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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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2024年春アニメ感想

25,302文字

特にブログにこだわる必要ないし、NoteならMarkdownの記法も使えて便利なのでこっちに書いていこうと思います。

過去の感想記事見ると、文量足らなくて何が面白かったのか全然思い出せないし、何考えて面白いと思ったのかもわからない、ということがわかったのでもっといろいろと妄想を垂れ流すことにしました。
あと文章も上手くないので、出力することで文章の精度をあげたいです。

ネタバレあり。


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2024 年春アニメ(4 月~ 6 月放送)一覧画像 | :: halation ghost :: https://elf-mission.net/anime/anime-list/2024-2-spring/

終末トレインどこへいく?

TL;DR

  • 可もなく不可もなく

  • ファンタジー冒険短編集

  • 子供向けアニメ感

可もなく不可もなく

すべてが無難な感じでした。

7G回線の開通で世界が文字通り一変してしまい、そんな中行方不明になってしまった友人を探し出すために、主人公と愉快な仲間たちで電車に乗って池袋まで向かうロードムービー的物語でした。
最初から到達しようとしてる場所も目的もはっきりしています。
最終的な物語のテーマとしても友達との仲直りといったもので、複雑さは一切なし。

キャラ付けもはっきりしていて、各々個性が立ちつつもめちゃくちゃ癖が強いみたいなところもなかったです。
一点、主人公の千倉静留については自分勝手さが悪目立ちするところが多々あり、そこに嫌気が差す人もいたかもしれません。
特に行方不明の友人の中富葉香との仲違いのシーンは明確に共感できないシーンでした。

アニメーションの質として、作画のブレがなかったので違和感なく最後まで見られました。
また、7Gの影響で変わってしまった世界のバリエーションを表現する背景も豊かで楽しめました。

ファンタジー冒険短編集

池袋に向かう過程で様々な駅・地点に立ち寄り、そこで2話完結のショートショートが展開されます。
7Gの影響によって改変された世界はバラエティ豊かなものとなっていて、人間が動物に変わっている、キノコに思考を乗っ取られている、小人、ゾンビ、アニメ内アニメとハチャメチャな世界が表現されます。
各回ごとの舞台設定の派手さ、ピンチになる->問題解決->脱出,次の目的地へといったテンプレ的な話の流れ、2話完結の構成とシンプルかつ飽きさせないような作りでした。

子供向けアニメ感

ラスボス的立ち位置のキャラクターは7G事件を起こした張本人で葉香を監禁します。
しかし監禁の理由も7Gで世界が変わったままでいてほしい、もとに戻ったら責任取らされる的な短絡的なものでした。
わかりやすい一方、まさしく噛ませ犬であって最後に登場する悪役としてはあまり魅力的とは言えなかったです。

7Gについてもざっくりと世界最先端のやべー技術ぐらいの説明しかされません。
それによって超常現象が起きましたぐらいの温度感なので、そういった設定がきっちりかっちり説明されると期待していた人からすれば肩透かしでしょう。

前述の葉香との仲違いのシーンの時点では静留にまったく共感ができませんでした。
葉香が自分の夢とか目標とかを語ったのに対して、静留はものすごく冷めた発言で否定して小馬鹿にするような態度をとります。
葉香がキレるのは当然だし、それについて釈然としないような素振りを見せている静留は人の心がないように見えてしまいました。.

しかし、そういった発言の意図が最終回で明かされました。
それが葉香が遠い存在に見えてしまい、自分から離れていってしまうのが嫌だったというもの。
友達がかまってくれなくなりそうだからって意地悪なことして気を引こうとするって小学生か?となってしまいました。

そう思えてしまうのも、すべては今作がファンタジーな物語だったからなのではないかと思いました。
大人びて、あるいは大人ぶっていい感じに周りの価値観とか雰囲気に合わせて妥協的に生きる子と、そういったものに縛られず自分の核となる目標を持ちそれに向かって懸命に努力する子の対比って、それこそユーフォシリーズとか今季のヨルクラみたいに現代が舞台で人間ドラマ仕立てにしてないと説得力が薄く感じちゃうんですよね。
物語の文脈に合わせるとリアルな感情が表現されているようには見えず、静留がサイコパスにも見えたし小学生にも見えてチグハグな印象がありました。

複雑でない思考回路のキャラたちが動くわかりやすいテーマの物語、といった意味で子供向けアニメって感じですね。
小学生ぐらいのほうがキャラクターへの感情移入も容易かなって思います。

ガールズバンドクライ

TL;DR

  • 生の感情のぶつかり合いが心に刺さる

  • 自分に音楽知識が足りないので楽しみ尽くせない

  • もったいなさを感じるところも

生の感情のぶつかり合いが心に刺さる

めちゃ面白かったです。

事前に調べた時に気になった点は2つ。
1つはCGアニメでモデルのCGっぽさが強いところでした。
同じく春に放送されたハイスピのほうがキャラのモデルはよく見えて、同じクール内で放送されるCGオリジナルアニメとしてどうなるのかと。
もう1つは声優です。
いくらなんでも全然見たことない名前が並んでるなと思ったのですが、実際にバンドができる人たちが声優に抜擢されているというプロジェクトなのだと知り、興味深いと思いました。
演技は声優で歌は歌手と完全に分離したり、歌上手な声優を起用したりというパターンはありますが、バンド起点で声優もやってもらうというコンセプトは見たこと無い気がします。

そんな感じで期待と不安が半々で見始めましたが、1話から見せつけてくれました。

キャラクターの表情や挙動は細かく生き生きと表現されていました。
1話途中では主人公である井芹仁菜がキレるシーンがあり、そこで仁菜の背後に赤黒い線のようなエフェクトが表れます。
仁菜のコンテキストに触れられるシーンでは背後に火花のようなものが散るという、わかりやすい負のオーラの表現がされ、以降の話でも同様の表現が用いられます。
視覚的な面白さとその意味のわかりやすさが映像ならではで気に入りました。

