混じれば、実力差で馬場、天気無視で勝つなんていうシーンはあるが、GIのように出走馬の全体レベルの上下差がそうないレースは、ほんの1つの、小さな要素でレース結果がひっくり返ってしまう

少しのロスでも命取りになる時代、ちょっとでも馬場の悪いところを通ればその分着順も落ちる。より馬場のいいところを選び、効率のいい進路を取れるかどうかも大きな要素になる時代さ。

先週に続いて日曜雨予報が出ていた今週。マイルチャンピオンシップ(以下マイルCS)の最大のポイントは、雨がどれだけ降るのか、それにより馬場がどう変化するのか、これに尽きたと思う。

これは戦前、枠順のポイントとして挙げたものだ。雨以外のポイントとして5つの項目を挙げさせてもらったのだが、注目してほしいのは3番。

京都時代、マイルCSというレースはやけに内枠の馬が来るレースだった。これはマイルCSの週にコースが切り変わる影響が大きい。ダービーだってコース変わり週にやる分1枠1番がよく来るだろう。あれと一緒。

ところが今は京都が改修期間に入っている。そのため阪神開催が10月からぶっ続けで3か月間開催されるんだよな。コース変わりの切り替えタイミングが1週間遅く、来週からコース変更なんだよね。

今週でAコース7週目。さすがにこれだけ使えば馬場は荒れているし、ちょっと雨が降るだけで馬場が外差しに振れるような状況だった。

なのに人気馬のシュネルマイスター、サリオス、ソダシが仲良く4、5、6番と内枠に並んでしまったんだよ。

いつ外伸びに振れてもいい馬場で、人気馬のジョッキーがどう動くか、これもマイルCSの見どころの一つだった。

●マイルチャンピオンシップ 出走馬
白 ②ウインカーネリアン 三浦
紫 ③ダノンザキッド 北村友
黒 ④シュネルマイスター ルメール
水 ⑤サリオス ムーア
赤 ⑥ソダシ 吉田隼
青 ⑦ジャスティンカフェ 福永
肌 ⑨ピースオブエイト C.デムーロ
黄 ⑩セリフォス レーン
緑 ⑪ソウルラッシュ 松山
銀 ⑫ホウオウアマゾン 坂井
橙 ⑬エアロロノア 武豊
桃 ⑮ダノンスコーピオン 川田
茶 ⑰ファルコニア 池添

20年阪神JF 1着赤ソダシ 2着青サトノレイナス
21年桜花賞 1着黒ソダシ 3着白ファインルージュ

以前桜花賞の回顧などでも触れているのだが、ソダシの後ろは非常にいいポジションとなりやすい。過ごしやすさで言えば、虫がいない夏場の軽井沢の別荘級と言って差し支えないだろう。

ソダシに限らず、強力な先行馬は真後ろにいる馬を連れてきやすい。強力な先行馬は簡単に垂れてこないから、真後ろの馬は直線で進路選択をしやすいのがその理由だ。連れてきてもらえるんだよね。

実際阪神JF、桜花賞共に、道中ソダシの真後ろにいた馬が好走している。オークスも真後ろにいたアカイトリノムスメが2着。

22年府中牝馬S
1着青イズジョーノキセキ 2着黒ソダシ 3着白アンドヴァラナウト

これはソダシの前走、府中牝馬S。ペースが速かった分インイン競馬だった影響もあるが、この時もソダシの真後ろにいるアンドヴァラナウトが3着で、その後ろにいるイズジョーノキセキが1着。

このような例があるからこそ、マスクは冒頭取り上げた枠順のポイントにて、

1.ソダシが6番
2.ソダシの隣にサリオス、その隣にシュネルマイスター

と、2点を挙げている。ソダシの真後ろを取る可能性が最も高いのはその隣の馬であって、近いほどソダシの後ろを取りやすいわけだからね。16番の馬が6番のソダシの後ろに簡単に入れないだろう。確率的に内枠のほうが入りやすい。

この点を頭に入れて、マイルCSを見てもらいたい。

スタート前。白ウインカーネリアンがゲートの中で立ち上がっている。まるで懐かしの風太くんのような状況だ。

元気かな

元々ウインカーネリアンはゲートの中の駐立が悪い。何度もゲート練習に通っているような馬。それでも今回立ち上がってしまった。

しかし奇跡的に?白ウインカーネリアンが着地した瞬間にゲートが開いたんだ。これによってウインは五分にゲートを出ることができた。

ただゲートの中で立ち上がったりした馬が、ゲート開いていきなりスピード全開、というわけにもいかないもの。元々ウインカーネリアンという馬はテンがそこまで速くない。

内枠だけに周りを囲まれたくなかったろうが、ここで勢いがつかなかったことでウインカーネリアンはかなり苦しくなってしまった

この影響については後述する。

一方、赤ソダシもあまり好感の持てるスタートではなかった。スタート後、ちょっと外に飛ぶように出ちゃって、青ジャスティンカフェと接触してしまったんだ。ラグビーでトライ決めた後の選手の喜び方みたいになってしまっている。

