【うつ備忘録23】Q:うつの苦しみは本人だけ?→A:家族にも【同じかそれ以上】の苦しみあります
いよいよ1/18からリワークが開始、復職へ向けて本格的に動き出します。
ここまで長かった…。
ただ私の場合、発症からわずか半年です。
(兆候が出てから、で言うと4、5年ですが…)
もっと長い時間苦しんでいる人がいることを考えると、
非常に早い方だろうな…と思います。
ここまで回復できたのは、
ずっと支え続けてくれた妻のおかげです。
感謝してもしきれません。
それほど家族の支えは大きいものです。
ただ、支える側にも【うつ患者と同等かそれ以上の苦しみ】があります。
今回はそれを残そうと思います。
【うつ患者の配偶者の苦しみ】
❶出口が見えない不安
❷子どものコントロール
❸家庭の心配事を一手に受け止める
❹家族、親戚へ言えない(嘘必須)
❺ママ友に言えない(嘘必須)
❻お金の心配(貯金切り崩し)
❼職場への不信感(戻っても再発するのでは)
1つずつ下で解説しますが、
うつになると本人だけでなく家族も同期間苦しみ続ける。
この事実だけは知っておいて欲しいのです。
うつの対処療法が確立されていくのは喜ばしいことですが、
「うつと診断された人」だけではなく、家族も苦しみます。
これを機に
・うつ患者を出さないためにどうしたら良いか
・「うつ患者の家族のメンタルサポート」までできないか
ここまで人々の意識が広がることを切に願います。
❶出口が見えない不安
うつと診断されると、当然ながらそこから休職に入ります。
最初の1、2週間は特に問題ないかもしれません。
自宅療養と言ってもほとんど寝ていて、いないのと同じだから。
ただ、コミュニケーションは確実に減ります。
うつの初期は特にですが、「何も考えたくない、話す気力も無い」からです。
夫婦で相談したいこと、決めなければいけないこと、あると思います。
ただ話ができない訳では無いので、
「いつなら大丈夫なんだろう」「今は大丈夫かな」と
常に相手の状態の波を観察しながら切り出すことになります。
これ、めちゃしんどいです。
その日の気分によってすぐキレる上司に、恐る恐る話しかけるのと同じです。
これがいつまで続くか分からない。
その不安がどれだけ大きいか、分かっていただけると思います。
❷子どものコントロール
子どもがいる場合、❶で書いたような状態の配偶者に近づかせるべきではない、と考えるのが普通かと思います。
子どもは親がいると、嬉しくてじゃれつきたい。
ただそれを鬱陶しく思い、キレてしまう・恫喝してしまう。
子どもは萎縮しちゃいますよね。
なんで怒られたか分からない。
それをなだめて、落ち着かせるのは結局配偶者です。
子どもとしては、どうしてもじゃれつきたい。
でも同じことの繰り返しになるのは見えてる。
小さい子どもは「お父さん病気だから」だけでは中々理解できないので、
どうにかして近づかせないようにするしかない。
これもまた、負担の大きさは計り知れません。
❸家庭のことを一手に受け止める
思いつくままに書きます。ここは箇条書きの方が分かり安いと思うので。
・子どものイベント事の準備、手配
・子どもの遊び相手、公園等への連れ出し
・子どもの服、備品等の買い出し(基本一緒に見に行ってた)
・社会保険、税金等の支払い
(傷病手当≠給与なので、毎月会社へ振り込み必要。これなんとかして欲しい)
・傷病手当等の申し込み(本人はする気力も無いので…)
・重労働の家事
・家計管理の見直し(傷病手当は給与支給額の2/3。貯金額との睨めっこが続く)
多分まだまだあると思います。
❹家族、親戚へ言えない(言ってもしんどい)
たぶん休職が長引いて精神的に1番しんどいのがこれだと思います。
自分の親兄弟、親戚に言えず、適当に流して乗り切る。
嘘を繰り返すのって、精神的にダメージがジワジワ来ます。
また、言ったら言ったでしんどいです。
「1番しんどいのは本人だからがんばりなさい!」と
自分の家族から叱咤されてしまうと逃げ場がなくなります。
私の妻は後者です。
実家が近いので言わざるを得ませんでした。
ずいぶんしんどい思いをさせてしまいました…。
❺ママ友に言えない(嘘必須)
❹と同じです。
子どもは無邪気なので「パパがずっと家にいる」と嬉しそうに言います。
「ずっと在宅で〜」と乗り切るそうですが、
心の許せるママ友でもやはり嘘を繰り返すので、やはりしんどいはず。
❻お金の心配(貯金切り崩し)
これはそのままの意味です。
社会保険料をきちんと納付していれば、
うつと診断された瞬間から傷病手当を受給できます。
ただし、金額は過去12ヶ月の給与支給額の平均の2/3。
しかも、社会保険・年金は前年の所得に応じた金額がしっかり請求されます。
家計は大赤字です。
これ、本当にどうにかして欲しい。
貯蓄がなければ一瞬で破産です。
持ち家のローンにしろ、賃貸にしろ、
払えなければ済む家が無くなりますからね。
傷病手当はありがたいが、社会保険・年金額の免除までして欲しい…。
前述した通り、発症しばらくは抜け殻状態なので、
お金の心配も引き受けてもらわざるを得ないんです。
負担デカすぎますよ…。
❼職場への不信感(戻っても再発するのでは)
で、最後にこれです。
会社によると思いますが、復職するときは同じ部署・同じチームだと思います。
これは考え方にもよりますが、
「発症前との環境の変化を最小化して、戻りやすくするため」だそうです。
会社の臨床心理士、主治医ともに考えは上記で同じでした。
私の場合は上司が原因なので、
そのまま戻ると同じことの繰り返し(=うつ再発)が容易に想像できます。
部署変えてもらって、と強く言われてます。
復職後を日々心配している、と言うことです。
そもそも休まないようにケアできる職場でなければならない。
それができていない職場への不信感が出てきます。
(基本増幅されて収まることは無い)
<<<まとめ>>>
自分の経験から思いつく限り、抜け漏れなく挙げたつもりですが
いかがでしょうか。
うつになったら、本人だけでなく家族も同じくらい辛い。
しかも本人とは違う種類の辛さと、24時間ずっと向き合うことになります。
この記事を読んで、
「あの人の旦那さん/奥さん休んでるって言ってたな」
「ケアしてあげようかな」
と思ったら、ぜひ声をかけてあげて下さい。
アドバイスはなくて良いです。
話を聞いてあげるだけで良いです。
溜まっているものを吐き出させてあげるだけで良いです。
こればっかりは、うつの本人にはできないことです。
うつの本人に吐き出した所で、
残るのは「やってしまった。辛いのは本人なのに」という後悔と自責の念だけで、余計苦しむことになるからです。
復職して元通り働けるまで、パートナーの不安は消えないでしょう。
ひょっとしたら、本人と同じくらい「また再発するかも」という不安を
一生抱えたままかもしれません。
うつになった人だけでなく、その家族も同じくらい苦しむこと。
それを知ってもらいたかったのでこの記事を書きました。
周りにそんな人がいたら、少しでも苦しみを和らげる一助となってあげてください。
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