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【マーメイドS2024】京都芝2000mの特徴と馬場傾向(トラックバイアス)

マーメイドSの好走傾向=(やや)差有利

マーメイドS(※京都芝2000m) 過去5年好走馬直線進路

(数値は阪神芝2000mで実施したもの)
直線平均進路:5.6頭目÷大外平均:11.8頭目=馬群内直線位置:47%
4角平均位置:7.3番手÷出走平均数:15.4頭=馬群内道中位置:48%
好走馬上がり3F平均タイム=35.39秒

6月中旬に行われる牝馬限定重賞。特徴的なのは「上がり上位の好走率が高い」「上がりタイムは毎年かかる」の2点である。牝馬限定戦は比較的上がりを競うレースになりやすい。これは牝馬の特性として上がりスピードに長けた馬が多いために直線での加速力を問うレースが多い→上がりタイムの速さが実力と比例していると事実がある。
しかしながら、このレースに限ってはこの事実・常識には当てはまりにくく、上がり平均は35秒台と破格の遅タイムである。
直線はそこまで目立った数値は見られず事実上「内外差無」、脚質は上がり上位の馬の好走が多く「差有利」と評価したものの4角位置では馬群の後方にいるわけではなく、あくまで「長くいい脚を使える馬=差し馬」と便宜上分類しただけである。

 フェアな中距離コース

京都芝コース レイアウト

京都芝2000mは直線半ばからスタートし、1角までの距離は309mと長すぎず短すぎずな上に向正面は長くて途中から上り坂であるためにペースが緩みやすいと言う背景から、枠の内外や脚質に有利不利が生まれにくいフェアなコースと言える。
それぞれのペース次第で好走する馬、血統、枠順などは異なためクセの少ないコースと言えるだろう。

“阪神”と“京都”の違い

本来の開催されるはずの阪神と今年開催される京都ではどのような違いがあるのだろう。

①レーススピード

同じ右回り、同じ直線スタートの4角コースと全体像は類似している。平均タイムを比較すると大きいな違いはなく共にスピードを要するコースである事がわかる。近年は阪神芝の高速化や京都芝の路盤改修工事がなされてお互いの時計は近づきつつある。

②後半の下り坂

京都競馬場の特徴である3角のアップダウンが印象的であり、阪神と大きな違いといった印象がある。しかし二つのコースを比較してみてみると、3角後半から4角にかけて下り坂となるため同じ箇所から早めのスパートが始まるといった構図は類似している。

梅雨時期に行うマーメイドS

マーメイドS過去10年好走馬上がりタイム

毎年6月中旬に実施されるマーメイドSは梅雨と馬場の使い込み(芝張替え作業直前)の影響を大きく受ける。それがわかるのが好走馬の上がりタイムだ。レースの走破時計は1:58.3~2:00.5と、他の芝2000m重賞と差は見えないものの、上がりタイムは好走馬Ave.で35.0秒/上がり最速Ave.(③着内に入れなかった2022年/2017年も含む)が34.6秒と遅い。

これは直線が短い上に3角終わりから下り坂で早めのスパートが始まってしまうというコースレイアウトと、上記のように湿って傷んでの馬場状態が相まった結果と言えるだろう。

過去に上がりのかかったレースで好走した経験がある馬を優先的に評価したい。

注目馬

◎ミッキーゴージャス
上がりタイムはキャリア 35.38秒/③着内 35.26秒の圧倒的上がりがかかった方が良いタイプ。特にそれを感じるのは毎年前傾ラップでタフになりながらもロングスパートも強いられて直線の加速力を全く活かせない愛知杯をその競馬で勝利しているところ。のちに牝馬重賞で安定した結果を残しているタガノパッションやコスタボニータが相手だったことを考えると、牝馬限定重賞としてレースレベルは認めることができるだろう。
タフな馬場、ロングスパート系のコースならばこの馬の良さが生きるはず。

○セントカメリア
上がりタイムはキャリア 34.47秒/③着内 34.50秒で比較的上がりがかかって良いタイプ。好走パターンは阪神京都の4角系中距離や、新潟長直線のロンスパ系中距離で、どちらも長くいい脚を必要とするコースであることは強み。タイプ的にはコーナーが緩くて直線の長い関西圏外回りコースは苦手な分類だろうが、前走それを克服しているあたり更に成長したところもあるだろう。
軽ハンデで下駄を履かせてもらっている今回は頭まで期待してしまう。

★最終予想はX(旧Twitter)で公開予定です。


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