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10円ハゲができたときのこと

昨日、特発性蕁麻疹と診断され、意識してないストレスや体調不良の体への影響って凄いなあ、と感心したのですが。
こういう経験って、10円ハゲができたとき以来と思い出しました。
もう10年以上昔の話。
その頃、ライター業を主としつつ、副業として事務などの仕事をしていました。副業とはいえ、たとえば役所や企業の広報とか、出版社とかだと、勤務時間以外でもいろいろ気になって考えてしまいがち。 “あの件は明日確認しておこう”とか“美術館は月曜日休みだから日曜の内に写真映像自宅へ送ってもらおう”などなど。どうしてもいわゆる、手離れがよくない。
副業は、時間拘束されているとき以外は、すっぱり忘れられる仕事が望ましい。これいいんじゃないと飛びついたのが…当時まだ築地にあった魚河岸でのお仕事でした。夜中12時から朝8時まで。残業なく時給も比較的よかったし、通勤ラッシュにもまれて出勤しなくていいし、お魚好きだし…と安易に考えていたのですが…。
仕事は、場内にある出店にてスタンバイ。 “本社から入る顧客のFAX注文を、セリに参加している男性に携帯電話で伝える”のが主な仕事でした。今なら即ラインで注文票を撮影して送るのだろうけど、その頃はそうではなかった。携帯電話では言葉がはっきり聞こえなかったりして、滅茶苦茶気が張る。すごい額の取引があるわけだし、注文間違えたりしたら大変。その他、いろいろストレスフルなことがありました。
そこの仕事を初めて3日目ぐらいの休日に美容院へ行ったときのこと。いつもの担当美容師が、小さな声で「10円ハゲ、ふたつできてますよ」と教えてくれたのです。えーーーっ、そんなばかな…でも確かにものすごいストレスだったかも、この仕事は自分にとって無理という体からの警告なんだと感じました。自分では頑張って慣れればきっと大丈夫、と思いこんでた。
結局、辞めるなら早い方が自分にとっても会社にとっても被害を最小限にできると思い辞めたのですが…採用してくれた本社の方に謝罪のお手紙も出しつつ…。
申し訳ないの思いはあったけれど、やはり自分にとっては限界だったのです。そう、体からのSOSを軽く考えてはいけない。
魚河岸のセリってまさに男の鉄火場、それを直に感じたり、ターレーに乗せてもらって銀座の街を走ったり…貴重な体験はさせていただきました。
体って凄い。身体のメッセージは甘く見るな、と実感した10円ハゲ体験でした。


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