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GEO SPACE ADVENTURE 2024に参加しました

7086文字

GEO SPACE ADVENTURE 2024に参加してきたという日記です。
1人での参加です。
ついでに旅行の記録も残しておきます。


TR;DR

  • 宇宙に興味があれば専門知識がなくとも楽しめるオススメイベント

  • アドベンチャー感は薄め

  • 神岡町までたどり着くのが大変

GEO SPACE ADVENTURE is nani

GSA(ジオスペースアドベンチャー) は「神岡鉱山の本物の坑道」と「スーパーカミオカンデ」や「カムランド」などの宇宙物理学最先端の研究施設を活用して行う、地下空間および研究施設の見学イベントです。

開催日時: 2024/7/13 ~ 14
開催場所: 岐阜県飛騨市神岡町
参加費: 4000円

サイトに書いてあるとおり、神岡鉱山の坑道とスーパーカミオカンデの施設見学ができるツアーイベントです。
事前情報ではそれぐらいしか調べていなかったですが、ツアーの各タイミングで施設の説明やそれに伴う物理学の解説をするセミナーが行われました。

文系大卒で物理学にも疎い私ですが、宇宙そのもの自体には興味があるしロマンも感じているというタイプの人間です。
もちろんスーパーカミオカンデのことは知っていたし、ニュートリノの観測をしているという超ざっくりとした理解でした。
ニュートリノについても、それが素粒子という最小単位であり宇宙から降ってくるもので観測がやたらとむずいということぐらいは知っていました。

去年、Xで情報が流れてきたことでイベントを知りました(多分)
コロナの関係で2020年から中止されていたイベントですが、去年から再開しています。
去年はまだ空気的にコロナはもうおしまいって感じではなかったため、規模を縮小して実施していました。
たしか1日間だけの開催でツアー全便とも抽選予約ということで、応募しましたが外れました。

今年は例年通りの規模で開催ということで、2日間に渡り実施。
1~8便で各50名ずつの枠となっていました。
ツアーはスタート時間が分かれていて1便が朝7時から、以降1時間ごとに出発時間が分かれるという形式です。

今年は3~6便、時間にして9~12時スタートのものが抽選となり、時間的に早いor遅い便については先着順となっていました。
どうしても人生で1回は行っておきたいと思ったので、先着順の便でかつ人気が一番なさそうな朝7時の1便を買うことに決め、6/2 12時からの販売開始に合わせてPC前で待機して買いました。
アクセス集中でサイトが落ちてF5連打する、なんてことにはならなくて安心しました。
ちなみに30分後に購入サイトを見に行ったら7時の便以外は全部売り切れてました。

事前準備

ツアー1週間前ぐらいに封筒が届きます。
最初「宇宙まるごと創成塾」の文字列が目に入ってきて「なにこれ宗教?」って思ったら、他の文字も入ってきてGSA関連の届け物か!ってなりました。

中にはツアーに関する資料が5枚とカミオカラボのチラシ1枚。
ここで初めてツアーの終了時間(7:00 ~ 10:55)について知りました。
約半日でこの時はなげえって思いました。

持ち物やイベントの流れ、注意点などが書かれている資料が同封されていました。
ちなみに坑道内は寒いから防寒対策しろってしつこいぐらいに書いてあります。
おそらく今までのイベントでそれ関連の文句が散々出たんだろうな~って想像できますね。

重要な書類として施設立ち入り希望票が同封されています。
GSAに参加する際には必要で記載してこいとのこと。
重要だったら紙で渡さないでくれって思いました。
ツアーのチケット自体はPeatixというwebサービスを利用してるのにここだけアナログなのかよって感じですね。
ただしツアー当日持ってくるのを忘れても大丈夫です。
紙なので受付でも用意があり、その場で書いて提出することもできるようにしていました。

