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22年札幌記念を振り返る~露呈した致命的弱点と微笑んだ競馬の神様~

マスクちゃんは夏休みに入った。まー、夏休みといっても、偉大なる総裁のご指導の下、排水溝の掃除に勤しむだけなんだけど。

札幌記念は当初回顧を書く予定がなかった。なぜかって、たぶんパンサラッサがいつものような逃げ方をした場合、パトロールがそこまで面白くならない可能性があったからさ。

何度も予想に書いてきているが、パンサラッサという馬は序盤から飛ばして、実距離より短い競馬をする。つまり超ハイペースになるから、馬群が縦長になって、パトロールで書くような細かい思考のやり取りが一本書くほど残らないんだよね。

ところが今年の札幌記念、そんなマスクの予想とはまったく違うレースが展開されてしまったんだ。いつものようにTwitterに分割で載せるのも面倒だから、1本、書くことにする。

宝塚以来だね、回顧記事は。1本あたり1万5000字は超えちゃうから結構大変なんだよな、この記事。いつもほど長くないだろうが、そこはもう夏休みということでご容赦いただきたい。

★ペースの問題

早速、今回の札幌記念の一番のポイントとなったペースについて書いていく。

札幌記念のラップ
・19年
12.6-11.0-12.5-12.0-11.8-12.1-12.0-12.0-11.9-12.2

・20年
12.7-11.1-12.0-12.3-12.2-12.2-11.7-11.7-11.6-11.9

・21年
12.5-10.9-11.5-12.5-12.5-12.4-11.8-11.8-11.7-11.9

道中12.6以上掛かったラップがここ3年存在しないように、元々札幌記念というレースはペースが緩みにくい。楕円形に近いコースで、コーナーも緩やかなことが影響している。

そんなコースに、パンサラッサが出走してきた。

パンサラッサが作るペース
・オクトーバーS 2000m 1着 前半600m35.8
12.6-11.8-11.4-11.4-12.1-12.2-12.6-11.4-11.8-12.7

・福島記念 2000m 1着 前半600m33.6
11.9-10.8-10.9-11.9-11.8-11.9-12.4-12.4-12.1-13.1

・中山記念 1800m 1着 前半600m35.2
12.7-11.2-11.3-11.1-11.3-11.5-11.6-12.2-13.5

パンサラッサという馬は前半から飛ばしてくる。中山記念を見てほしい。スタート後200mから、11秒前半のラップばかり刻んで、ラストの1Fだけ時計が掛かっているだろう。

中山記念というレースは1800mだが、パンサラッサは1600mまでにレースを決めにきているのだ。道中飛ばして後ろの脚を削り、残り200mまでにセーフティリードを作ってレースを終わらせてしまう

この形が昨年のオクトーバーSからできあがった。マスクがパンサラッサ逃げと呼んでいるあの馬独自のやり方さ。

●パンサラッサの前走
宝塚記念 2200m 8着 前半600m33.9
12.5-10.4-11.0-12.1-11.6-12.1-11.9-11.8-11.9-12.0-12.4

上記、福島記念や中山記念のラップと比べてみてほしい。もちろん距離もコース形態も違うから一概に比較はできないが、宝塚記念は中盤に12秒台を入れて逃げていた

確かに序盤は速い。しかし中盤はこの馬にしては落としている。これは有馬記念でも見られたペースで、要は『2200m以上だとパンサラッサ逃げができない』のだ。距離は2000までなんだよね、この馬。

そうなると札幌記念は2000mだから、ギリギリパンサラッサ逃げが打てる条件になる。前述したように札幌記念はコース形状などから、例年緩みにくい。

マスクの読みとしては、まずハイペースになって、ついてきた馬から潰されていく、そんな読みだった。馬場が多少重かろうがね。

★22年札幌記念のペース

読み間違えたね、ペースを。

パンサラッサが出遅れるor出負けしてハナに行けない形なら、標準~スローもあると見ていたが、パンサラッサが逃げてハイペースにならない形は考えていなかったよ、正直

●22年札幌記念
12.6-10.9-12.0-12.1-11.9-12.2-11.8-12.4-12.6-12.7
前半600m 35.5
前半1000m 59.5
勝ち時計 2:01.2