1話最後の雨の中のライブシーンもCGだからこそやりやすい迫力のあるカメラワークや、雨粒を止めた状態で演奏シーンを続けていく演出が幻想的で、掴みとしてはバッチリだったと思います。
また、コンセプト通り歌も上手いし曲も耳に残るかっこよさがあることがOP曲の時点でわかるので、音楽アニメとして力入れているなと感じさせます。

1話だけでなく、5, 7, 11, 13話のライブシーンのどれもがかっこいいです。
前述の通りCGの良さをフルに活かした映像となっており、またMVとしてみても楽しめるような演出もあって贅沢なアニメ作品です。
これを2Dでやろうとすると相当なコストになるはずですから、CGアニメーションで正解だったと思います。

曲と映像だけではなく、もちろん物語も面白かったです。
特に毎話誰かしらが喧嘩しているところがいいですね。
基本的には仁菜と河原木桃香がメインでずっと喧嘩していて、揉めるトピックは様々ですが結局言いたいことは「お互い素直になれよ!」ってところでした。
居酒屋やサービスエリアのフードコートなど、人目について迷惑になることもお構いなしに意見をぶつけ合う、青臭さ全開のやり取りが心に刺さりました。
タイトルに「クライ」って入ってるだけあってキャラクターが泣いているシーンも多く、感情の高ぶりの激しさという要素が1つの重要なものとなっていることがわかります。

個人的に刺さったエピソードは10話ですね。
父親と喧嘩別れして田舎を飛び出してきて、他方家族の庇護も受けつつ生活しているという中途半端な状態からの脱却が美しいです。

いじめをもみ消そうとした学校側からの謝罪を受けに父親と一緒に行くシーンでは、形式的な謝罪の態度に父親が追求しようとし仁菜はそれを拒絶します。
その後家に帰ってから姉に自分語りをするシーンで「今の私が一番好き、胸張って言える」と自分自身を肯定します。
結局あの時のことは今の自分に繋がっているしだからこそもう振り返る必要がないと、迷いを振り切り成長するシーンが素晴らしかったです。

また、最後の家族の見送りのシーンもいい。
父親がダイダスの曲を聞いていて、仁菜のことを理解しようとしてくれていることに気付きます。
しかし会話という会話はせず、一方的に自分の感謝の思いを告げて半ば強引に父親との膠着状態にもケリをつけようとします。
顔も合わせず家を出ていこうとする仁菜の背後には微かに火花が散る表現がされます。
そこで父親が玄関先まで出てきて「行ってらっしゃい」と一言、その一言で父親から自分自身を認めてもらったことがわかり、軋轢は解消され火花も消えます。
最後には満面の笑みで小指を立てて行ってきますと元気に出発する仁菜の姿。
仁菜にも父親にも共感ができる最高のシーンでした。

自分に音楽知識が足りないので楽しみ尽くせない

自分に音楽知識、例えばロックの歴史とか概念とか最近のJロックとかガールズバンドとかにまったく明るくないので今作のおもしろポイントを見過ごしてる気がするんですよね。
ロックの知識なんて「20世紀少年」で得た知識しかなく、ラブアンドピースとかカウンターカルチャーの象徴みたいなキーワードとイメージしかないです。

そんなあっさい知識で書きますが、特にカウンターカルチャー=ロックの概念が今作ではよく表れていたように見えました。
1話ではバンドの方向性の違いによってダイヤモンドダストから脱退し、音楽活動に見切りを付けて田舎に帰ろうとする桃香を止めようとし、雨の中傘も差さずにギターを持って走り回って最後は雨の中で演奏します。

仁菜の過去では、いじめられている子を守ろうとしていじめのターゲットが自身に移り、しかも元々いじめられていた子までも加害者側に加担するようになるというエピソードがあります。
仁菜が学校側の要求であるいじめの加害者側との仲直りを拒み、放送室に立てこもってダイダスの楽曲を流すシーンなんか、そこに至る背景は違えど「20世紀少年」で見たケンヂが20 century boy流すあれじゃんってなりましたね。

最後のダイダスとの対バンの構図も、メインストリームで人気なアイドルロックバンドとメインからは外れたオルトロック的なバンドの対決という対比になっていました。
そしてチケットの売上数の面でプロとして負けますが、トゲトゲは自分たちの音楽を貫く方向性に舵を切ります。
アイドル路線のダイダスのボーカルであり、高校時代にいじめは見て見ぬふりしておけと言われて絶好した友人のヒナは、現実あるいは世間一般の象徴であり、それに精神性で負けないという仁菜の意志が見られます。

どの回でも仁菜の生き様とその行動に「ロックさ」を感じさせます。
この「ロックさ」という言葉の理解が浅すぎて、自分の中では完全にバズワードになってしまっていてるんですよね。
もっと知識があれば気の利いたこと言えるし、わかることも多くてより楽しめるんだろうなと感じましたね。
一方で言語化しにくい概念を「ロックさ」の一言でまとめて、そういう知識のない人間にも伝わるようにしている、という風にも捉えられるのかもしれません。

それとその「ロックさ」は時代を問わず変わらないみたいなテーマもあるんじゃないかなと思いました。
というのは、トゲトゲの曲が劇中歌やOP, ED曲も含め、なんとなくですが10年代前半ぐらいからの流行っているボカロのロック調の曲っぽく聞こえたんですよね。
Neruとかkemuとかじんとか?この辺はもう古いですが。
どの曲がそれと似ているとか言い切れないんですけど、ただそれっぽく感じるというだけです。
曲は最近っぽいのに描かれるキャラクターの姿や行動、物語は往年の「ロックさ」を感じさせる作りで、そこのギャップは感じました。
それこそが、ロックの本質は曲調や雰囲気云々ではなく精神性にあるというメッセージなのかなぁという妄想ですね。
この辺も現代に至るまでのJロックの潮流を知っているとより理解が深まるんだろうなと感じました。

