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ビルボードジャパンソングスチャート、トップ3入りする曲の3つの傾向

昨日公開された7月13日付ビルボードジャパンソングスチャート、NiziUの驚異的な記録を主体にブログにアップしましたのでよろしければ。

さて今日、NiziUに関する記事を読んだのですが、首をかしげる部分がありました。それは『CD販売の比重が他国に比べて極端に大きい日本では、配信だけでこれほど上位にくることは珍しい』という冒頭部分。果たしてそうなのでしょうか?

20200709 2020年度ビルボードジャパンソングスチャート1位曲リスト

20200709 2020年度ビルボードジャパンソングスチャート2位曲リスト

20200709 2020年度ビルボードジャパンソングスチャート3位曲リスト

上記は2020年度、ビルボードジャパンソングスチャート1~3位曲のリスト。CDおよびルックアップ指標の順位における[(灰色)]はCD未リリース、[-]は各指標100位未満(300位圏内)、[ (ブランク)]は同300位圏外を指します。

この表から、上位曲の特徴は【CDセールス初加算週の勢いが大きく上位に入ったもののCD売上低下と共に急落する】【CDは発売するもののCDセールス以外のポイントが大きく、勢いをキープする】【CDをリリースせず、CDセールス以外のポイントで勢いをキープする】の3つに大別できると言えます。

CDセールスが5位以内に入った曲で翌週もポイントをキープ出来ているのはOfficial髭男dism「I LOVE...」のみであり、高いCDセールスを武器にトップに立つ曲の翌週におけるポイント前週比は全て2割未満。中には翌週50位未満となりポイント計測不能な曲も登場しています。他方CD未リリースの曲は先述したNiziU「Make you happy」を含め、Official髭男dism「I LOVE...」(CD加算前週、配信のみで1位)、瑛人「香水」、YOASOBI「夜に駆ける」、嵐「A-RA-SHI:Reborn」、King Gnu「白日」、菅田将暉「まちがいさがし」そしてTWICE「MORE & MORE」の8曲がトップ3入り。嵐「A-RA-SHI:Reborn」を除き、これらCD未リリース曲の翌週におけるポイント前週比はどんなに低くとも7割を超えているのです。

CD未リリース曲が複数トップ3入りしている状況、それらの曲のポイント前週比の高さを考えれば、先に紹介した記事にはやはり違和感を覚えるのです。


複合指標のチャートにおいてもCDセールスに強い曲が入れ替わり首位を獲得する傾向があることから、ビルボードジャパンソングスチャートがCDセールスのみのランキングと大差ないと捉えている方はいらっしゃるかもしれません。しかしきちんとみてみると、短期的かロングヒットかがよく判ります。ブログで、"少なくともCD初加算週と翌週の動向を見て真の社会的ヒットかを見極めるのがよい"と書いているのはそのためです。CD未リリース曲はどんなにポイントを稼いでも2万には至らない状況ですが、この2万の壁もいずれ突破できるでしょう。

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