やられたよ。太字は最初と最後の1Fを除いた道中の、1F12秒台だったところ。計5Fも12秒台なんだもんな。まいっちゃうよ。

●札幌8R 3歳上1勝クラス 牝馬限定
12.5-11.2-12.4-12.3-12.3-12.5-11.8-12.1-12.3-12.8
前半600m 36.1
前半1000m 60.7
勝ち時計 2:02.2

こちらは同日の8R、ヒヅルジョウが逃げ切った札幌8Rのラップだ。前半3Fは0.6秒、前半5Fは1.2秒、札幌記念より遅い。勝ち時計は1秒遅かった。

確かに8Rが1勝クラスの中ではそれなりに流れた影響はある。それにしても、仮にもGIに格上げって話まで出ているスーパーGIIが、1勝クラスの牝馬限定とペース、全体時計が共に1秒しか違わないのだ

この8Rのペースが念頭にあったことから、マスクはTwitterでペースについて『パンサラッサにしてはスロー』と書いた。勘違いしてはいけないが、パンサラッサにしては、だからね。普通のスローとは意味合いが異なる。

馬場を考えればハイペースでは?というお便りをいただいたが、8Rの1勝クラスと1秒程度の差。パンサラッサが普段1勝クラスと1秒差くらいで逃げますか?という話。これをTwitterで書くのが面倒だから1本書いているフシもある。

★パンサラッサ吉田豊の思考

吉田豊だってもうジョッキー生活が長い。パンサラッサがテン乗りならまだしも、ハイペースで飛ばした中山記念にも乗っていて、この馬の長所についてよく知っている。

●22年札幌記念
12.6-10.9-12.0-12.1-11.9-12.2-11.8-12.4-12.6-12.7

そんな吉田豊が、いくら馬場が緩かったとはいえ、12秒台を道中連発するような逃げを打つかって話なんだ。当然Twitterには『もっと速く行けば良かったのに』というお便りが届いていた。

それは吉田も知ってるんだよ。中山記念であれだけ飛ばして勝ったように、この馬の長所は分かっているのだから。それでもこのペースになった、その理由を考えないといけないんだ。

スタート後
スタート後200m手前

この角度から見るとよく分かるが、黒パンサラッサは今回、テンの1Fが非常に遅かった。1F地点前では完全に緑ユニコーンライオンのほうが速い

これは前走の宝塚記念。この時もテンが遅かった。接触の影響もあったが、1F地点でまだハナを取り切れていない。タイトルホルダーのほうが楽に進めている。

馬は加齢だったり、レースを使うごとにズルくなって、スタートから出ていかなくなることがある。元からそんなにスタートから速いわけではないが、ここ最近は目立つね。このケースに近いとは思うが、差し馬ならまだしも、逃げ馬がスタートから出ていかないとなると厄介

しかもパンサラッサの場合は道中かなりペースを締めるタイプ。序盤楽に行けないと、あとで借金として自分の身に降りかかってくるわけで、ゲートから出ていかないのは大問題なんだ。

黒パンサラッサにとってラッキーだったのは、外から先行してきたのが同厩の緑ユニコーンライオンだったこと。ハナに行きかけたユニコーンが自重して、パンサラッサにハナを譲ったんだよな。

まー、これはユニコーンの鞍上坂井瑠星のとっさの判断だろう。ユニコーンは2番手でも走れること、そしてパンサラッサは行かないと味がないことを、自厩舎所属の瑠星は知っている。

だから一旦緩めて、パンサラッサにハナを譲った。これはヤオとかそういう話ではなく、チームプレーに近いもので、別に何が悪いなんてことはない。瑠星考えたなと思ったよ。

逆に言えば、パンサラッサは危なかった。なにせこれが違う厩舎の馬だったら、明らかに出られている以上ハナを奪われてしまっていた。番手以下のパンサラッサは力半減どころではない。たぶん2割も力を出せないと思う。

そういう意味ではこの譲ってもらったのが2着に粘った最大の要因。譲ってもらえてなかったら大敗だったと思う

2着パンサラッサ 吉田豊騎手「この馬なりにらしさを出してくれて、勝ち馬によく食い下がりました。二の脚が遅くて、行くまでに苦労したのですが、行き切ってからは楽でした」