何度も書いているが、馬がみんなまっすぐスタートを切ってくれるわけではない。ゲートが開いて飛んでしまう馬なんていっぱいいるし、こればかりはジョッキーも気を付けてもどうにもならない場合が圧倒的に多い。相手は一馬力、急に動く一馬力を修正するのはなかなか難しい

しかも水サリオスもスタート出て少し左に寄ってしまったから、そこでまた赤ソダシが接触するような形になってしまった。

ソダシは出遅れではないし五分以上のスタートは切れているんだけれど、ここで若干加速を削られてしまった。これは微妙に痛い。

なんとか隼人も修正してポジションを取りに行っているのだが、赤ソダシは隼人がレース前に「短距離向きになっているかも」と言うくらい、元々前向きな気性の馬。

強引に押してポジションを取りに行くとそこで掛かってしまう。前半慎重に運びたいだけに、接触で加速を削られ、ロータスランドやピースオブエイトに前に行かれてしまったのは歓迎すべき事案ではないんだよね。

これは200m通過地点なんだが、もう黒シュネルマイスターのルメールがソダシの真後ろのポジションを確保している。ルメールはソダシの真後ろの有効性をよく知っているのだ。まー、ジョッキーだったらみんな知っていると思うが。

対して、ソダシの隣の枠スタートだった水サリオスは、ソダシの真後ろを取れずにシュネルマイスターにポジションを取られてしまった

●22年マイルCS 前半3F35.1
12.2-11.2-11.7

●マイルCS 阪神開催の前半3F
20年 34.9
21年 35.6
22年 35.1

阪神開催になってからの前半3Fを考えると、35.1というのは決して遅いわけでもない。速くはないけど。

●サリオスの近3走 レース前走3F
高松宮記念 33.4
安田記念 34.7

毎日王冠 34.5
12.6-10.6-11.3

コースが違うから一概に比較してはいけないのは前提なんだけど、ここ3走のサリオスの走ってきたレースの前半と比べて、今日がダントツに速い、なんてことはない。

今日のサリオスはいくら距離短縮だからって、さすがに進んでいかなさ過ぎた。馬場が悪いほど進んでいかない馬。良馬場に戻る程度の雨量だったことから、この程度の雨なら進んでいくのではないかと思ったんだがね。

レース後ムーアが「今日は合図を出しても返ってくるものがなかったです。馬場が柔らかすぎたのかな」と話しているが、一因として馬場はあったと思う。

加えてシュネルマイスターにポジションを取られてしまったことで、サリオスは後手後手の競馬を強いられることになる

茶ファルコニアが馬群から少し離して先行している。これは馬群から離して追走することで馬を落ち着かせるため、わざと馬群に取りつくのを遅らせている。

今日のファルコニアはパドックからテンションが高かった。それも考慮した池添の騎乗だったんだろうね。

内回りとの分岐点で、赤ソダシの吉田隼人は考えた。前にいるのは肌ピースオブエイト。その外には銀ホウオウアマゾン。

客観的に見てピースオブエイトが最後の最後まで粘ってくれる可能性は、正直そこまで高くない。

それもあって、赤ソダシの隼人は少しずつ外に意識を向けていく。肌ピースオブエイト、銀ホウオウアマゾンが内に寄っていったこともあって、それなりに楽に外目に出せた。

黒シュネルマイスターは、ソダシの後ろに合わせるようについていく。

そしてピースオブエイトがハナへ行き、外の2番手にホウオウアマゾンがついていくことで、ロータスランドがインの3番手になってしまったんだ。

すると白ウインカーネリアンはインの5番手に入ってしまう。先ほどウインカーネリアンのゲートの中の挙動について書いたが、加速が甘かった影響などもあって前に2頭入られてしまう

これ、もしインの3番手だったらまだ話は変わってくるんだよね。前にロータスランドを入れてしまったことで、よりポジションを悪くしてしまった。外から動かれるほど、カーネリアンのポジションは悪くなる。

つまりそれに合わせて、カーネリアンの後ろにいるマテンロウオリオンのポジションも悪くなる。この時点で1枠2頭のマイルCSはほぼ終わった

3コーナー前。赤ソダシの後ろに黒シュネルマイスター、その後ろに黄セリフォスというラインのまま進んできたんだが、これはGI。他のジョッキーだって黙って『好走ライン』をそのままにしておかない。

