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【マイラーズC2024】京都芝1600mの特徴と馬場傾向(トラックバイアス)

マイラーズCの好走傾向=先行有利

マイラーズC(京都芝1600m) 過去5年好走馬直線進路

直線平均進路:5.8頭目÷大外平均:11.4頭目=馬群内直線位置:51%
4角平均位置:4.9番手÷出走平均数:12.4頭=馬群内道中位置:40%
好走馬上がり3F平均タイム=33.13秒

安田記念に向けた関西ステップレースの王道。春の京都開催開幕週に行われるため、例年馬場状態は最高である。近年は京都競馬場の改修工事により阪神で行われることが続いた。
レース傾向は直線だと内外に限りなく差がなく、開幕週で内が有利になりやすい状態ながらも馬群の外から好走馬が毎年出ている。脚質は4角やや前に好走馬が集まる。4角二桁位置からの勝利は23年シュネルマイスターのみで、より上位で好走するためにはその分だけ速い上がりが必要である。
好走馬の上がり平均は33.13秒と極端な数字で、平均で33秒台前半が出るレースはかなり珍しく、毎年1~2頭は32秒台の上がりを見せる。

特徴①S→3角までの距離

京都芝1600m(外)は2角奥のポケットからスタートをして、向正面を目一杯走ったのちに外回りの3角を迎える。ここまでの距離が712mと長いために隊列はすぐに確定せず、スターターから飛び出した馬がそのまま真っ直ぐ走りながらゆっくりと隊列が形成される。
Sからコーナーまでの距離が長く、隊列が決まりにくいということは内外の有利不利が生まれいにくい。

京都外周りのコース形態

特徴②改修された4角

2023年からリニューアルされた京都競馬場の目玉の一つは4角の角度を若干マイルドにしたこと。見た目ではわかりづらいが、鞍上含めて実際に走る方にはかなり変化したとのコメントが出ている。
京都競馬場は3角を頂点に4角に向けて急な下り坂になるため勢いがつくわけで、その勢いのまま窮屈な4角になると外を走る馬にとっては強烈な遠心力が働いてしまうため結果的に内有利が強くなってしまう。
これがコースの改修によって角度が調整されたために傾向もマイルドになっている。

分母が少ないため1枠だけ数値が飛び抜けているが、その隣以降の数値が安定していることからバイアスがあまりないことわかる。実際に昨年のマイラーズCは過去5年で初めて直線で大外を走る馬が勝利。これまで届かなかった大外一気がついに頭まで届いたことはコースの改修が多少影響した可能性があるかもしれない。(まだサンプルが少ないため断言はできないが・・・)
開幕週で内が有利になるという印象があるため、内枠に人気が集まりそうだが、これに囚われず他に狙える根拠があるのならば馬券の中心にして良いだろう。

特徴③差し馬に勢いをつける下り坂

京都芝1600mの脚質別成績は複勝率ベースで見ると先行馬についで差し馬に良績が集まる。これだけではあまりハッキリと印象がわかないが、直線が広くて長いために末脚を長けた差し馬が台頭しそうな東京芝1600mよりも京都の方が差し馬にチャンスがあるのは意外である。

コースを輪切りにして見ると、向正面から登って3角から4角に向けて下るアップダウンが特徴的である。レースの終盤で下り坂→直線となっているコースレイアウトが故に
①終盤で一気に加速ができない馬でも下り坂の惰性で勢いがつく
②最後の急坂登坂がないためにG前でブレーキがかからない
という特性が生まれる。これにより他場でキレ負けした差し馬たちが一気に前を行く馬に並ぶことができるという構図が生まれる。

開幕週で馬場状態が良好な上に他距離だと先行馬の成績が良いことから逃げ先行馬に注目が集まりそうだが、実際には差し馬にもチャンスがあるのがこのコースの特徴でもある。

ただ一つ、気をつけなければいけないのが「差有利」なのではなく、差し馬にもチャンスがあるということ。成績を見直すとわかるが圧倒的に差し馬の数字が高いわけではないし、勝率ベースで見れば逃げ先行の方が成績は良い。
逃げ馬不利なコースなのではなく、一般的に先行有利だと思われているコースでも意外と差し馬にも好走できる!という捉え方が良い。

絶好の馬場状態

マイラーズCの過去5年平均タイムは1:32.0でかなり速い。単に速いだけでなく、京都芝1600mの4歳上の平均、4歳上の重賞の平均と比べても違いは明らかである。

マイラーズC時計比較

マイラーズCの過去10年平均時計は1:32.0。GⅠのマイルCSの平均よりも0.7秒速い。もちろんメンバーレベルは後者の方が高いと評価する事に異論がない。これはマイラーズCが芝の生育が良くなる春の開催、反対にマイルCSは開催後半で芝の生育が徐々に悪くなる晩秋であることが1番の理由であろう。
マイラーズCはコース平均と比べても、レベルの高い同舞台のGⅠと比べても時計が速いため、予想では持ち時計や高速馬場への対応力に注目が必要である。

当週の馬場傾向

<トラックバイアス>
2017年 土曜:6.1/日曜:6.2
2018年 土曜:6.2/日曜:4.9
2019年 土曜:4.9/日曜:6.0
2020年 土曜:4.9/日曜:6.4
2023年 土曜:3.6/日曜:6.1
※数値はその日の3着内馬がL1Fで内ラチから何頭分離れた場所を走ったかの平均値

阪神代替開催を除く過去5年の平均では概ね同じような傾向が見られ、内から4~6頭あたりのコースを走る馬が好走していることとなる。コース形態上、下り坂と平坦で迎える4角は勢いのままに鋭角なコーナーを曲がるため外を走る馬は大きく外側へ遠心力が働いて振られてしまい、自然と「内有利」になりがちだが、この週に限ってはその傾向が薄くてマイルド。

注目馬

◎セリフォス
昨年のレース以降先行脚質が多くなった当馬。持ち時計は芝1600mだとメンバー最速で脚の速さも間違い無く、速い末脚も搭載しているため計算上では後方の馬が届かないはず。
実績を考慮すると勝ち負けの相手はソウルラッシュになるだろうが、相手よりも前で競馬ができて持ち時計も速いとなると、こちらに利があると考える。

○コレペティトール
京都金杯を勝利し、GⅠ戦線に向けて殴り込みをかける期待の上がり馬。1番の強みは時計や上がりの緩急に左右されないこと。34.5秒以上でも33秒台でも上がり上位のスピードを出せる脚があり、この適応力の高さに近走で発揮できている実力が兼ね備えられれば怖いものはないだろう。

★最終予想はX(旧Twitter)で公開予定です。


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