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借金について

今クールの朝ドラ、はまりきれない…。たいていの無茶な展開は、苦笑いしながらも楽しめるんだけど。
何がって長男賢秀。彼がダメな奴なのは別にいい、よくある朝ドラパターン。けどそこから、“…だけどなんか憎めないんだよなあ”と笑えないことが、辛いのです。
生理的に受け付けないのが借金問題。
高額の前借や借金をしてお世話になった方の前から失踪したり、妹の財布からこっそりお金を抜き取ったり…犯罪中の犯罪でしょ!その性分に怖くなる。ほんとやだこういうにぃにぃと思いつつも…。
借金については思うこと多々あり。借金と縁なく暮らせる人と、そうでない人との間には、大きな溝があるということ、大人になってからわかってきた。
私はずーっと借金に抵抗感強い…借金といえば、宮部みゆき著「火車」を思い出す世代…この小説が出た頃は金融ローンのテレビCMは禁止されており、サラ金はとても怖い存在でした。今は、大手銀行も簡単にお金を貸してくれ、こぎれいなCMがやたら流れる…それも怖いけれど…これも借金だから。そんなに勧めていいの?…でもどうしても誰の財布も頼れないとき、人の生活を助けていることは確かにあって。
以前、島田洋七が書いた「がばいばあちゃん」シリーズの中で、“貧乏にも関わらずばあちゃんにお金を借りに来る人がいて驚いた”と記していた。借金は、脈々と庶民の生活に根差してきた互助の文化でもあるのだ。
知人には、友人の借金返済に協力したり、たびたび「保証人」になる人も…ときに負債をかぶり悔やんでも、保証人になることをやめようとはしない。そう、世間では、けっこうお金の貸し借りはあるものらしい。
それを、けしからんとはいえない。
借金を笑い話にする芸人さんも多いけれども。笑いで、本来の深刻さをカムフラージュするというか、笑いをとったとしても、そのほんとの大変さは言わずもがなっていう…。
「お金がない」と深刻にこぼす人でも、その切実さにはかなり差がある。今日の食費も心細く切羽詰まった人から、手をつけないでいる貯金はまだあるよって人まで…。
借金は基本するな、連帯保証人には絶対なるな…と言えるのは、そうしなくても生活していける基盤がある者の感覚に過ぎない…。
借金にまつわる人々の意識や仕組みや文化…その周辺を考えると、深いです。

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