前日

朝7時なので当然前泊です。
移動手段はバイクしか持ってないのでツーリングも兼ねつつ飛騨に向かいました。
しかし生憎の雨だったのでとんでもなく疲れました。

国民宿舎 霜出荘

国民宿舎 霜出荘に泊まりました。
1人で旅行のときは基本ビジホを選ぶのですが、田舎すぎてビジホがなかったです。

  • じゃらん(インターネット)で予約できる

  • 1万円以内

  • 飛騨牛食べれる

の3つの理由で上の宿にしました。
夕食付きで9000円ぐらいでした

宿の方はとても親切で、「バイクはガレージに入れなくて大丈夫?」と気を使っていただき宿の説明も丁寧でした。

部屋は普通の和室でした。
備え付けの冷蔵庫がなく共用です。
Wi-Fiもちゃんとあります。
エアコンは若干古かったです。

風呂は家族風呂みたいな感じで狭めです。
利用者がいなかったので快適に利用できました。
朝風呂は利用できません。

夕食は飛騨牛のすき焼き以外にも天ぷらや刺し身も付いていて豪華さがあります。
が、海なし県でわざわざ刺し身食わなくてもなあという気はしました。
基本舌バカなのでおいしくいただきました。

朝早いのとバイクの疲れで夕飯食べ終わったあとはすぐ寝ました。
ツアー当日は5時半に起き、コンビニで買っておいたおにぎりを朝飯として食べて、6時半にツアー集合場所の神岡町公民館に向かいました。
当日は晴れてくれて移動がしやすく助かりました。

GEO SPACE ADVENTURE

受付

朝7時となっていますが受付開始時間が朝7時ということでした。
スタッフの方が写真取る用のパネルを持っていて、記念に1枚という感じで写真撮影のお手伝いをしていました。
公民館入口前ではTシャツ、クリアファイル、トートバッグなどの物販もやっていました。
お父ちゃんのお土産でTシャツを1枚買って帰りました。

バス移動で大きい荷物を持ち込めないとのことで、大きめのリュックで来てしまったので受付で預けました。
ジャケットと懐中電灯を手持ちする必要があり少し不便でした。
後にパンフレット資料が配られることもあり、トートバッグを持ってくるべきでした。

客層

私と同様ソロ参加の人と友人同士のペアが同等の割合で、家族連れが3,4組といった感じでした。
時間帯が関係しているのかはわからないですが、多分年齢層は高めです。

物理学や宇宙についてめちゃくちゃ詳しいような在野の研究者、あるいはオタクみたいな人はほぼいなかった気がします。
講演の質問の際に、「ニュートリノの研究って結局何の役に立つの?」みたいなあっさ~い質問をしてるおじさんもいたので、ライトな知識で参加しても安心です。

KamLANDセミナー

受付を済ませた後は公民館の2階でKamLANDセミナーという講演を聞きました。
東北大学の修士課程1年の方がスライドでKamLANDという施設について、ニュートリノについて、KamLANDの研究の成果や今後の展望について説明していました。
質問時間も含め約40分程度だったと思います。

KamLANDについてはまったく知らなかったので非常に興味深く楽しめました。
説明もかなりわかりやすくしてくださっていたと思います。
でもさすがにニュートリノを伴わない2重ベータ崩壊の話はピンとこなかったです。

バス移動

2グループに分かれて移動しました。
バスに乗る前にオリジナルハンディライトの販売をしていました(500円)。
「スマホのライトは禁止です」みたいなことを言っていましたが、実際に坑道内でスマホのライトを使ってはいけないはずはなく(咎める人もいなかった)、おそらく販促のための煽り文句だったと思います。
なんだったら坑道内に設置されているライトも当然あり、懐中電灯があれば足元を照らせてより安全ってだけで、なくても全然歩けるレベルでした。

バス内ではスタッフの方がツアーコンダクターもしていました。
鉱山をもつ神岡鉱業の歴史やカミオカンデ(スーパーではない)の歴史や坑内の注意事項について、立て板に水で話していました。
また、スタッフからの「すでに参加したことがあって二度目三度目の参加の方」という問いかけに対して4,5人ぐらい手が上がっていたことも印象に残っています。
イベント内容は基本的には一緒ですが、通る坑道のルートが年ごとに若干異なるらしいです。

抗口

抗口に着いてバスを乗り換えます。
その前に10分ほどトイレ休憩です。
抗口前での写真撮影も行われました。
抗口からすでに冷気が漂ってきていて確かに防寒対策必要だなと感じさせます。

バスに乗る前にヘルメットを渡されます。
坑内でのヘルメット着用は法律的に決まっているらしく、バスに乗ってすぐに着用しました。

坑内

バスで坑内をある程度移動してから下車して徒歩で移動していきます。

服装はTシャツ、薄手のパーカー、冬用のジャケット、薄手のジーンズという格好で行きましたが問題なかったです。
結構徒歩移動するので、あんまり厚手過ぎる格好だとかえってつらいかもです。
11月ぐらいの服装でちょうどいいと思います。
2人半袖参加の人がいました。人によっては全然耐えられるレベルですね。