もったいなさを感じるところも

いい作品だったことには変わらないんですけど、もったいないなと思うところもいろいろありました。

まず、そもそも11話までの物語で上手く完結するようにしておけばよかったんじゃないかと考えています。
最後にダイダスにプロとして負けて、それに反抗する形でアマチュアとして勝負するっていうところまでやるのはもちろん区切りがいいのですが、メジャーデビューしてからの12,13話の流れが早すぎます。
プロになりお金を会社からもらって音楽活動をする中での制限と葛藤的なところも1つの大きなトピックになり得たと思うんですけど、早急に消化されてしまいます。
メジャーデビューした後の話は2期作ってやってくれよ!って思いました。
でも野外フェス時点だとダイダスとの関係性に決着を付けるという区切りを作るのが難しいので、仕方無さはありますね。
加えて13話の話で言うと、絶縁したあとのヒナの仁菜に対する思いの掘り下げがもっと欲しかったし、最後のライブシーンはフル曲で映像が欲しかったです。

仁菜と桃香がメインキャラクターなので、他3人のバンドメンバーの掘り下げは少ないです。
ルパの過去なんて結構重そう感じを醸しつつ、醸すだけでメインの話に一切絡みがないです。
尺の都合なのでしょうがないですけど、だったらいっそのこと全く見せなくてもよかったのではとも思います。
もし2期があるのなら、ルパとか海老塚智の話もフィーチャーされるのかな。

また、重箱の隅の話にはなるのですがフルCGで作ってほしかったというところもあります。
ちょっとしか出ないモブとか過去のダイダスメンバーのキャラが映るシーンとかは、モデル作るコストと絵を描くコストで天秤にかけられて2Dで表現されていたのですが、そこがちょっと気になってしまったなという気持ちです。

もう1つ書くと、OPの最後のシーン。
OP映像にもこだわりを感じる部分が多々見られます。
例えばBメロの部分で家訓が背景にあり仁菜が操り人形のように描写されるシーンやその後の桃香がカメラを蹴りつけるシーンなんかは、物語とリンクさせるようにしています。
最後の音ハメでカットが切り替わるシーンも見ていて気持ちが良いです。
こだわりを感じるからこそ、歌の終わりに空中で現在の仁菜が過去の仁菜に腕を掴まれてそれを振り払い小指を立てながら街に落ちていくシーンは最終話のみの特殊OPにすればもっと印象的になったはずって思いました。
これは素人考えですけどね。オタクは物語の進行に合わせてOPとかEDの映像が微妙に変わるのが好きってだけです。

声優を素人にやらせる是非について、今作に関しては肯定的です。
仁菜と桃香はよくやってるほうですけど他のメンバーはかなり棒演技が目立ちます。
キャラごとの演技力に差が出てしまっていてそこが気になってしまうのはしょうがないです。
しかしリアルのバンドも含めての作品というコンセプトなので、そこはトレードオフなのかなって思いました。

総括していうと、2期を熱烈に希望しているというところです。
BDもライブチケットの抽選券付きという効果もあってか、オリジナルアニメなのにも関わらず万超えという快挙です。
作品としての出来もよく、商業的にも成功している素晴らしい作品です。
この「ロックな」アニメ作品を今後リアルのバンドだけのメディアで終わらせてしまうのはもったいないと思っています。

HIGHSPEED Étoile

TL;DR

  • ポテンシャルはあったのにダメな仕上がり

  • 30分弱のCM × 12話

  • モータースポーツには興味持てた

ポテンシャルはあったのにダメな仕上がり

せっかくいい材料があったのに全然上手く料理できなかったみたいな印象です。

まずモータースポーツ×美少女っていう題材でのアニメってあんまり見かけないので、新鮮味はありました。
近未来の舞台設定でガチガチにリアルなものでなく、マシンにAIが搭載されていたりゲームみたいにブーストシステム(リボルバースト)があったりしていたのも設定としては面白いです。

美少女の部分についても、キャラクターデザインがいい
加えてフルCGアニメーションなのですが、よいキャラデザの人物やレースマシンのCGのモデル自体は素人目には結構クオリティが高いように見えました。
特に人物については2Dに寄せた3Dという感じのモデリングで、綺麗な絵が動いている印象です。

ただ、それらを使った物語やキャラクター、アニメーションがよくなかった。

まず根本的に物語があんまり面白くなかったです。
物語のテーマが何なのか、主人公の輪堂凛が何を目指してるのかが全然わからなかったです。
モータースポーツの知識やレース相手のこととか全然知識がないのにプロのレーサーとしてレースしている輪堂凛のキャラクター性は、天然の一言では擁護できないように思えました。
また、なぜか周りの実力者に担がれて外堀から埋まっていき、まるで予定調和のごとく最終回で1位になる展開は何の感情も湧きませんでした。
しかも、最終回で勝った凛の評価として努力していた的な説明が入りますが、それはみんなそうでしょって感じだし全然説得力がなかったです。
っていうかそんな人一倍努力しているシーンあったか?