動いたのは桃ダノンスコーピオンの川田だった。

桃ダノンスコーピオンの川田が、赤ソダシの後ろに体をねじ込みにいったんだよ。まー、川田が黙ってただ外回るわけがないよね

シュネルマイスターは本来、ダノンスコーピオンを自分の前には入れたくない。だってソダシの後ろが一番いいポジションなんだよ?簡単にポジションは譲りたくないんだ。

ところがルメールがダノン川田を弾き返せていない。入ってくださいと言わんばかりの状態になってしまっている。

距離延長分だろうね。この中間のシュネルマイスターは一度使って馬の状態がかなり良くなっていたんだが、元気が良過ぎて調教に乗っていた嶋田純次くんが「抑えるのが大変です」と言うくらい、調教から前向きだった。

ゴリゴリポジション取りに行くと折り合い面が怪しくなる。ルメールとしてはギリギリまで脚を溜めておきたい。そんな思惑は間違いなくあっただろう。ダノン川田の動きを許してしまったんだ。

3コーナー。黒シュネルマイスターのルメールが前述したような理由もあってポジションを手放し、桃ダノンスコーピオンが紫ダノンザキッドを内に押し込むような形で、赤ソダシの後ろに入ろうとしている。

まー、川田としては大変お世話になっているダノックスが所有する同馬主のダノンザキッドをゴリゴリと締めるわけにもいかない

締め過ぎない程度に内目に入っていって、川田はソダシの後ろを取り…かけたんだが、ここで川田に誤算が生じる

赤ソダシの後ろに入れなかったのだ。入れなかったというか、入り切れなかったというか…

●22年マイルCS 35.1-34.0
12.2-11.2-11.7-11.5-11.9-11.6-10.8-11.6

ちょうどこの太字にしたあたりの区間なんだけど、過去2年の阪神開催マイルCSと比べてもそこまで遅くはない。ただ銀ホウオウアマゾンが肌ピースオブエイトにつきあって走ったことで、赤ソダシのペースも上がらない。

結果、桃ダノンスコーピオンが内に入れなくなって、ソダシの後ろというポジションを逃してしまった

決して遅過ぎはしなかったのだが、茶ファルコニアが外から動いてハナを切りに行ったことで、この区間は11.7-11.5と、緩まず推移したんだ。

ピースオブエイトが抵抗すればまた話は変わったろう。が、騎乗しているのはクリスチャン。ヨーロッパの競馬はスロー中心。特にクリスチャンが普段乗っているフランス競馬は前に馬を置いて運ぶことが優先されるスタイル

ピースオブエイトはそもそも絶対逃げたい馬でもなく、後ろを待つような逃げになった。それに合わせて走っていたホウオウアマゾンの後ろのソダシも、ある意味巻き込まれるような形になっている。

棚からぼた餅、前からソダシ、この一連の動きによって恵まれた馬がいる。紫ダノンザキッドさ。

最初ダノンザキッドは桃ダノンスコーピオンに外から締められかけていたのだが、同馬主ということもあって、川田の圧力は大したことがなかった。

しかも赤ソダシが少しずつ下がってきて、ダノンスコーピオンがソダシの後ろに入れなかったことで、自然とダノンザキッドがソダシの後ろに入れてしまったのだ

正面から見るとこんな形。赤ソダシの後ろに紫ダノンザキッドがいる。最初は黒シュネルマイスターが真後ろにいたのに、今や1頭分外。流れるうちに有利なポジションがシュネルからダノンザキッドに移ってしまった

桃ダノンスコーピオンがソダシの後ろに入れず1頭分外を回っている。すると、緑ソウルラッシュがより1頭分外を回されてしまうのだ。

仮に、だが、ダノンスコーピオンのポジションにソウルラッシュがいれば、最後のソダシとのハナ差が変わっていた可能性がある。勝てていたとは思わないが、ソダシの動きは着順を変えている。

白ウインカーネリアンは外から何頭にも来られてしまったことで、内で囲まれてしまっている。ポジションを取れない内枠ほど悲しいものはないね。

阪神10R再度山特別
1着緑フィデル3着黄スーサンアッシャー

そもそもダノンザキッドにとってラッキーだったのは、内目の馬場が思ったより良かったことだろう

画像は今日の阪神10R再度山特別。緑フィデルが勝ったのだが、内ラチから2頭目を追走している。

予想にも、この回顧の冒頭にも書いたのだが、過去2度、阪神開催のマイルCSは開催日程が異なる

●マイルCSの開催日
20年→開催3週目、開催6日目 Aコース
21年→開催7週目、開催14日目 Aコース

20年は10月末、スワンS週まで京都開催があったことで、阪神開催は11月からのスタートだった。マイルCSデーはAコース6日目にあたる。

対して21年は京都開催が存在しないことで、10月初めから阪神開催がスタートしている。マイルCSデーはAコース14日目の開催だった。さすがにこれだけ開催が続けば外伸びになる可能性が高い。実際昨年は外だった。

