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都会で暮らす地方出身者

ここでの地方は、札幌とか松本とかの地方都市ではなく、ご縁のある方でないと知名度はない○○町とか○○村のこと。
ある有名女性タレント…60歳前後…の方が、“北陸の町から東京へ来るのに教員になるからと偽って出てきて演劇をやった、4年の時ようやく両親に告げて東京に残った”と話されていて、あるあるだなあと思った。
ある著述業の女性が、エッセイ本で正直に書かれていたのは、“自分は東京生まれで良かった。地方に住んでいたら東京に出ていくってことに立派な説明を必要として、きっと自分にはその根性がもてないままくすぶっていた”というようなことを書かれていた。
関東農村部出身の友人が、「田舎は退屈だもん」と漏らしたこともある。口に出しては言いづらいけれど、多くの地方出身者の大きな本音。
歩いて本屋に行けて話題の映画も観られて…ってだけで、もう天国。都会の人はこれをすべて当然のことと受け止めていた…やはり不公平と思ってしまう。コンサートだってお金があったらいくらでもいけるし、バイトも仕事も様々…。
豊かな自然だけでは、人の心は満足できないのです。けれど…。
愛情というほどには意識してなくても、やはり故郷に対しては愛着がある。そこでの生活の営みが、体に染みついている。
自分は都会の甘い汁の部分を享受しながら、自分の故郷はそれなりに発展してもらいたい、せめて自分がいた頃と変わりない姿を維持してもらいたい…と勝手な希望。日本全国地方の衰退は驚くべきほどで、40数年前とはまるで違うのに。
都会の有名大学を出たような(その後いったんは企業に就職しても)優秀な人が、地元に戻って起業したり家業をついたりってこと…知っているのは男性ばかりだけれど…あります。生き生きと地元を盛り上げていて。それに対し、どこか後ろめたさを感じてしまう。
家や土地を継承していく者が必要、という考えが、地方には根強くある。土地に縛られるなんてナンセンスと理性では考えるのに、一方、古くからの農村集落の出身なので、自分の家のある土地がなくなるということにどうしても心もとなさを感じる。育った環境によって培われた感覚、ってなかなか払拭できないね。
世の中には転勤族育ちだった人もいて、集合住宅住まいの人も多いのに。“土地”にこだわりがあまりない人少なくない。都会の地方出身者が、空き家になってる実家を処分することも多し。自分が大切にしたい人がいる場所こそが故郷なんだなと、改めて思う。
とりとめがないけど、都会と地方のこと、これからも考え続けていきたい。

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