予想通りと予想外が同時にやってきた
昨日、私は松重初さんのサロンにいた。
かねてより熱望していたパーソナル診断を受けるために。
他のお客さん2名と私、計3名での診断。
まずはパーソナルカラーを決める。
私は以前、ブルべ夏と診断されている。
夏春、ブライトサマーというやつだ。
結果から言うと、こいつが逆転した。春夏らしい。
私は自分では「秋に違いない」と思っていた時期がある。
そこから「絶対明るい色!」とブルべ夏に転生し、今回イエベ春。ブルベ→イエベの大転生だ。
正直、これは予想していなかった。
誰もが「黄味が合わなさ過ぎる」と言うし、自分自身「アースカラーとか顔色が死んでるな」と思っていたからだ。
この「アースカラー」が曲者で、要は濁色が似合ってないのである。だから秋ではなかったのだ。
じゃあ春なのかと言われたら、あの可愛らしい色のラインナップを見ると疑問しかなかった。だから「爽やかな紫陽花のような色が似合います」とブルべ夏の診断を受けた時も何となく納得できたし、特に顔色が変わる自覚も持っていなかった。むしろ白く見えた。
しかし、今回は少々様子が違ったのだ。
秋は言わずもがな、冬の色も私を病人にした。
で、春の色と夏の色を比べた時。
輪郭がある…?!
夏の色でソフトフォーカスがかかったかのようだった私の輪郭が、春の色でわかるように。
唇の色も全然違う。頬の影の濃さも一目瞭然だった。
かなりたくさんのドレープを当ててもらいながら「可愛さはいらないですね」という先生の言葉に大きくうなずく。
そう、私のファッションに「可愛い」は特に必要ない。
感動を表す言葉として「可愛い」を使うが、実際はかっこいいものだったり、きれいなものだったり。
「気に入ったもの」を表現する単語が「可愛い」ということだろう。そういう意味では「可愛い」と感じる気持ちは持っていた方がいいのだと思う。
私の診断における共通項は「深い色、濃い色、暗い色はよろしくない・パキっとした可愛い寄りの色もいらない」ってことだ。分かりやすい。
がっつりイエベということでもなく、少々病人めいて見えるが夏の色も悪くないらしい。よく言われる「ブルべ夏大優勝」のコスメがしっくりこなかったのは、あまりにブルベ寄りだったからかもしれない。
とにかく爽やかな色かつ可愛過ぎない色を選ぶと失敗しなくて済みそうだ。
この辺は得意なのでひと安心。
次はいよいよパーソナルデザインだが、私は実は「間違いない」という予想を立てていた。これでなければ何やねん、くらいに自信があった。
来店した瞬間から診断を開始し「実はもう結果が出ています」とほほ笑む松重先生。
「はいはい、分かってます。これしかないもんね」と私の自信は揺るがない。
パーソナルデザインは以下の6つに分類される。
ここから「違うな」と思うものを順に消していくのだが、消す順番にもかなりの自信があった。
「一番に何を消しますか?」
「ロマンスです」。
「大正解!!」
ドヤ顔ここに極まれり、である。
私がロマンス要素を持っているはずがないのだ。
甘さを持ち合わせず、そして可愛らしさも必要ないなら次の選択肢はもちろんキュート。
しかしここで先生の手が止まる。
「それよりも…?」
「え、あ、もしかしてフェミニン?」
「です!!」
お、おお…そうなのか。キュートよりもフェミニンなのか。確かに、このタイプでもないしな。
セクシー、可憐の要素が消えたところで、さすがに「今度こそキュートで」。
これは正解だった。
ここまでの選択肢が消えた理由としては以下のとおり。
納得の理由だ。私はまさにこれを基準に服を選んできたから。
ここまでくると本当に迷いはない。
「最後に消えるのはファッショナブルですね?」
「そうです!」
予想通り。ドヤる私に先生はこう告げる。
「ナチュラルグレースです」
ん????
私の予想ではグレースナチュラルだった。
まぁ一応予想通りの2つが残ってはいる。しかしメインがナチュラルなのか。
ポイントはこんな感じだ。
一言で言うなら、中性的ってところだろうか。
なるほど、私らしい。
女性らしさを前面に出すには~など言われなくて安心した。
私にそういった甘い要素はいらないからだ。
私は背も低めだし丸い体型だから、男性的には見えない。
しかしだからと言って、ふわふわした装いが似合うわけでもなければ好きでもない。
「顔が真面目なんだよね」と言われてきたし、自分でもその自覚があったからメインは絶対グレースだと思っていたけれど。「抜け感がいるのよ」と松重先生に言われて「これ人生においてもそうなんだよな」と思った。
これまで家族のために生きてきた私が、ようやく自分のために働こうと思い、自分のやりたいことをするために東京にやってきた。
この二日間、まともに息ができてる気がしている。
家族のことを思い出さずに知らない街で過ごす。
それが今の私にどれだけ大切なことなのか。
縛りから解放されて、知らない場所で誰の目も気にせずに生きる時間。それが私にとって必要な「抜け感」だ。
パーソナルデザイン診断は、厳選した服だけで生きていきたいという気持ちで受けたもの。その結果が人生の指針に繋がるという事実に興奮している。
もっと私は楽になっていいのかもしれない。
そう思わせてくれる時間だった。
とりあえず、コスメのほとんどが底見えしているので今度はがっつりブルベではなくニュートラルなものを揃えてみよう。
アクセサリーは今のところイヤカフで十分。
服は「そのシャツ最高!」と言ってもらえた。気に入ってるし、しばらく買わなくてもいいだろう。
明日の昼には地元に帰る。それまでの間、もう少しだけ東京を楽しむつもりだ。
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