今年も昨年と同じ日程。10月から阪神開催が始まり、マイルCSはAコース14日目の開催になる。昨年同様外伸びになっておかしくない。

ところが今年の秋の阪神は雨にあたることが少なくて、開幕週こそ道悪にあたったものの、その後は雨をうまいこと回避できていた。先週のエリザベス女王杯デーは雨だったんだけど、それでも1日だからね。

これは先ほどの阪神10R再度山特別、向正面。内回りと外回りの分岐点だ。

一目瞭然だよね。茶矢印で指した部分、内回りと分岐する前の内ラチ沿いの芝の色と、分岐した後の内の色が違い過ぎる

緑ムーアもさっきの画像だと内ラチ沿いから2頭目にいるんだけど、分岐点までは内ラチ沿い4頭分は開けて回っているんだ。分岐点を過ぎてから、2つ前の画像のように内に入っていったんだ。ムーアは馬場が分かっていた

10月初めにスタートした阪神開催、芝のレースはマイルCSで84R目。外回りに限ればその半分の40R目にあたる。その分外回りに入ってから4コーナー出口まで、ラチ沿いの消耗度が少ない

だからダノンザキッドも内枠から内目に押し込まれているものの、内の状態がまだ良かったからこそ耐えられたわけ。あとは何とかして直線外目に出せればいい。

今日、当初の天気予報では1日雨模様だった。それが朝方に上がり、雨中の競馬にならなかった(雨の中競馬すると芝がより掘れる)。それによって、昨日から大幅に馬場が変わらず、内目で溜める馬の優位性が保たれたことが、レースに大きな影響を与えたんだ。

雨が降り続く開催で外伸びになったのは先週の日曜阪神もそう。エリザベスは外外決着だっただろう。一歩間違えたらあんな感じのレースになっていたかもしれない。

4コーナー。ここでポイントになったのが茶ファルコニア池添のペースメイクだ。

●22年マイルCS 35.1-34.0
12.2-11.2-11.7-11.5-11.9-11.6-10.8-11.6

残り600m標識が写り込んでいるように、太字にしたこの11.6の部分だ。

●マイルCS 阪神開催になってからのレース後半1000m

・20年
12.0-11.6-11.0-10.8-11.7

・21年
12.0-11.7-11.1-10.7-11.5

・22年
11.5-11.9-11.6-10.8-11.6

阪神開催になってから3度目、今年の残り600mからのタイムが0.5秒も遅い。ラスト400mは3年間まるで変わらないのに、この太字にした600m→400mのところだけ違うのだ。

ファルコニアの池添としては、馬のテンションが高く、早めに動いてしまって残り1000mから1F11.5なんていう速いラップを踏んでしまった。当然ギリギリまで脚を溜めたいよね。

その池添の意識が、これまでの2年より0.5秒遅い11.6という数字に表れたんだよ。

11.6って数字は、GIの4コーナーの数字としては遅い。本来であれば外前の馬たちが動いてペースを上げていかないといけないんだけど、外の2番手が肌ピースオブエイト、外の3番手が銀ホウオウアマゾンと、力量的に他馬に劣る馬たちだったことも影響した。

赤ソダシは早めに動こうにも、外4頭目から外を回って進出しないといけない。ソダシにとっての敵は前ではなく後ろなわけで、早めに動くといい目標になってしまう。

緑ソウルラッシュあたりも苦しいよね。自分の内側、誰も動いてくれないんだもん。自力で動けって話になるが、内にソダシやシュネルマイスターなんていう今の日本競馬のトップクラスがいるのに自分から勝ちに行くのは躊躇われる

外の好位にいる馬が後ろを気にしたりしていたこともあって、残り600m→残り400mが11.6とペースが上がり切らず、実質残り400mから瞬発力勝負になってしまった

もちろんソダシはこの形だと最後キレ負けてしまう。一見自分から動かなかったことで自分の首を絞めているように見えて、仕方ない部分が大きいんだよね。

この回顧はあまり勝ち馬に触れないって言われちゃいそうだから、黄セリフォスの動きにも少し触れたい。

セリフォスにとって大きかったのは橙エアロロノアの武さんの動き。池添がペースを上げきらなかったことで、エアロロノアにも手応えが結構ある状態だったんだ。

するとどうなるかって、緑ソウルラッシュが外に上がるタイミングで、橙エアロロノアがソウルについていける。

手応えが悪ければついていけない局面だ。しかし手応えがある分ついていけるし、黒シュネルマイスターを締めながら外から上がっていける

黄セリフォスにとっては大ラッキーな話さ。前の馬が勝手に動いてくれるんだもん。ついていけばいい。

こんな感じ。黄セリフォスのレーンは、橙エアロロノアの後ろをついてきただけなんだよ。

以前から回顧に書いているように、武さんの後ろというポジションは非常にレースを進めやすい。余計なことをしないし、フラフラしない。昨年の秋のGIは武さんの後ろにいた馬が続々と好走していたが、武さんの後ろなら前の動きを気にせず、脚を溜めるのに専念できる。