加えてキャラの掘り下げが全然なかったのも、もったいなかったです。
最後の数話ぐらいで、輪堂凛がもともバレエやっててエトワールになれなかった過去があるから一番になることにこだわりがある、みたいなところは伺えましたが、その描写が少なすぎるため何の感動もない最終回に繋がっていました。
サブのキャラクターたちも全然掘り下げがされないので、添え物みたいな感じになっていました。
そのせいで各キャラの個性もステレオタイプなところしか見えず、魅力的なキャラデザなのにどこにでもいるようなモブキャラみたいなチグハグさがありました。

また、キャラやレースの見せ方・動かし方にも不満があります。
他のCGアニメと比べるとキャラの表情がどうものっぺりしているように感じました。
レースの見せ方については尻上がりに良くなっていったところは評価できます。

掴みの1話は微妙です。
CGアニメだからこそ、普通のアニメよりカメラのアングルをより自在に操れるはずなのに、1話はその良さが全然なかったです。
また、レース中のキャラの心情の描写がないのも味気なかったです。

一方、それらが最終回では改善されていたので見応えがありました。
最終回でできるなら最初からやれよってところが不満ですね。

30分弱のCM × 12話

このアニメはいろいろな企業が協賛していて、タイバニのようにマシンやレーススーツなどにロゴが入っています。
実はこれがこのアニメのすべてなのではないかと思っています。
このアニメはエンタメ作品ではなくただのCMだったのではないでしょうか?

仮説1.として、この物語はシンプルなスポ根モノにすればちゃんと面白く仕上がったと考えられます。
凛の掘り下げをしっかりと描写し、明確なライバルを1人おいてそのライバルとのバトルに焦点をあてた王道の構成にしていれば面白くなったと思います。
扱いきれるキャラ数で効果的な物語とレース描写をするということです。

そういう構成にしなかったのではなく、できなかったのではないかと。
登場人物が少なくなり、画面に映るキャラやマシンが少なくなれば必然的にスポンサーのロゴを載せるスペースが減るのでスポンサーの数も少なくなります。
そうすると、アニメ内にスポンサーのロゴを出してお金を儲けるという企画に不備が出てきます。

じゃあ仮説2.として、キャラの数もそのままで各キャラの魅力をより掘り下げつつ物語をうまく展開させるために2クール放送にするということも考えられます。
が、これもスポンサーの心理・事情的に無理そう。
オリジナル作品、かつモータースポーツというテーマの作品が最近の話題作(例えば推しの子とかフリーレンとか)と肩を並べるほどバズるかなんて予想できないしそこまで期待もできないので、そんなものに2クール分のスポンサー料を払うなんて判断は到底できないように思えます。

結果として、改善していったレースシーンの魅力だけでは補いきれないぐらいの中身の薄いアニメーション作品になりました、おわり、ってところじゃないですかね~
まあCMとしては上々でしょう。
酷い・面白くないと言われたり、5話のレースはよかったとか言われたりといい意味でも悪い意味でもちょいちょい話題になって、各社のロゴを視聴者に見せることができたので「アニメーションCM」としては成功していると思います。

モータースポーツには興味持てた

SF的要素は活かされていたり、そうでなかったりしていました。

例えばAIがマシンに搭載されているという設定では、輪堂凛のマシンには自律型AIが搭載されていて、そのAI自身が「すべてAIが操作するようなレースは全然おもしろくない」というようなメタ発言をします。
これは安直なAI批判というより、人間の生み出すものには価値があり、AIはよきツールでありパートナーであるというような、AIとの適切な向き合い方と変わらない価値観についてのメッセージが含まれているように感じました。
思えば、凛とマシンAIのやり取りはかなりつぶさに描かれていました。

一方でピットイン中での作業が人の手で行われなかったり、リボルバーストがあまり上手くレースの見せ方や展開に効果的に作用してなかったりしていたところは残念だったかなと。

上記設定の話とか諸々引っくるめて、いい:わるいが2:8ぐらいなモータースポーツを見たときに、じゃあ現実の今のモータースポーツってもっとおもろいんじゃね?って気持ちにはなりました。
モータースポーツの知識がcapetaぐらいしかないので、もう1回capeta読み返した上で有名なレースをyoutubeで見てみようかなとは思いました。

夜のクラゲは泳げない

TL;DR

  • BDBOX出してくれ

  • 魂のこもった9話

  • 10, 11, 12話の構成と演出の面白さ

  • 手放しには褒められない

BDBOX出してくれ

めちゃ面白かったです。
オリジナルであること、アニメーション的演出の素晴らしさがあることから、私的には非常に楽しめました。
BDBOX出てくれたら確実に買います。

悩み多き少女たちがふとしたきっかけで匿名音楽グループJELEEを結成して、その活動を通して成長していく物語でした。
テーマはエゴ(あるいはアイデンティティ)と推しの2つでしょうか。
SNS全盛に生きる今の若者たちの等身大を映し出す物語にピッタリのテーマだったように思えます。

人間ドラマ主体の物語なだけあり、キャラクターの心情描写が非常に丁寧です。
自我の強いキャラクターたちが各々の過去に向き合いつつ成長していく様子は生き生きとしていました。
また、中でもメインの光月まひると山ノ内花音の二人の関係性は時間をかけて描写していました。

展開としても1~3話でまひる、高梨・キム・アヌーク・めい、渡瀬キウイ三人の各々の負債を一部解消しつつJELEEの仲間集め。
概ね順調にJELEEの活動を進めていきますし、4人でモノを作り上げていく青春シーンは爽やかで色鮮やかに見えます。
さらにメイン二人の日常描写が描かれていくことで関係性の深まりを視聴者に認識させます。
一方で小出しに不穏な空気・要素を見せつつ暗雲を立ち込めさせる火種を蒔いていきます。
で、問題の9話で爆発して一気に落とし、そこからのすれ違いと立ち直り、そして仲直りまでをアニメーションならではのリッチな表現で描ききっていました。

制作会社が動画工房であるのでもちろん作画は素晴らしく、安定してキャラクターたちのかわいさが活かされていました。
またコミカルな表情の描写やカメラワークにも力が入っていたように思います。
後述しますが、9話以降の回での特徴的なアニメーション演出は物語により強い力を与えていました。
動画工房の良さが色濃く表れていたのではないでしょうか。

