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想い出が人生を強くする

山田五郎さんのYourube番組で、ゲストの三浦じゅんさんが“想い出作りのために生きてる”という主旨の話をしていて、いつもの軽いノリと笑顔ではあったけれど、凄い生きる真理!って思いました。
そう、想い出が、人の元気を強く支えるのです。
新潮文庫で読んだ「ルポ川崎」(磯部涼)の中に、貧困や差別の問題…特に子供たちの…解決のために活動している団体や施設の記述があり、そこでも、同じ思いを抱きました。
ある音楽イベントのフライヤーに書かれていた言葉は、イベントに関わった人々の気持ちが凝縮されていました。
「このイベントはそんな大それたもんじゃない」「何も変わらなかったかもしれない。でも、去年の桜本フェス、本当に楽しかった」「ちょっとは幸せを感じられた」「そんな小さな幸せの記憶をちょっとずつでも積み重ねていくしかない」「そんなひと時を今年も持てればいいと思う」
イベントの関係者は、“現実は甘くない”とため息つきをつきつつ希望を語る。“(困難を抱えた子どもたちを)取り巻く状況ははっきり言って変わってない。ただそこに囚われ、これだからだめなんだとループし不幸な記憶が重なると身動きが取れなくなる。でも「あの日は楽しかったな」と思い出せたら、「またいいことあるかも知れない、もう少し頑張ろう」とループを抜け出せるかもしれない。小さくてもいいから、拠り所となる幸せな記憶をつくっていく。勝てないかもしれないけど、負けないための生き方につながる”
多文化共生とか差別をなくそうとか孤独をさけようとか…様々な人権に関わるイベントがあります。多くは音楽ステージと食べ物屋台が出るにぎやかなお祭り的なもの。こうした楽し気なイベント、結局そんな効果ないんじゃないか、という意見を読んだこともあるが…そうじゃない。
社会問題は簡単には解決しないけど、社会的な困難を抱える当事者にとっては“あのときは楽しかったな”って思い出が大切。心に明るい活力を生んでくれるから。
生きる困難は、誰でも何かしらはある。ひどく憂鬱な気分に襲われたときに、楽しかった思い出があれば、それらがそっと心によりそってくれる。
大人になってからでも、楽しい思い出をひとつひとつ増やしていくだけで、自分の人生の強度をあげることになる。
三浦じゅん氏の言うように(もしかして話されていた意図は違うのかもだけど)「想い出づくり」は、生きていく知恵でもあるのです。

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