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挿管前の評価と薬剤準備

挿管前の評価

挿管の難易度の評価
LEMONの語呂合わせで覚える

  • L:look externanally/lip bite→顎が小さい、口が小さい、出っ歯

  • E:evaluate 3-3-2 rule→開口3横指、オトガイから舌骨まで3横指、舌骨から甲状軟骨まで2横指の猶予があるか

  • M:mallanpati分類→ERでは必須ではない

  • O:obstruction/obesity→気道異物や肥満は挿管困難の因子

  • N:neck mobility→頸部外傷は後屈が十分に取れず挿管困難の可能性がある

マスク換気の難易度の評価→挿管に失敗した場合はマスク換気が可能なら再挿管の猶予がある
MOASの語呂合わせで覚える

  • M:mask seal→顔面外傷、ひげはマスクフィットが困難で換気が難しい

  • O:obstruction/obesity→気道異物、肥満はマスク換気が困難

  • A:age→高齢者は頬がこけていることが多くマスクフィットが困難

  • N:no teeth→歯がない患者もマスクフィットが困難

  • S:stiff lung→閉塞性肺障害、COPD、気道異物は肺のコンプライアンスが悪く換気困難

患者の予備能の評価
HOTの語呂合わせで評価

  • H:hypotension→低血圧

  • O:oxygenation→低酸素血症

  • P:pH→アシドーシス


挿管前の薬剤

鎮静薬、鎮痛薬、筋弛緩薬を組み合わせて使用する。どの薬剤を使用するか決定する際に考慮する点が2点ある。

筋弛緩薬を使用するか否か
筋弛緩薬を使用すると挿管は容易になる。しかし、挿管に失敗した際にマスク換気は困難となる。マスク換気が困難と予想される患者の場合は筋弛緩薬を使用せず意識下挿管を検討する。

ショックか否か
鎮静薬を使用する際にプロポフォールやミダゾラムは血圧低下の招くことがある。
それに対してケタミンは血圧低下しにくくショック時の挿管に適している。

薬剤の使用量は『1の法則』で簡単に覚える

鎮静薬
プロポフォール→0.1mg/kg
ミダゾラム→1mg/kg
ケタミン→1mg/kg

鎮痛薬
フェンタニル→0.1μg/kgより多い

筋弛緩薬
エスラックス→1mg/kg


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