写真はすべてOKで動画撮影はNGでした。

暗黒体験

坑道をある程度進んでから、坑内の灯りとスマホや懐中電灯のライトもすべて消して完全な真っ暗闇を体験するというイベントがありました。
本当に何も見えなくなるので面白い感覚を味わえます。
あと10秒長かったら家族連れで来ていたお子さんが泣いちゃったと思います。結構ビビってました。

神岡鉱業コーナー

また坑道を進んで、神岡鉱業の社員さんから会社や設備の説明を聞く時間がありました。
時間にして10-15分ぐらい。

そのあと自由時間がありました。
といっても特定の狭い範囲内での撮影と神岡鉱業による鉱石の物販で買い物ができるぐらいです。
20分程度でした。

スーパーカミオカンデ

さらに坑道を進んでいき、目玉であるスーパーカミオカンデ(SK)の施設の中に立ち入ります。

SKの水槽の上に繋がる狭い通路を通っていき、水槽の上の狭いスペースでSKについての講演を聞きました。
SKの目的や研究の内容、超新星爆発について、2027年完成予定のハイパーカミオカンデについての説明を聞くことができました。
概要をなぞる形式の説明だったので小難しい話ではなくわかりやすかったです。
また質問タイムも設けられていました。
全体の時間は20分ぐらいです。

講演をしてくださったのは東京大学の塩澤眞人先生。
坑道から出る際にスタッフの方が話していましたが、ハイパーカミオカンデの最高責任者で、もしハイパーカミオカンデで何かしらの発見がありノーベル賞が授与されることになると、塩澤先生が受賞者になるのではとのこと。
そういう意味でも非常に貴重な機会だったと思います。

その後は通路入口のほうのスペースにて施設についてのNHKが監修したビデオの鑑賞を10分程度。
それから通路に置かれている展示物を見たり写真を撮ったりできる時間が10分程度。

GSAのサイトにも書かれている通り、水槽の中を見られるわけではなく水槽の上の施設に立ち入ることができるだけです。
施設の中は機材はいろいろな荷物が置かれており非常に狭いです。
もちろん機材等に触れることは禁止されています。

一方で、このツアー用なのかどうかはわかりませんが、施設についての説明のパネルや施設の模型、光電子倍増管など展示物も多くあり見応えがありました。
また、その筋で著名な学者や政治家の署名、言葉を書いたパネルも展示されていました。

公民館へ帰還

SKの見学が終わったあとはシャトルバスで抗口まで移動、抗口でバス待ちの時間があり、その後は再び集合場所の公民館まで移動しツアーは終了です。
スタッフの方はさすがに慣れており、帰りの際の話では公民館で別で行われる科学セミナーや飛騨の食文化、温泉、レジャーについての話をして、しっかりと地域観光への導線を作っていました。

GSA感想

良かった点

興味深いのほうの意味でめっちゃ面白かったです。
各所で行われる講演は物理に関する知識がなくてもある程度は理解できるようなわかりやすい内容となっていてました。

また人生で初めて坑道に入るという体験もできたところも良かったです。
多分廃墟好きには刺さるんではないかな~と思います。

スーパーカミオカンデの立ち入り自体は研究施設の立ち入りというイメージで、決して写真映えするようなものではありませんが、まずそういう施設に立ち入りができるということに価値を感じます。
水槽の上にいるときは、この下で宇宙の謎を解明する上で重要な観測が行われてるのかすげー!っていうガキみたいな感想とともに感動しました。

時間についても、参加前は半日ってなげえなって思って参加しましたがあっという間だったしちょうどいい長さだったと思います。
めったにできない体験もでき、ニュートリノについての知見も深まる。
この内容で4000円はお得すぎると感じます。

オススメじゃない人

一方でADVENTUREという冠がついているけど冒険感、探検感は薄めです。
まず、根本的にこのツアーは講演と移動がメインとなっていて坑道内を探検するというものにはなっていません。
坑道内の移動もツアーグループが列をなしてつらつらと歩いていくだけです。
傾斜が急とか道幅が極端に狭くなるとかいうこともなく、ちょっと暗くて足元が悪いぐらいで、スリリングさはありません。
そういう意味で楽しさがあるのは暗黒体験ぐらいでしょう。