魂のこもった9話

8話までは順当にJELEEがバズっていって、今後の展開的にもせいぜいJELEEのボーカルが炎上した橘ののかだったと確定してまた炎上、そこからいい感じのライブして大団円ぐらいのノリかなって思ってました。
9話ではその期待をいい意味で裏切ってくれました。

9話ではまひると花音の見事な仲違いが描かれました。
年末に向けた新曲の制作をしていたJELEEですが、まひるは花音の母親である早川雪音から、自身がプロデュースする渋谷で行われる大規模イベントで使用する絵の制作の依頼を受けます。
新曲の制作を後回しにし、イベントの絵の仕事を優先することを決めたまひるに対して、自分のために絵を描くといったのに嘘つき!自分がいなければもう1度絵を描いていくことなんてなかったくせにといった発言で傷つけて、決定的な仲違いをしてしまいます。

この構図は今季アニメの終末トレインと同じなのですが、質がまったく違いました。
ここに至るまでの1~8話があったからこそ、まひると花音の感情への説得力がありました。

花音は母親の雪音にアイドルとしてプロデュースされ、炎上の件で見限られてから雪音に愛憎を抱いていました。
また、アイドルグループ内では浮いた存在となっていたけど、母親のために頑張れたというところで見限られるので、孤独に対して強い忌避感を持っていました。

まひるのほうはJELEEでバズっていく中で自分の絵に自信を持ち始め、より大きな仕事にチャレンジして経験を積みたいと、どんどん自分の成長に貪欲になっていきます。
この回では失敗した絵でさえ花音に褒められてしまうシーンと、雪音に絵の良さを褒められつつも建設的なフィードバックも与えられるシーンが対比的に登場します。
自分のことを無批判に推してくれる人よりも、自分が自覚しているダメなところを理解し指摘してくれる人に思いが向くのも当然でしょう。

まひるの選択には共感ができます。
まひるは花音の出会いがきっかけで再び絵を描きはじめ、JELEEに見合う絵を描けるようになりたいと技術を磨き、さらにJELEE以外の経験によって自分の絵を高めて、(恩を返したいタイプという発言もあることから)それをJELEEに還元していきたいと思うようになっているので、ここまでの積み重ねの必然的な帰結のように見えます。

一方で花音の心にも無い発言も理解できます。
花音の自分の大切な友達・仲間が自分を見捨てた人に取られてしまうという子供っぽい悔しさがあるでしょう。
加えて花音はまひるの古参勢であるので、自分だけが知っていた才能をニワカにも語られて、しかも推しはニワカのほうを選ぶとなったら昔から推してた自分はなんなのって気持ちになるのもあるあるだし自然な気がします。
そして、花音はJELEEの活動に専念しているけど他のみんなは学校生活とか別の活動とかもしていることから、他メンバーは各々JELEEの熱量を花音と変わらず持っていたと思うのですが、花音視点からしたら少しずつメンバーとの差を感じていたのではないでしょうか。
そういった焦りを感じていたところにまひるの選択が重なり、また一人になってしまうという恐怖があの発言を生んでいると容易に想像できます。

まひるはJELEEのことを思っているのに花音はそのように捉えられなかった、といった二人のエゴからのすれ違いが発生してしまうのは、1~8話までの関係性の構築とJELEEの成長、そして9話の展開があったからこそだと思いました。

これだけならそこそこ物語の力があるだけなので、魂のこもったとまで大仰な冠を付けないです。
なぜそういう風に感じたかといえば、その仲違いのシーンをより効果的に見せる演出と声優の演技、作画に感動したからです。

まず、ののかの炎上による周りの人の負の感情を表すシーンではノイズ混じりの音声とくすんだ背景、歪んだ線で人物が描かれて、トラウマを露骨に表現していました。

そして何と言っても仲違いのシーン。
まひるを罵る花音の歪んだ表情と高橋李依さんの音割れギリギリぐらいの叫びの演技。
その後の寂しさとかつらさとか悲しさとかが綯い交ぜになったまひるの泣き笑いの顔が絶妙であり、そこから発せられる一言「そんな風に思ってたんだ」の伊藤美来さんの演技も完璧にマッチしていました。

絵と音が使えるアニメーションだからこそできる表現であったと思います。
セリフの内容と話の展開を補強するどころか、それらを喰ってしまうかのような鮮烈さがありました。
同時に制作陣の力の入れようが明確に伝わってきて、クリエイターのこだわりが垣間見えるシーンでもありました。

10, 11, 12話の構成と演出の面白さ

10, 11話もJELEEの他二人、めい役の島袋美由利さんとキウイ役の富田美憂さんの演技が光っていました。

10話ではJELEEを解散させるという花音の意思表示から、配信で解散発表をめいとキウイの二人で行うのですが、めいのグループを解散したくないというエゴが爆発して泣きながら仮の新曲を披露します。
このシーンでのキャラクターの表情も素晴らしく、また島袋美由利さんの泣きつつ下手に歌を歌うというテクニックも唸りました。

11話ではJELEEの身バレ=キウイの身バレから、キウイのことをよく思っていなかった同級生たちと邂逅し面と向かってバカにされるものの、自分自身の好きなものを貫き通す決意表明をします。
同級生と対峙する前から直後の弱々しさから一転して力強く自分語りをするところは、富田美憂さんの演技によってそのギャップに拍車をかけていたと思いました。

また、10, 11話は「推し」というキーワードを使うことで対比構造が見えてきます。
10話はめいが自分のトラウマである歌声を使うことで花音を立ち直らせることに成功します。
11話では前半部分で雪音からまひるの絵に思いっきり手直しが入り、もはや自分の絵ではないものを作ってこいと言われてしまいます。
しかし、キウイの自我を貫く姿に勇気をもらい手直しの入った絵ではなく自分自身の絵を雪音に再び提出して雪音に認めてもらいます。