レース後の吉田のコメントで二の脚が遅いという話が出ていた。吉田としては行くまでに苦労してかなり押して出した分、道中無理できない、という意識はあったと思う。

良馬場とはいえ馬場は緩め。テンから厳しく行ってしまった分、ごまかしながら進みたい。かといって、パンサラッサは溜め逃げしていい馬でもない。吉田豊が続ける。

3~4コーナーでもう少し突き放していきたかったです。そこでセーフティリードが取れていれば良かったです」

改めて札幌記念のラップを見てみよう。

●22年札幌記念
12.6-10.9-12.0-12.1-11.9-12.2-11.8-12.4-12.6-12.7

札幌の3、4コーナーといえば残り800m地点から残り400m地点過ぎが該当する。太字にした部分だ。

残り1000mから1F12.2を刻んで、その後突き放そうとしているのに、1F11.8。0.4秒しかペースが上がっていないのだ

元々パンサラッサという馬はワンペースで、だからこそ序盤から飛ばす流れが合うのだが、0.4秒しかギアチェンジできなければ後ろを突き放すまでには至らない。楽に後ろがついてきてしまう。

前述したように、パンサラッサは前半から飛ばしてセーフティリードを作って後続を突き放し、残り200mまでにレースを終わらせる逃げ方をする。

ついてこられるとこの作戦が成立しないんだよね。宝塚記念の回顧で触れた。

22年中山記念3コーナー

理想は今年の中山記念のような、こんな形なんだ。3コーナーで後ろとの差が大きく開いているだろう。早めにレースを決めにいって、セーフティリードを作って逃げ切るタイプだから、ついてこられたくない。

●22年札幌記念
12.6-10.9-12.0-12.1-11.9-12.2-11.8-12.4-12.6-12.7

何度もラップを出すが、3コーナーまでに12秒が3本も入るラップでは後ろもついてくる

そして逆に言えば、いつもより遅いペースを刻みながら、ジョッキーが言うように「3~4コーナーで突き放せなかった」のだ。

馬場が緩かった影響かもしれないが、吉田豊は「重たい馬場は合っていた」と言う。ワンペースな馬が中盤少し落としてしまったことで、ギアが変わり切らなかったことが要因なんだろう。

中盤少し落としたのは、つまり序盤脚を使ったから。スタート後に加速がつかず、押して主導権を取りに行った部分が中盤以降に借金として残ってしまった

このレースを見せられると今後、パンサラッサは買いにくい。今回は着順こそ2着だったが、ラップだけ見るとパンサラッサにしては遅く、数字も出ていない。1勝クラスと1秒差。秋の路線が国内か国外かは今後決まるだろうが、国内のGIに出てこられても、この数字では…

★レースレベルは高かったのか

●札幌8R 3歳上1勝クラス 牝馬限定
12.5-11.2-12.4-12.3-12.3-12.5-11.8-12.1-12.3-12.8

●札幌11R 札幌記念
12.6-10.9-12.0-12.1-11.9-12.2-11.8-12.4-12.6-12.7

最終をモンファボリという馬が勝った。勝ち時計は1:10.2。前走1回札幌6日目HBC賞とペースがほぼ一緒で、この時のタイムが1:08.6。単純計算で、6日目より1秒~1.5秒ほど時計が掛かっている

他のレースのタイムを計算しても、たぶん6日目に比べて1秒少し遅い。6日目が高速馬場だったから、日曜の馬場は札幌の水準より少し掛かるくらいだった

そんな馬場で、1勝クラスの牝馬限定よりペース、全体時計共に1秒だけ速いという数字がいいとは決して思えない。

たぶん馬場差は18年サングレーザーが勝った時に近い。あの時は稍重だったが、それでも回復しかけていて、今日とほぼ同じ馬場差(推定)。勝ち時計が2:01.1。今年が2:01.2。

ペースは18年が前半5F59.1、今年が前半5F59.5。まー、そこまで大差はない。この18年、2着マカヒキ、3着モズカッチャンがGI馬。

メンツ的には悪くないが、その年の秋のマカヒキのGI成績、そもそもマカヒキが前年ジャパンカップ以来の休み明けだったことを考えると、レースレベルが高かったとは思えない。この時も同日の1勝クラスより1秒程度速いだけだった。

正直、ジャックドールがそこまで速過ぎないペースを3番手以下から勝ち切ったことに驚いた。そんな競馬できるのかと

レース後藤岡が「ほぼ想定通りの展開でしたが、一つ誤算はジャックドール自身が思った以上にピタッと折り合ったことで、それが勝因だったと思います。道中は力み過ぎず、抜き過ぎず、非常に良い感じ」と話しているように、気性面の成長が大きい。前を追いかけなくなった。これなら他場でも番手で控えて運べる。

