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読書量は激減したけれど大丈夫

ある演歌歌手がインタビューで、深く悩んでいた頃はとても本を読む気になれなくて、と答えていて、みんなそうだよな、って頷いた。
本には、自分の気持ちをあげるヒントだって書かれていると知っていても、とても読む気になれない。読んでもただ文字をたどっているだけで、心に入ってこない。
思い返すと、小学生から大学生までの頃って、すごく読書に没入できていたなあ。若い頃だってそのときなりに深刻な悩みはあったはずだけど、本のページをめくったとたん、その世界に没入できた。
ほとんど徹夜で1冊読んだりしてね。当時、どんなに悩みがあっても、自分の家が自分にとって安心して本が読める環境だったこと、深く感謝する。難しくて理解不能な部分が多くても、どうにか最後まで完読してた、と思う。
気が付けば…読書の質も量も大きく変わってきた。興味がある本でも、なかなか読めない。それが、長編や少し難しそうなものだと尚更。切り抜いた新聞の書評は貯まる一方…自分の寿命のうちにとても読めそうにない数になっている。
図書館や本屋に行くとつくづく、あーこの大部分の本を自分はもう読めないんだなーと思います。少し、淋しい。
大人になると、こんなにも読書できなくなるなんて。体力と集中力の減退以外に、やることも考えることも複雑かつ多すぎて、読書に没入できなくなるのだ。
大人がこんなに生きることが大変だなんて、想像していなかった。大人は、みんなそれぞれに完成しきった人間で、淡々と生きているように見えていたから。子供時代を過ぎれば、はるかに楽に生きられるに違いないと信じていたから。
読書できない大人になった自分に、がっかりしてたのですが。Twitterでイラストレーターのさざなみ(@3MshXcteuuT241U)さんのエッセイ漫画「本を読むのが遅い人」を読み、心慰められた。ツィート3.8万いいね12万…みんな感動したんだね。
むかーしむかーし子供や学生のときは図書室通いしていたような、そして今は読書できていない人は、じいんとくると思う。
大人になり、1冊読むのにすごく時間がかかるようになったとしても。子供の頃夢中で読書していた気持ちは、ちゃんと心に蓄えられているから大丈夫。読書で世界が広がっていく喜び、十分知っている。
読書量が減っても、大人だからこそ理解できることも多いしね。読みかけの本、また通勤電車で1ページでも2ページでも、読み進めてみようと思います。

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