二つの話はめい・キウイが過去に向き合い自分をさらけ出すことで、花音・まひるを勇気づけるという展開で一致しています。
しかし、各々の立場が異なっています。
めいは花音をアイドル時代から強烈に推している、まひるは小学生時代からキウイのかっこいい人間性を推している。
10話は推してくれるファンから、11話は推しから力をもらうという対比構造になっているところが面白いです。
ここからも推しが今作のテーマであり、推すこと推されることは素晴らしいと言っているように思えます。

12話は細かい演出や表現が非常に気に入りました。
花音が歌う前までは観客の顔を黒く塗りつぶし、歌い始める前にそれが晴れるといった流れがあり、わかりやすい心情の移り変わりが表現されていました。
イベントの演出として、ライブ中は観客が青い傘をさし水生生物がプロジェクションマッピングで映し出されることで、渋谷に水族館を作るという目的が達成されるところも最終回にふさわしかったです。

ライブ後にまひると花音がお互いに駆け寄りエスカレーターで交差してしまうシーンも、コミカルさ共に最後のすれ違いを象徴するかのようでした。
ライブのクレジット動画が流れるシーンも、ののかから始まった花音の歌の人生、それが早川花音に至るまでの物語のエンドロールといった感じでした。
このシーンでの花音の泣き声をあえて入れず絵だけで見せるのも、視聴者に想像する余地を与えていてよいと思いました。

JELEEみんなで渋谷の路上の絵の描き直しをするシーンでは縦型動画として映像を切り抜くことで、それが2024年時点の青春の日常のシンボルであるように見せていました。
最後にシームレスに少し変更の入ったOP映像につながり主人公のセリフに重ねて終わるのも、あんまり見ない演出(類似の作品を思い出せない)かつ綺麗な幕引きだったのではないでしょうか。

手放しには褒められない

9話以降の展開が自分の好みだったというのもあって、それ以降の回は見終わるたびに「いいアニメだなぁ」と盲目的に信奉していました。
しかし、改めて思い返してみると粗が目立つ部分もあります。

まず、ちょいちょいあったエロ要素と過剰な百合要素は物語のアクセントというよりはノイズになっていたように思いました。
この辺の描写から百合ちょいエロなアニメを期待して見ていた人からすると、悪い方に裏切られたかのように感じたことでしょう。

次にキウイとめいの存在がどうしても舞台装置になってしまっているところが気にかかってしまいます。
まあキウイのほうは所々で過去の掘り下げが入っていたので、11話の展開に繋がるのもわかりますが、めいのほうの歌声については小話的に出てきただけで明確に重いトラウマではなかったように思えます。
加えて他の三人と比較して、めいだけがクリエイターとしての立ち位置が薄いです。
キャラクター自体は生き生きとしているのですが、メイン二人の引き立て役感は否めません。

他にも細かいことが目につきます。
バツイチ子持ち年齢詐称アイドルのみー子と全身整形の小春のエピソードについても、世間一般からのはみ出しものの例として描くことで、エゴを貫くというテーマの補強をしているのかとは思います。
が、別になくてもよくて、その分の尺でめいの掘り下げか落差を作るエピソードを入れてもよかったかのように思いました。
JELEE自体もバーチャルシンガーとして始まったプロジェクトのように見えたのに、最終的に普通に顔出しして今後アイドル的ポジションで活動していくのかと思うと、それでプロジェクトのコンセプトってあってたんだっけ?みたいな疑問は出てきます。
花音の炎上の発端である見ろバカの件についてもなあなあになって解決されないまま終わったのも残念。

あと、今作ってどこの層がターゲットだったのかが気になりました。
アニメオタクの私には刺さったのですが、登場人物たちと同年代で同じ境遇や共感できる人たちに響いたのかな。
その層がターゲットだとなると、作品自体がもっとバズらないと届かなさそうだなっていう印象です。

ドロドロした人間関係とか共感性羞恥を感じるシーンとか、テーマの「推しという概念への讃歌」に共感できないとかで人を選ぶような作品ではありますが、私は人を選ぶというカテゴリーには好意的です。
尖ったものが好きとかそういうことではなく、そもそも万人全員に受ける作品なんて存在しないので、型にはまりきってる作品より特定の誰かに刺さるような作品のほうが結局面白くなるので好きというとこですね。

今作はオリジナリティとレトリカルなアニメーションにこだわりを感じる素晴らしい作品だったと思います。

響け!ユーフォニアム3

  • シリーズ最終作にして到達点

  • 12話関連の良改変

  • バランスの悪さも仕方ない

シリーズ最終作にして到達点

めちゃ面白かったです。
ユーフォニアムシリーズの最終作として相応しかったのではないでしょうか。
2015年に第1期が放送されてから、もう9年間になりますね。
例の事件もあり、今シリーズがちゃんと完結したこと自体にまず涙が出ます。
完結まで作り切ってくれたことに対する感謝の気持ちが湧きました。

言わずと知れた、全国コンクールで金賞目指して頑張る吹奏楽部の物語で、主人公の黄前久美子の視点からリアルな青春部活動を描き出していた作品です。
部活動という舞台を用いていろいろな要素をフィーチャーしていました。
なにか1つの単語を当てはめようとするのなら、1期は「プライド」、2期は「憧れ」、そして3期は「マネジメント」かな~と思っています。
本感想での「マネジメント」の定義については学術的に正確な定義ではなく、ざっくり「人々の前に立ち組織をまとめる」ぐらいの意味合いで使います。

