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マンウォッチングとお洒落

電車の中で、老若男女千差万別のファッションを見るのって楽しい。
スマホ観ている人がほとんどなので、人の身なりを眺めやすくなりました。みんなそれぞれにこだわりがあって…その人の好きなもの、生き方までも滲み出てくる。
様々なファッション…形、色、ブランド、ほんとにひとつとして同じ組み合わせがない。電車に座っていると、向かいのベンチ席に座る人の靴に目が行く。ピカピカに耀く革靴が目に留まると、いい気分になります。
そう、自分が気に入るものを身に着けるって大事。そこに、その人の主張がつまっていて外へ向け発信している。そして、気を遣っている=お洒落は、生きる意欲そのもので、見る人に元気を与えてくれるね。
25年くらい昔、祖母(80代後半)が入院していたときのこと。6人か8人の大部屋で、同室に著しく苦しむ人がいなかったこともあり、いつもなごやかな雰囲気。皆、着替え以外は自分のベット周りのカーテンを開けっ放しにして、よく談笑していました。(最近の病院大部屋は誰もがカーテンを閉め切り同室の人とほとんど交流なしが多いみたい…気持ちはわかるが殺伐としているね…)。私はときどき同じ病室に宿泊(昔は身内が病室に泊まって介護することよくあった)。祖母の隣は、いかにも街で暮らすお洒落なおばあさん。その方は、毎朝丁寧にお化粧していた。きちんとお洒落して過ごすことを大事にしている人で、病室内でも目立っていました。その様子に興味を持った祖母が「やってみようかな」、お洒落おばあさんが「あんたも塗ってみる?」。口紅を受け取る祖母。祖母は田んぼ&畑仕事を生業としてきた人で、お化粧としている姿なんて見たことなかった。ベッドのお隣さん同士、手鏡片手に口紅を塗るおばあさん二人。ほほえましかったな。
お洒落について、目からうろこだったのが光野桃「おしゃれの視線」です。若い頃友人に勧められて読みました。
“紺のブレザーが流行っているからといって、自分が着たらただの地味なおばさんになるだけ”…まさに我が意を得たり。“シンプルな格好がかっこいいのは小林麻美だから”も、そうそう、と。当時は今より、みんなが流行の同じ格好をしたがる傾向が強い時代でした。
自分自身をよく知って、どう見せたいかどうなりたいかをはっきりとさせた上で、身なりを選ぶ。今は、大なり小なりみんな、それがわかってきていると思う。流行に振り回されない、自分主体のお洒落が一番。
身なりは、その人が大事にしたい世界です。私好みのお洒落な人を見かけると、それだけで心華やぐ。マンウォッチング、都会の長い電車通勤時間ならではの楽しみかも…。

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