ならこの形がジャックドールのポテンシャルを最大限に引き出せるかというと、それは違うと思うね。実際これまで逃げて勝った時より数字が弱い

一度こうやって成功例ができた以上、天皇賞秋では番手以下に控えるプランを試してくる可能性は十分ある。札幌で、数字がそんなにでもないレースで成功しても、高速馬場の天皇賞で同じことが成功する可能性は低いと思う

今回は藤岡の好騎乗も光った。

これはスタート後。赤ジャックドールが『逃げる素振りを見せていない』のだ。

パンサラッサが行くことはある程度想定していましたし、ユニコーンライオンの出方次第だと思っていました。ほぼ想定通りの展開でした」とレース後藤岡が話しているが、パンサラッサのほうが飛ばして逃げるのは想定済だったんだろう。だからこそ序盤からハナを狙っていない。

そこで問題なのは外から先行してくるであろう緑ユニコーンライオン。ジャックドールの跳びの大きさを考えると、ユニコーンに締められたくはない。だからこそ、最初から内の赤丸の部分、スペースを開けて回っているんだよね。

最初から外に張って先行することで、締められず、自分のポジションをキープできるように乗っている。これが大きかった。結果的に終盤まで被されていないのは、1コーナー前のポジション取りが良かったからに他ならない。

藤岡が誤算と言っているように、外前に出してもそこから引っかかる可能性を考慮していたと思う。それまで逃げていた馬が控えると前の馬を追いかけようとして掛かる場合が多いしね。

しかしジャックドールが思ったより全然掛からなかった。藤岡もアレ?と思ったはず。滞在競馬だったからこのテンションだったのか、本当に大人になったのかは定かではないが、競馬の選択肢が広がること自体はいい。ジャックドールに関しては、収穫が多い一戦だったと思う。

秋の天皇賞はコース形態から序盤緩まるんだよな。ハナのほうがいい気がするが、外枠に入った場合、番手で妥協する可能性が増した。強くはなっているが、正直、怖さは若干減った。

★完璧だったウインマリリン松岡正海

一際目立つ好騎乗をやってくれたのがウインマリリン松岡正海くんだ。

9番という、内か外かなんとも微妙な枠を引いた黄ウインマリリン。並びが良かったね。

最初の直線で、水アイスバブルの前のスペースが空いていたんだ。マカヒキだのアイスバブルだのが1枠にいて、2枠がどちらも先行馬だから3枠から外でもラチ沿いに入れる可能性がある、それが枠を見た第一感だった。

予想ではそこにグローリーヴェイズが入れるのでは、と書いたのだが、行けず、空いた内のスペースに代わりに入ったのがウインマリリンだったんだよね。

存在に気付いた正海が一瞬内を見た後、すぐにラチ沿いに馬を誘導している。1コーナー前にパンサラッサの真後ろ、ラチ沿いというロスなく運べるポジションをキープすることに成功したんだ。

仮にこれがいつものパンサラッサ逃げでハイペースだったら、インの好位でも苦しくなったかもしれない。そこまで速くなり切らなかったことで、インの好位は絶好のポジションとなったわけだ

勝負どころでもラチ沿いを通してまったくロスのない競馬をした黄ウインマリリン。右肘が良くない馬で立て直しに時間が掛かっているが、租界やTwitterでも触れたように、確実にデキは前走宝塚記念より良かった

本当にいい時を知っている分まだ8割後半だと思うが、ロスなく回ってきたことに加えてデキが戻ってきたことで、置いていかれず勝負に参加できている。

あえてもったいなかった点で触れるとすれば、緑ユニコーンライオンが微妙な位置にいたことだろう。

これ、ユニコーンがいなければ黄ウインマリリンは黒ジャックドールの外にスムーズに出せた可能性があるんだよね。

4コーナーでまだユニコーンライオンが外にいたことで、内目に進路を狙う素振りがあった。結果1頭分もないスペースだったから突けずに外に出したのだが、スムーズに外に出していたらもう少し差は詰まったと思う。

まー、完調のウインマリリンだったら、この形のレースをすれば勝ったんだろうけどね。着実に戻っているから、右肘が悪化しなければオールカマーやエリザベス女王杯が楽しみになる

★ソダシの5着は健闘?

