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新聞レイアウトとマンガのコマ割り

どちらも時代と共に、消えていく運命なんだろうな、と感じます。
日本独自の新聞レイアウトがあります。いかに読者に記事を読んでもらうか、そのことを考え練られてたもの。記事は、右上から左下へ向かって、自然と流れるように読めるよう配置されます。たとえば横一文字で記事が切れるのは、ハラキリと言われ、超かっこ悪いこととされてきた。こうした新聞レイアウトのノウハウを書いた本は、図書館にいくつかあり、広報紙作成などの折、参考にされてきました。
しかししかし…これは“新聞をまんべんなく読ませることが目標”だった時代の話。
今は、どうでしょう。ハラキリの記事配列の方が、気になる記事を切り抜きしやすい。今までのレイアウトだとガタガタになってしまって…保管や持ち運びしにくい。
今まで、新聞製作の基礎知識とされてきたことは、現代では通用しなくなってきている。もちろん、人が一度に読める文字数に気を配るなど、今後も生きていく知識はあるでしょうが。デジタル化に伴い死んでいく新聞テクニックが多数あり、レイアウトはその最たるものと思います。
マンガのコマ割りもそう。マンガを読まない若者が増えているそうで、そもそも読み方わからない人が増えているらしい。私たちは、浴びるようにマンガを読んできた世代で、自然と、マンガを読むリテラシーが身についていたのです。
マンガの隆盛で進化してきたコマ割りの技術はたくさんあるけど、これから消えていくものがたくさんある。まずは…外国の翻訳マンガ本が容易く手に入るようになってから、右開きは世界基準じゃないと改めて強く感じるようになった。文字の縦書きによる吹き出しの位置や大きさ、それも日本ならではのもので他言語には使いづらい。
マンガ文化が世界に広がったことで、今後だんだん、左開き台詞の横書きが、日本でも主流になってくるのかもしれないな。
そして、マンガのデジタル化。初めてじっくり読んだのは、東村アキコ作「偽装不倫」からでした。東村氏は、手軽にストーリーを追えるのがマンガ本来の魅力、っていうのを、ずっと見せてくれている。
スクロールで読むデジタルマンガは、まさにワールドワイド。
私たちが読んできたマンガは右開き本に適したコマ割り。その技術はたぶん消えていき、それを読める人はどんどん少なくなっていく。その結果、今までの作品が時代に埋もれてしまうのはとても残念…そう感じる人は大勢いて、マンガ本リテラシーなくても読める方法がきっと試みられていく、はず。そう願っています。

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