アンサンブルコンテストの映画でもほのめかしていた、上手い人が入ってきたときに麗奈はその人を選ぶかみたいな不安の種を残していただけあって、黒江真由という3年生の上手なユーフォニアム奏者が転校してきます。
部長の久美子が部員をまとめながら、自分の進路に悩みながら、突如ライバルとして現れた真由ともうまく折り合いをつけようとしながら、コンクールでソリを吹きたいと頑張りながら、部として金賞を目指していくといろいろな要素がてんこ盛りなストーリーでした。

アニメーションの点で言えば、京都アニメーションの作画技術は本当に素晴らしい。
キャラクターの表情の移り変わりや何気ない仕草の細やかさはもちろんのこと、京都の背景や楽器の質感などは一級品。
現実味のある物語と写実的な空間、しかしそれらに対してアニメーションが浮くことなく調和しているところもさすがだと思います。

12話関連の良改変

今作から新登場した真由の存在はだいぶ違和感がありました。
3年になった久美子のライバルとしてキャラクターを無理やり置いたように見えてしまいました。

真由というキャラクターは、その置かれている状況に加えて精神性まで含めて部外者であるように映しています。
真由自身も3年から部活動に参加することに対して引け目を感じているし、それもあってなのか「いつ辞めても構わない」「迷惑をかけたくない」「みんなと楽しく吹きたい」など、金賞を目指す部のスタンスからはかけ離れているように見せていました。
イベントごとでカメラを使うシーンでも、常に自分が写真を取る側でみんなと写ろうとしないところも象徴的です。

1期では久美子、2期では田中あすかが大人ぶることをやめて一生懸命青春していく姿を映していたので、今作ではその役の担い手がいないから真由が登場したということなのだと思います。
それにしては真由のことについて掘り下げている時間が足りないなという感じもしてました。

ノイズとまでは言い切れないまでも異質なキャラクターを、あえて3年生編という集大成の中に投入し、久美子の部長としての苦悩と個人バトルの両方をやならくても、部長としての苦悩の部分を色濃く映し出すだけでこのシリーズの締めとして成立するだろうと想像できました。
「マネジメント」のキーワードだけを軸に置いておけばよくないか?わざわざ舞台装置を導入しなくても面白くなりそうだけどなあっていう疑問ですね。

そういった疑問とか妄想に対して、12話がすべて答えてくれました。
12話でわかったことは、やはり今作は「マネジメント」というキーワードが核にあって、そこを引き立てるために「プライド」も使っているだけにすぎなかったということです。

ソリスト再オーディションが行われることになり、その直前で久美子が真由の人間性を言い当てた上で真剣勝負をさせるよう仕向ける。
そして奏者を隠した状態で行われたオーディションでは、麗奈を除く部員の票数が同数で割れて最後の決定票を麗奈が下し真由が選ばれる。
そこで久美子は部長として毅然とした態度を取り、改めて最高のメンバーが決まった、金を目指そうと決意表明を行う。
その回の終わりには久美子と麗奈の友情関係の象徴的な場所でお互いの感情を吐露し泣きあう。

オーディション直前のシーンでは、真由は自身の演奏にプライドを持っていて何だかんだ言っても演奏で手を抜くことはできない性格だということを久美子に指摘されます。
その上でそれを肯定し励ますので、真由からは「そんなに塩を送っていいの?」と言われます。
ここでそういった発言をした久美子の感情は結構複雑に映っていて、真剣勝負に勝って特別な存在である麗奈にも認められた上でソリを吹きたいというプライドと、金を取るための部全体の最適を望んでいるというマネジメントの両方の思いがあるように見えました。
ここの久美子の感情を出すためには真由を励ますというイベントが必要、そしてそれを発生させるためには、日頃から自分は部外者だといってウジウジしている様子を映しておく必要があったわけですね。

そしてその後のオーディションで負けてからの部長という立場の久美子の堂々たるシーン、最後の久美子と麗奈の感情の爆発のシーンの瞬間火力が高すぎて、視聴時に「なるほど、これをやりたかったんだなぁ」と腑に落ちましたね。

オーディションでは久美子が後々話す通り、自分の中に迷いがあってそれが音に出た実感があった、そして麗奈が一番を選ぶことを想像できていた、そして実際に真由を選んだ。
そういった一連の流れが終わった時点で、麗奈が自分を貫いたことへの嬉しさや誇りに思う気持ちと実力で負けた悔しさとみたいな正と負の感情が混在した状態だったであろうにも関わらず、そこで私を脇に置き公の立場として振る舞える久美子は最高にかっこよかったです。
また、このイベントがこの時点では明示されていない久美子の進路である教師になるということにも大きく影響する、つまり物語の締めへの布石となる良いシーンだなと感じました。

最後の久美子と麗奈のシーンはシリーズ通しての一番の名シーンに仕上がってたのではないでしょうか。

まず1期のシーンと対称的にする演出が印象的でした。
1期では麗奈が特別になりたいと言って久美子の鼻筋をなぞっていたのが、今作では久美子が麗奈は特別だからといって鼻筋をなぞる。
普通の人なら3年間一緒に頑張ってきた友情関係の深い久美子をソリストに選ぶ、けど相手が誰であろうと上手い人を選ぶというスタンスを曲げなかった麗奈を特別だと称える良いシーンでした。

久美子の感情については本人が喋ってくれるのでわかりやすいです。
麗奈の泣いている姿を見て、久美子のエゴが湧き上がるところの感情の遷移の演技には息を呑みました。
さすが黒沢ともよさんですね、めっちゃうまかったです。