もうほとんど引率の先生だよね。もちろんセリフォスの能力があるのは前提として、今回の勝因の一つはエアロロノア武さんが自分から動いてくれたこと、これは大きい。

大変だったのは黒シュネルマイスターだった。外から橙エアロロノアの武さんにゴリゴリに締められてしまっている

武さんとしては、自分の馬に脚が残っているのだから、簡単に内にいるシュネルマイスターに「はい、どうぞ」と進路を譲るわけにはいかない。GIで一つでも上に行くのであれば当然締める局面さ。

上手いジョッキーは締め方も強烈なんだけど、まー、ゴッリゴリ(笑)左ムチ叩きながらシュネルマイスターを1歩たりとも外に出さんという意思が伝わってくる。

まー、シュネルマイスターがもっと反応があればエアロロノアをもっと早めに弾き出していたかもしれない。前述のように残り400mから急激にペースアップする流れもあったろうし、ルメールが「直線はそれほど加速しませんでした。柔らかい馬場のせいかもしれません」と言うように緩めの馬場もあったと思う。

一方、紫ダノンザキッドは、赤ソダシの後ろを取れた恩恵を直線で思い切り受けていた。ついてきたからこそ、赤ソダシの内、紫丸で囲んだスペースが開いている。もうあとはついていって、この進路を通るだけ。

外を見てくれよ。橙エアロロノアの武さんが未だに黒シュネルマイスターを締めている。もはや相撲だ。がっぷり四つで、外目で九州場所が行われている

更に外を見ると、黄セリフォスがフリー。改めてパトロールを見ると、セリフォスとダノンザキッドがスムーズに進路を取れていることが分かるよね。

問題は内。青ジャスティンカフェの進路取りだ。

ジャスティンカフェは道中内から2頭分を走り、直線では内から3頭分を開けて走っている。福永は馬場読みの達人。ジャスティンより内はもう厳しいと見ていい。

内目を立ち回って、直線では肌ピースオブエイトの内側、青丸で囲んだ部分のスペースが開いた。福永がレース後「状態はものすごく良かったです。4コーナーの手応えも良く、突き抜けられるかという感じでした」と話しているように、正直、ここまで本人としては完璧に運べていたと思う。

ところがここから、肌ピースオブエイトの蛇行が始まる。鞍上のクリスチャンが矢印で指したように、左からムチを叩いているんだ。

左から叩かれると、馬は右側に行く。つまり内のほうに動いていく。

青ジャスティンカフェと白ウインカーネリアンはピースオブエイトの内、同じところを狙っていたんだけど、ピースがどんどん内に行くことで、このスペースが閉まっちゃうんだよ。

こんな感じ。肌ピースオブエイトが内に行って、青ジャスティンカフェの進路が完全にふさがれてしまった

白ウインカーネリアンはまだ、ピースの外に切り返すような進路取りが可能なんだけど、ジャスティンカフェはもう進路がない。

が、内に寄ってしまった肌ピースオブエイトのクリスチャンは、立て直そうと今度は逆、右からムチを叩き始めたんだよ。するとピースは今度、外に向かい始める。

つまり白ウインカーネリアンの前に開いている進路がもう一度消えてしまうのだ。

こんな感じだね。右ムチを叩かれたピースオブエイトが外外に寄っていったことで、白ウインカーネリアンの進路が塞がれ、そのアオリを食らい、銀ホウオウアマゾンの坂井瑠星が詰まってバランスを崩してしまった。

青ジャスティンカフェの進路は結局開いたんだけど、一番伸びている時にこの不利は痛い。

直線は1頭分の進路があって、まっすぐ行ったのですが、抜け出そうというタイミングで前の馬がふらついて、勢いをそがれてしまい、もったいない競馬になってしまいました。交わすタイミングだけ進路が無くて、とてもアンラッキーでした」とレース後、福永が触れているのはここ。

福永からするどうしようもない。1頭半分進路が開いていて、そこ入ろうとしたら寄らなくていい馬が寄ってきたんだからね。

クリスチャンからすると左ムチ叩いて、内のファルコニアに寄せにいったんだろうけど、もう一度外に返ってくるの??とその後ろの馬たちは思いながら追っていたろうね。ここがスムーズだったら、ジャスティンカフェの3着以内は十分あった。

