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現代国語のテストの話

問3
(1) 今まで読んだ本の中で面白くなかった、これは嫌い、読めないと思った本を一冊あげてください
 1-a 題名 1-b 著者 1-c 出版社 
  (記憶にある限り記述してください。書き間違いは減点の対象外です)

(2) 本を手に取った時、どんな話だと思っていましたか。
   (解答欄が足りない場合は別紙に続きを書いてください) 

(3) その本のあらすじを200字程度で書いてください。
    (ネタばれしてもかまいません)

(4) どうして(1)のように思いましたか。
    (解答欄が足りない場合は別紙に続きを書いてください) 

(5) どういう内容、展開だとこの話は面白くなったと思いますか。
    (解答欄が足りない場合は別紙に続きを書いてください) 

(6) あなたの読みたいと思う話に書き換えてください。あらすじだけでも構いません。時間内に書ききれなかった場合も減点の対象とはなりません

解答用紙が足りない場合は手を挙げてください。

テスト用紙と別にA4のコピー用紙が二枚配られた。
問題用紙を表がえした時、周りがざわっと四方八方がざわついた。
「質問があれば手を挙げるように」監督の先生が言い終わらないうちに委員長が手を挙げた。
「マンガでもいいですか」
後ろから抑え切れない笑いが起こった。
先生は手元のメモを見ながら
「マンガでもいいです」
高校一年生の春、はじめての中間テストがはじまった。

結局、藤浪先生のテストは毎回これだった。新出漢字の書き方読み方、言葉の説明がおざなり程度にちょろっと出て、二問目からはこの内容。
一回目はどきどきして、二回目からはセンセイ手抜きとはやされたが、授業の合間の小ネタとして、テスト結果がよくあげられた。
「舞姫よりもごんぎつねの方が書きやすいのはどういうわけだ」そんな脱線まで起こる授業だった。傑作集が配られることもあった。保護者から「本ばっかり読んで勉強しません」と苦情がきたこともあったらしい。

藤浪ちゃんは今でも教師を続けているのだろうか。

#創作大賞感想  #オールカテゴリ部門

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