家族連れでの参加は、お子さんが宇宙や物理学に非常に強く興味感心を持っていないとオススメできないです。
現に小学1,2年ぐらいの子が「もっといろんなところ入れるのかと思ってた、これじゃあ大赤字だよ~」って言ってました。
非日常的な体験もできるので全面的に不満というわけではないが満足まではいかないみたいな気持ちでしょう。

早朝ツアーのメリット

他に書いておくと、朝早い便は利点がありました。
まず、11時ぐらいにツアーが終わるので昼飯にも行きやすいし、別の場所への観光にも行きやすいです。
公民館の駐車場にも限りがあり、私が出発する頃には徒歩5分ぐらい離れた場所にある第二駐車場も満車になっていました。
朝早ければ確実に公民館前に止められます。

神岡町への公共交通機関でのアクセスはあんまりよくないので、基本は車で行くことになるでしょう。
駐車スペースが埋まることはないように対策はされていると思いますが、昼間スタートの便だと第二駐車場を利用することになり若干不便な気がします。

まとめ

まずこのツアー自体は自分にとって行く価値がありました。
基本的にはアカデミックな部分での面白さを体感できるイベントとなっています。
宇宙に興味感心があれば楽しめる、逆に人の付き添いや連れ立っていくとなるといささか退屈でしょう。
また朝7時という早い便で行くのもいろいろと好都合だったのでオススメです。

ハイパーカミオカンデが完成して施設内を見学できるようなイベントが行われるようであれば再び行きたいと思っています。

土産行脚とか

11時から30分程度の無料の科学セミナー(加速器で探るニュートリノの謎)というものも開催されていて、非常に興味がありましたが時間の都合で聞かずに次の目的地へ。

お母ちゃんの誕生日が近いということで、お祝いのためにお土産を大量に買いつつ実家へ帰りました。

道の駅 宙ドーム・神岡

まずは昼飯。
とりあえず飛騨牛を食べておきました。おいしかったです。

土産屋も併設されており、まずここでいくつか土産を買いました。

https://www.whisky-hida.com/

飛騨のウイスキーが売られていたので物珍しさからつい購入。
スイートシェリーの赤いボトルです。
ついでに高山ラーメンの箱ラーメンを2種類ほど。
他にばあちゃんなどに配るようのものもいくつか買いました。

カミオカラボ

併設されている無料施設のカミオカラボにも寄りました。
そこまで広い施設ではなくゆっくり時間をかけて見れば30分ぐらいだと思います。
ニュートリノについて楽しく学べるようなゲームの設備が充実していて、誰かと一緒に行くと楽しい施設だと思います。

蒲酒造場

旅行のときは両親に地酒を買っていくのがお決まりとなっているので、酒蔵に向かいます。
神岡町にある大坪酒造にも寄ったのですが開いてなかったです、残念。

30分程度かけて古川町に移動し、1件目の酒蔵に行きました。
途中神岡カントリーロードを通りましたが、適度にくねっていて楽しいツーリング道路でした。

ここでは蔵限定の生酒を買いました。

渡辺酒造店

もう1本買っていきました。
蓬莱は両親も好んで酒屋で買っている銘柄でした。
ここでも(多分)蔵限定の生酒を買いました。
ロット番号付きでお一人様一本までとなっていました。

両方ともお土産で買いましたが私も飲みたいので、今度実家に帰ったタイミングで一緒に飲みます。

二四

普段はとりあえず酒だけ買えばいいだろって感じで日本酒だけ買うのですが、今回はお誕生日プレゼントも兼ねるので他にもいろいろと買って帰りました。 

なんかおしゃれなスイーツ屋さんあるかなと事前に調べてヒットした店です。

チーズテリーヌとチーズバターサンドのお持たせセットを買いました。
両方ともめちゃおしかったです。

牧成舎

有名らしい牛乳屋さんにも寄りモッツァレラチーズ2種を買って帰りました。

もちろんソフトクリームも食べました。おいしかったです。

おしまい

以上で日記は終了です。
最初の雨の中の移動以外は楽しい旅行でした。

ガッタンゴーはやってみたいのでまた飛騨には行きたいですね。

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