しかし直線の紫ダノンザキッド、赤ソダシの叩き合いは激しかったね。シュネルマイスターVSエアロロノアの九州場所もなかなかハードだったが、こっちも負けていない。

だってこれだよ(笑)ダノンザキッドの北村友一が右ムチを叩いて、赤ソダシの吉田隼人が逆に左ムチを叩く。ゴッリゴリの接触プレー。北村友一なんてもう立ち上がってるもんね。格闘技の世界さ。BREAKING DOWNかな。

叩き合いは長かった。お互い体をぶつけあって、たぶんブーツどころか鐙も何度もぶつかっていたと思う。

凄いのはソダシだ。相手は自分より大きな530kg近い牡馬。一歩も引かずに抵抗するのだから驚く。ひるんで下がるようなシーンがない。最後まで上位争いを演じていて、力のある牝馬であることを再確認するシーンだった。

まー、どこもかしこも九州場所が行われていたことを考えると、黄セリフォスのスムーズさがより際立つよね

もしインがスムーズだったら、外を回ったロスの分先着されていたかもしれない。タラレバだがね。今日一番スムーズに立ち回れたのがセリフォスだった、これがまず第一。

今日は勝ち馬から触れちゃおう。スムーズだったことに加えて、直線馬群がほぼ固まった状態での上がり勝負になったのも良かった。ダイワメジャー産駒らしからぬ決め手を、他馬より軽い斤量、スムーズな競馬で最大限生かせたことが大きい

直線早めに動いて正攻法で乗ってしまうと、先頭に立ったら今度は遊んでしまう馬。ギリギリまで追い出しを待ちたかったし、追い出しを待てる展開になったのも良かった。

仕上がりも素晴らしかったね。当初はここを使って香港マイルの予定だったが、富士Sから状態が想像以上に良くなって、香港はピークアウトすると見て回避、マイルCS一本で調整した結果、バッキバキの仕上がりで出てきた

中内田厩舎といったら早熟なんていう言われ方をする。早期から作ってくる分確かに上がり目が微妙な馬はいたが、それは中内田厩舎も分かっていること。少しずつ馬作りの方向性を修正してきて、ひと夏超えてより上積みを狙う調整法が確立されてきた結果が、この1着なのではないかな。

もちろんセリフォスはある程度完成されている馬。この先急激に伸びる感じの馬体ではないから、来年、再来年と更に数段階上積みがあるかは疑問。ただ若い頃の課題だったササり癖などもなくなり、よりレベルの高い競馬ができるようになった点は魅力

今後は前傾ラップになった時がどうか、個人的にはそこが気になる。これまでのキャリアでレース前半3Fが後半3Fより速い、いわゆる前傾ラップだったのは4着だったNHKマイルCだけ。このレースのセリフォスの数字は高くない。

NHKマイルはデキもすごくいいわけではなかったことから、単純に仕上がっていなかったのか、そもそも後傾で今日みたいな直線ヨーイドンの競馬のほうがより数字が伸びるのか、これは今後キャリアを重ねてみないと分からない。逆にデキが良ければ前傾のほうがいい可能性だってある。伸びしろがあるとしたらここかな。

断続的に流れる年がある安田はどうか分からんが、少しゆったり流れるトライアルなんかでは買っておきたい馬だね。


3着ソダシについてはもうほとんど触れた。動きにくい展開、直線ヨーイドン、直線激しい接触プレー。よく3着にきたな、という内容だった。

Twitterで「切れ味勝負が苦手なんだから逃げれば良かったのではないか」なんていうお便りをいただいたが、これまで逃げたのは初ダートのチャンピオンズカップだけ、ここからどういう馬なのかを読み取りたいよね。

序盤、『前半は慎重に運びたい』と書いたように、折り合いに課題がある馬さ。前に壁を作って折り合いたいのに、ハナに行って前に壁作らないで競馬してどうするんだって話なんだよな。

初ダートのチャンピオンズでハナだったのは砂を被って戦意喪失する可能性があったわけで、これはもう仕方ない。内枠だったしね。内で砂被って下がるよりはハナって選択だった。

ソダシのベストパフォーマンスは昨年の桜花賞だと思う。前半3F34.1(今日は同舞台で前半3F35.1)というハイペースを、3番手で追走して1:31.1のレコードタイムで完勝している。マイル以下ならちょっと速いペースでも前で対応できる、このアメリカダート的な踏ん張りが長所

マイルの場合、強力な逃げ馬がいるレースのほうがより数字も、パフォーマンスも上がる。ただ以前はシルポートとかそういう馬がいたんだけど、古馬のマイルでハイペースを刻む馬はそう現れるものではない。パンサラッサが仮にマイルに出てきて、中距離と同じようなペースを刻めるかは分からないしね。

