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まんがでわかるデザイン思考

デザイン思考ってなんだろうということでおうち時間に読んでみました。

かなり評判がよかったので期待はしていたのですが、想像以上に読みやすく、とても勉強になりました。大事な部分と読んでみて感じたことを書いていこうと多います。

そもそも「デザイン思考」とは、ざっくりいうと「イノベーションを起こすためのプロセス」のことです。すなわち、新しいアイデアを思いつき、それを通じて価値を創造するために提唱されている方法のことです。

デザイン思考を構成する3つのプロセスとして、着想、発案、実現が挙げられていました。ここではその流れを大まかに説明していきたいと思います。

その前に、前提としてとても重要なことがあります。それは、創造力はすべての人にあるということです。誰にでもイノベーションを起こすことが可能である、と覚悟することが絶対に必要だと書かれていました。なんだか勇気が湧いてきます。かなり序盤ですが、読んでいて「自分にもできる!」と心が掴まれました。

ではまず1つ目のステップである「着想」について。新しいモノやサービスを生み出すためには人々の「潜在的ニーズ」を捉えることが重要です。この潜在的ニーズを捉えるために、デザイン思考では「観察」を行います。例えばカフェの店員が顧客の観察をする場合、その顧客の言動とその時に考えているであろうこと、感じているであろうことをセットで客観的に類推します。このときに、観察する側の主観が入り込まないように注意する必要があります。観察によって、言動とその時の感情が把握できます。カフェの例で言えば、そこから顧客の経験がよりポジティブなものになるように「経験をデザイン」することを考えます。

着想が終わったら、2つ目のステップである「発案」に移ります。観察を通して人々の潜在的ニーズが分かれば、そのニーズに応える(より良い経験をデザインする)ためのモノやサービスの具体的なアイデアが必要になります。この時に有効なのが、ブレインストーミングです。ブレインストーミングでは、何人かの集団で自由に意見を言い合うことによって革新的なアイデアを得ることを目指します。そのために、いくつか参加者が意識しなければならないことがあります。まず、質より量に重きをおくことです。どんなことでも、思いついたら言うことこそが求められています。また、他の人のアイデアから飛躍して考えることも大切です。さらに正しい・誤りではなく個人的希望を言うこと、制限時間や目標アイデア数を決めること(1時間で100個など)、最終的に採用する案を決めるときは多数決をとる、なども大切です。

ブレインストーミングを通して採用する案が決まったら、いよいよその案を試作品として形にしていきます。このプロセスをプロトタイピングとも言います。有用性を中心に据え、経済的実現性、技術的実現性とのバランスをとることが重要です。なるべく短時間で作りあげ、何度も失敗をしながら試作品をブラッシュアップしていきます。

最後に、「実現」のステップに入ります。もしここまでのプロセスが順調に進んでいた場合、かなり斬新なモノやサービスが出来つつあると言うことになります。しかし、だからこそ、そのアイデアを実現させるためには、周囲の人々(会社であれば経営陣など)にそのモノやサービスについて理解・共感してもらい、支援者になってもらう必要があります。そのための近道は実物(試作品)見せて、実際に使ってもらうことです。目の前にあればかなり説得力があります。うまくいけば、生み出したアイデアが実現されるはずです。

というような感じで、実際にはそう簡単ではないはずですが、手順としてはとてもシンプルでわかりやすいし、何より誰にでもできることが最大の魅力だと感じています。確かに、周囲の状況に疑問を抱かず、立ち止まって考えるようなことをしていない人よりも、普段からこのようなプロセスを踏んでいる人のほうが斬新なアイデアを思いつきやすいというのは、考えてみれば当たり前な気がします。でも、そんなことすら考えてこなかったので、それに気づけただけでも、この本を読んでよかったと感じました。「デザイン」という言葉が日本では本来の意味とは違う意味で使われているという話はよく聞きます。この本を読んで、その意味が以前よりも深く理解できました。おそらくデザイナーと呼ばれる人たちは、デザイン思考のようなプロセスを日常的に踏んでいる人たちなんだと思います。僕も肩書きはなくても、常に「自分にもデザインできるポテンシャルはある」ということだけは忘れないようにしたいです。また、ビジネスの視点以外でもデザイン思考の方法論はかなり有効だと思います。自宅内の環境や自分の習慣なども客観的に見直して、何か改善できることはないかと考えていきたいと思いました。

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