これは最後の直線。本来であれば、白ソダシが内を締めきっていれば、黄ウインマリリンが外に出せない状況になる。

しかしソダシがこらえきれずに下がったことで、ウインマリリンの進路が完全に開いた。

レース後、ソダシ吉田隼人が「よく頑張りましたが、前の馬が強かったです。折り合いもついて、状態は良かったです。相手を褒めるしかないです」と話しているが、パドックからテンションが少し高かった。

そもそも中間の調教から折り合いが難しくなっていると聞いていたから、2000だと掛かると見ていたんだけど、実際少し掛かり気味。折り合いが完全についたとは言い難い状況。

1勝クラスより1秒程度速いペースを先行したのに、最後内を締めきれずに下がってしまったのはもう距離と言っていいだろう。数字は低い。5着とはいえ、これは他が走り切れていない部分もあり、着順以上に内容は良くなかった

まー、距離という部分は今回懸念していた部分だから、この点については特に驚きはない。昨年は今年より軽い馬場で52kg。ペースももっと落ち着いていた。

もうマイラーだね、完全に。コーナーが少ないワンターンで、ある程度流れるマイルのほうが圧倒的に乗りやすい。短縮でマイルチャンピオンシップに出てくれば普通に買う。一周で買うなら中山記念くらいになりそう。

問題は調教師が「マイルチャンピオンシップの前にどこか使うかも」と言っている点。ソダシは使い込めないタイプの気性だから、中3週になる天皇賞秋ではないと思う。

可能性があるのは10月頭の毎日王冠か、南部杯。できれば毎日王冠を使ってほしいんだよね。そうするとマイルチャンピオンシップが距離短縮になる。南部杯だと同距離。

盛岡マイルはダートスタート。滑ってしまう可能性がある以上、ここは使うのであれば毎日王冠にしてもらいたいな。もし毎日王冠で内枠なら買うと思う。

★一体今後どこに繋がるレースなのか

6着グローリーヴェイズはペースを考えると仕方ない部分もある。もう少し軽い馬場のほうが走りやすいかな。少しズブくなってきたから、今後2200m以上のほうが買いやすいね。

7着アンティシペイトは緩い馬場で、外から押し上げる展開。かなり苦しいパターン。福島民報杯の数字がいいように、ハイペースで流れる2000mが一番いい馬。福島記念がハイペースになれば楽しみ

ただこの馬、賞金が少ないんだよな。今後出てくるレースが意外と限られてくる可能性がある。そろそろ賞金を積んでおきたいところだろう。

11着ユーバーレーベンはレース前、ジャパンカップを目標にすると言っていたが、正直これは目標にする以前のレベル。馬体は太いし、気持ちも入りきっていないし、いかにも休み明け。

これで変わればいいが、一度叩いて一気に変わるの?と思うほど馬ができていなかった。左回りのほうが若干いいだけに、オールカマーもこのままでは怖い。なんだかこの先が心配になるデキだった。

★やっぱり競馬ってドラマだなって

今週、名伯楽として知られる伊藤雄二元調教師が亡くなった。エアグルーヴ、ファインモーションなど数多くの名馬を育てた師の詳細はこの場で語るまでもないだろう。

土曜のオープニング、札幌1Rを梅田厩舎のビキニボーイが勝った時は驚いたね。梅田厩舎は伊藤雄二厩舎の後を継いで開業した厩舎。スタッフさんもエアグルーヴの田中助手などがそのまま転籍している。ビキニボーイの担当さんも元伊藤雄二厩舎。伊藤師が亡くなられた週にいきなり勝つとは思わなかった。

その梅田厩舎が日曜の小倉メイン北九州記念を最低人気のボンボヤージで勝ったんだから驚きだよな。伊藤雄二イズムを受け継いだ厩舎から重賞ウィナーが生まれてしまった

何より驚いたのは、その数分後、札幌記念を藤岡健一厩舎のジャックドールが勝ったこと。藤岡健一師は助手時代に伊藤雄二厩舎で勤務していた

大昔、藤岡佑介少年は父が勤務する伊藤雄二厩舎に遊びにいって、触れ合ったエアグルーヴの大ファンになったという経緯がある。

そんなエアグルーヴが連覇するなど、伊藤雄二師が4勝を挙げた縁のある札幌記念を、このタイミングで藤岡健一師、藤岡佑介の親子タッグで制するなんてな。

競馬の神様は、いる。




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