だからこそ、より流れが厳しくなる1400以下を使う手だと思う。隼人もレース前に「短距離馬っぽくなってきた」と話しているが、筋肉量も増えたこと、元々前脚の捌きが硬いことからも、今のベストは1400なんじゃないかな

阪神カップはまた間隔が狭まるからテンションが不安なんだけど、高松宮記念に参戦してほしい。今のソダシは1200でも見たい。まー、その後ヴィクトリアマイルに距離延長したら折り合い大変だろうけど。


4着ソウルラッシュは松山が「本当は馬の後ろで我慢させたかったのですが、なかなか入れませんでした」と言っているのが全て。道中外で前に壁を作れなかったのが痛い。

ダノンスコーピオンの後ろで我慢させたかったんだろうけど、ダノンは途中ソダシの内に入ろうとしたり、色々やってたからね。結局ただ外を回る形になってしまった。

それでハナ差4着なんだからよく頑張っているんだけど、雨がもっと降ってより外伸びになっていれば…と思わざるを得ない。それくらい今日はいいデキだった。これまでのソウルラッシュで一番いいデキ。

逆に言うと、この状態でもGIでは足りない。天候の助け、展開の助けも必要だと思わせる内容ではあった。まー、まだ4歳。ここからもう一段先がありそうだし、成長に期待したい。

5着シュネルマイスターはここまで書いた通り。折り合い面を気にしたかソダシの後ろをキープできずに1列下げて運び、その結果外を狙うことになって、エアロロノアに外から締められた。ソダシの後ろだったら締められることもない。

ただ言うのは簡単。ルメールレベルの技術があるジョッキーでキープできないんだから諦めるしかない気がする。+4kgでも太くはないんだが、以前に比べて全体的に筋肉量が増えて、1800以上で走っていた頃とは違う馬体になっている

1400に適性が寄ってきたかなと思う。ただ、かといって1200で行き脚がつく馬でもないから、最近の高松宮はインがいいから、外を回すであろうシュネルマイスターとしては馬場と展開の助けが欲しい。

慢性的にトモが悪い馬で、ドバイだと仕上げられないことが今年分かってしまった。次走に予定している香港も日本ほど仕上げるコースが整っていないから、態勢を作れるかは疑問。

序盤から流れる安田記念はいいのだろうが、それまでにどこでしっかり買うか。番組が少ないんだよなあ。

6着ジャスティンカフェは直線のスペースがね。クリスチャンの左ムチがなければ…と思ってしまうが、競馬は複数頭でやるもので、この手の進路がなくなる話は珍しくない。

ちょっと腹回りが寂しい印象も受けたが、陣営が大事に使ってきたことで、夏場の休養を挟んで馬が更に良くなっている。一度の休養でここまで上がるなら、もう一度休養を挟むとどこまで伸びるのか楽しみ。

決め手もあるんだが、厳しいレースでも数字が出せる馬。来年が楽しみ。安田記念でも期待したい馬で、どこで賞金を積むか、そこが問題になってきそう。

7着エアロロノアはこれまでの6勝全部が後傾ラップという、後傾ラップの鬼。今日はファルコニアが中盤緩めてヨーイドンになったことも良かった。

安田記念にしても上がり3F32.6を使って勝ち馬と0.2秒差と能力があるのだが、これは17番手から運んだ分もある。

武さんが今回、レース後に「あと一歩ですね。決め手です。もう一つ決め手があれば、もっと上位に食い込めたと思います」と話しているように、流れに乗ってもう一脚使えるか、これが来年に向けたロロノアの課題。

エアスピネルが未だに現役をやっているように、成長力のある牝系。もう1つ上にたどり着ければGIで掲示板はあると思う。この手の馬はゆったり流れるトライアル向き。外も伸びる馬場のトライアルで買いたい

ここにきてまた改めて身体が成長しようとしていて、バランスが変わっているなと。もう一度、成長してからですね」。11着ダノンスコーピオンの川田は面白いことを言っている。

たぶん川田が変な言い訳してる、なんていうご意見もあるかもしれないが、これは言われてみるとしっくりくるんだよね。

ダノンスコーピオンって馬は休み明けを叩くと一気に上昇してくる馬。今日も富士Sからどれだけ上げてくるか楽しみにしていたんだけど、いざパドックに出てきたらあれ?って感じの馬体でね。

悪くはないんだけど、急にまたもう一段階、二段階伸びそうな緩い体で出てきたんだ。富士Sの時とも、NHKマイルの時とも違う体。正直もう富士Sみたいな馬体のまま推移すると思っていたんだがね。

