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あの時こうしていれば、

私は中学高校時代、親の勧めで、地元の公立ではなく、家から電車とバスで1時間位離れた私立に通っていた。

そして、この学生時代をバスケ部での青春に捧げた。朝は5時過ぎに起きて朝練をしていたし、夜は練習が終わって帰宅してから団地の公園でランニングと縄跳びで体力作りをしていた。

一日5食食べても常にお腹が空いていて、体脂肪は10%から増えることはなかった。(ああ、あの頃の基礎代謝に戻りたい…) 授業中は爆睡し、夢の中でバスケをしていた。今でもよくあの頃の夢を見る。

その反動で友達付き合いは浅く、あまり他人に興味がなかった。恋愛もちょこちょこ付き合ったりしていたが、長続きしなかった。

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話は変わるが、「誰しも、今までの人生で『あの時こうしていれば、』と思う瞬間ってあったよね」という問いかけをテレビでみた。

進学や転職を決めた時、誰かと別れた時、大きな決断をした時など。その時はそこまで気に留めてなくても、後々大きく人生に波及して影響していくような瞬間だ。それは一瞬の問答だったりするのだが、後々思い出すとすごく鮮明に記憶に残っているらしい。

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私も思い当たる瞬間が2つある。

1つは、最初に書いた学生時代、バスケ部での出来事だ。

中学校の最後の試合、トーナメントを勝ち進んで準決勝で負けた後、3位決定戦を行った。これに勝って上位3チームに食い込めば、次のリーグ戦に進めるという、ラストチャンスの敗者復活戦だった。

試合は10分4クォーターのラスト数分、何度も追い越しては追いつかれてのシーソーゲームだった。私は高身長で体格もよかったので、中学生が2,3人ブロックに来るくらいなら物ともせず、シュートを放っていた。後半はいわゆるゾーン状態で、シュートは外れる気がしなかった。

一方、ディフェンスは不得意で、ファールが嵩んでおり、後1回ファールしたら退場だという状況になっていた。

そしてラスト1,2分、我々がリードしている状態で相手の速攻が始まった。味方はまだディフェンスに戻ってきていない。ファールしてでも速攻を止めるか、シュートを打たせてしまうか。ファールすれば退場だけど、シュートを打たせれば逆転されるかもしれない。

そして、何より疲れた。体力限界。

今思い出すと疲れたからやめたかったのかもしれない。咄嗟の判断で反射的にファールをした。そして、退場となった。

最後の試合に最後までコートに立てなかったことに、すぐさま後悔が押し寄せたが、もはや遅かった。

しかも、その後ラスト数秒で逆転され、敗者復活ならず、青春部活動は幕を閉じた。始発で通った朝練も、夜中に走った努力も、一瞬の甘えで全て無駄になった気がした。悔しくて悔しくて、そのまま家に帰って次の日の夜まで寝続けた。

あの一瞬、もしファールせずに止められていたら。


私はその後、バスケ推薦をいくつか貰ったけど、親と相談して、エスカレーター式で私立高校に進学した。高校でもバスケに勤しんだが、イルカを研究したい思いから、大学はその道に進んだ。

思い返したら、それで良かったじゃないか、と自分に納得している一方、

あの一瞬の分岐点でもし勝っていたらどうなっていたのかな、とも思う。流石に、女子プロバスケ選手になってオリンピックに出ていたビジョンは思い浮かばないけど。バスケを極めていたら、どんな人生だったのかなとふと思う。

いまからあの判断を変えることはできないから、出来ることはいまの人生をより楽しく生きることしかできない。けれど『あの時こうしていれば、』と思う瞬間と言われれば、確実にあの瞬間だったなと今になって思う。

二つ目の瞬間は、

書くのに疲れたからまた今度書く!!




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