キングマンボ系は緩さが取れ始めると目に見えて数字、パフォーマンスが良くなってくる。ダノンスコーピオンはもう一段奥があるようで、川田の言うようにここからもう一度成長してくれば古馬GIでも勝ち負けできる馬になると思う。こういう2段目があるキングマンボの上級馬はあまり見ない。楽しみ。

14着サリオスは馬場の影響もあるんだろうけど、それにしても進みが悪かった。輸送で一気に減る馬であることを考えると、体重はキープできていたほう。

ひとつ思うのは、今週の追い切り。金曜輸送だったことから水曜にムーアを乗せてウッドでやったんだが、6F81.3、5F63.0、ラスト1F11.8と、この馬の当週追い切りとしてはかなりしっかりやってきたんだよね。

もちろん陣営はもっと遅い時計をイメージしていたし、ジョッキー騎乗とはいえこのタイムは出過ぎ。ムーアは楽に動いていたから心配ないみたいなことを言ってたけど、いくら内目を通ったとはいえ最終追いで反動が出ちゃったかな。

パドックでの前脚の出方はいい時のサリオスだったんだが、疲れが溜まってレースで動けなかった可能性はある。それくらい仕上げが難しい馬。

なぜ天皇賞に出ないんだ、なんていうご意見もこの中間結構あったんだけど、あの馬、レース使った後の動きは本当に硬いからね。毎日王冠終わった後、週中馬場入りした時はあまりに硬くてロボットみたいな動きだった。

当然天皇賞は間に合わない。リカバリーもいつもより1週間長く掛かってしまった。そこから間に合わせる調教となった分、反動を取り切れなかった可能性はあるね。

難しい。それこそ前走の毎日王冠は久々にかなり調整が上手くいって中身の濃いラップ、レースになったんだけど、毎回このレベルに持ってこられない馬。ペース的にもマイルが短かった、とは思えない。今回そこまで無理していない分、無事香港を使えればいいんだが。力のある馬だけに難しい。

さて、今回の回顧、最後は2着のダノンザキッドについて触れて終わろう。今日はデキがいいことが伝わってくる好パドックだった。手前の問題で右回りだとよりいいこと、直線ヨーイドンとなったことも良かった

加えて道中、書いたように内目の馬場がまだ持っていたのも大きい。何から何までいいほうに転がった。これが仮に外枠を引いていたら、ソダシの後ろに入れていなかった可能性があるわけで、ここまで上手くいかなかったかもしれない。

実力はあるんだけど、前走毎日王冠で他馬に反応してやらかしてしまったり、中山で何もなく大敗したり、脆さも同居する馬、ここまでのレベルに仕上げてGIを使えるようにした陣営もさすが。

今回の2着は大きい。この馬の課題はホープフルSを勝って以来上積みできなかった収得賞金。ようやく加算できた。これで夏場に関屋記念を使ったりしなくてもいいはず。よりじっくり馬が作れそう。今後も右回りのワンターンの上がり勝負なら重視していきたい馬

そして何より、今回の鞍上が北村友一であったことも特筆すべき点だろう。昨年5月に落馬事故に巻き込まれ、日常生活も送れるか分からないレベルの大ケガを負って、今年の6月、奇跡の復帰。

しかし復帰後5カ月半で13勝。ケガの具合を考えれば乗れているだけで奇跡なんだけど、復帰後のフォームなどを見ると、ケガ前とはやはり違う部分を感じてしまったのが正直なところなんだ

面識もあるだけに頑張ってほしい気持ちのほうが強いんだけど、この世界は結果が出ないと馬も回ってこない。馬が回ってこなければ成績も上がらない。それは本人が一番分かっていることだろうし、騎乗時の違和感はまだ消えていないと思う。

今回のマイルCSは、北村友一が復帰してから初めてのG1騎乗だったんだよね。ダノンザキッドがゲート再試験になったことで、新馬以来、手綱が戻ってきた(再試験はレース騎乗予定騎手が乗らないといけない)。

この画像を見てくれよ。ソダシ相手に一歩も引かず、ガムシャラに追う姿を見てくれよ

最後のほうは決してきれいなフォームではなかった。もう勝利に対する執念が前面に出ていたよね。この1年半、苦しい時期を耐え抜いた北村友一の気持ちが出た騎乗だった。

確かに俺は先ほど、ダノンザキッドの好走理由に幸運も挙げているんだけど、そもそもこの馬に乗らなければ、このようなチャンスは巡ってきていない。

復帰前のようには戻らない違和感を抱えながら、少しでも上を目指す姿勢を周りが見ていたからこそ巡ってきたチャンスなんだよな

それだけに本人も勝つことが何よりの恩返しだと思っていただろうし、この2着に相当な悔しさを持っていると思う。

この悔しい結果を糧にして、復活のGIタイトルを獲得する日をマスクは待ちたい。

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