一方で麗奈の感情は深読みできる余地があるのも面白いです。
麗奈は久美子の演奏をわかっていた上で久美子を選ばなかったことに対する罪悪感から謝罪をするのですが、後悔しているのかという久美子の問いかけに対して性格が悪いと曖昧に返します。
明確に回答しないところがいいですね。
謝罪の言葉が出てくるところから一緒にソリを吹こうと言ったことに対する裏切りをしたとも感じているし、他方自分を曲げなかったことには自信がある。
あるいは部の方針で対立するぐらい金を取るという部全体の目標を大事にしている久美子のことをわかっていた。
後悔しているし後悔していない、みたいな人間ならではの矛盾した感情が渦巻いているように見えました。

12話を見て、「ソリを吹く」という目標が砕かれることで「金を取る」という目標がより輝く、「マネジメント」というキーワードの鮮烈さを増すために「プライド」も描く必要があったんだと、ようやく捉えることができました。
ここがめっちゃ良い改変だと思う理由であり、部内の問題と麗奈との関係の問題を解決しつつ一方で久美子は順当にオーディションに勝ちソリを吹いて全国で金っていう筋書きよりもインパクトが段違いだなと感じました。

バランスの悪さも仕方ない

素朴な視聴者だったら久美子がソリストになることと部が全国金賞を取ることを期待していたことでしょう。
その片方が裏切られるわけですから、せめて全国金賞は取ってもらわないと物語的に救いがなさすぎるように感じてしまいます。
そこも裏切ったら実力主義をさらに如実に描ききったという意味で、ユーフォシリーズらしさを感じなくもないですけどね。
そこの深読みもあった上で見ていたので、結果発表のシーンではキャラクターに感情移入して緊張感を味わえました。
結果的には全国金賞を取るという物語の決着でシリーズを見ていた視聴者も報われた気持ちになったはずです。

13話の演出は、全体的に想像の余地を残すものが多く面白かったです。
全国コンクール前の日々を描いてく中で「n日前」というカットを挟みながらシーンを切り替えていくところで、コンクール当日を「その日」と表記していました。
「その」がコンクールを指しているのは明示ですが、今までの紆余曲折が形容詞的についた「コンクール」という単語であることを意味しているかのようで、そういった言葉選びが素敵だなと感じました。
自由曲の合奏シーンで過去シリーズのシーンを織り交ぜながら描写していくやり方は、久美子と一緒に今までの記憶を振り返るような感覚を与えますし、コストの高い演奏のシーンを部分的に使いまわす省エネな映像を作らずに効果的な映像になるのでお得です。
真由のソリのシーンでも久美子の満足気な表情も、過去の映像を見せることで視聴者に共感をさせるような作りになっていたように見えました。
結果発表後にエンドロールを流して静止画で部員たちの様子を映しているところもよかったです。
金賞取ったあとの久美子と麗奈の語らいのシーンとかほしいと思えますが、足りないぐらいでちょうどいい理論が当てはまってるなという気がしました。

万感の思いで迎えた13話で緊張が開放され、最後は久美子が教師になった姿を映して1期の総集編映画のサブタイ(=原作第1巻のサブタイ)と同じ文言で締める、美しい流れだったと思います。
ですが、やはりバランスが悪かったのは事実かなと思ってもいます。

まず合奏のシーンが13話の最後だけってのはだいぶ味気ないです。
せっかくアニメーションというリッチなメディアなのだから、そこの利点は活かされてほしかったです。
加えて、合奏のシーンが抜かされることでマーチだったり地方大会だったりの出来事の印象が薄く、年表的にイベントが存在したことだけが描写されてるように感じさせました。

合奏シーン以外にももっと時間をかけて見せてほしかったところはあるように思えます。
12,13話に物語としての強烈なピークを迎えるためにいろいろな要素を詰め込んだ結果、そのピークに必要だったから各イベントを消化したようにも見えてしまいました。

ここで考えられるのは2クールやればよかったんじゃないかというアイデアなのですが、これは厳しいところもあるなと想定できます。
おそらく2クールやるとなると、1クールの終わりという区切りのタイミングで物語的には部内も不穏な空気が漂っていたり、久美子の自身の悩みとかも表出したりと、重たい雰囲気で歯切れの悪い状態になりそうです。
視聴者の離脱は十分考えられます。
加えて時間をかければかけるだけ、久美子のソリストと金賞という2つの期待が高まっていくわけで、その片方が最終回手前あたりで裏切られるので、溜まったフラストレーションが全然消化されずより強く反転アンチになりそう。
そう考えると、2クールでやるとかえって作品の面白さをちゃんと伝えられなくなってしまうリスクが高かったのかなっていう気がしました。

しかし、そういった制限の中で試行錯誤して作られた素晴らしい作品だと言えると思います。
清々しい気持ちになれる青春アニメシリーズでした。
シリーズ全作品コンプリートしたBOX出してほしい、6万までなら買います。

ブルーアーカイブ The Animation

TL;DR

  • アニメ勢置いてけぼり

  • 12話使った壮大なイントロ

  • ゲームへの流入のためのアニメとしては力不足か

アニメ勢置いてけぼり

もっと説明が欲しかったなと思いました。

原作未プレイです。
ブルアカという作品、というよりキャラクターについては、Xのフォロワーさんがえっちな絵をリツイートしたりいいねしたりしていることで知っていました。
なんかよくわからないけど子供の落書きみたいな先生と呼ばれる人が、生徒たちを手籠めにしてハーレムを作っているという理解でした。
ロリ、お姉さん、ムチムチキャラ、ケモミミ等、誰かしらの性的嗜好に刺さるキャラが揃っているなあという感じ。

決して、決してえっちな女の子が見られるというつもりでアニメを見始めたわけではないのですが、存外物語はシリアスな展開で驚きました。
物語の最初に語られる内容も意味深で、その話ぶり的にループものなのかな?と推測して期待しながら見てましたけど、結局何もわからずに終わりました。

最後まで見た原作既プレイ勢はどう評価しているのでしょうかね。
OPは目まぐるしくカットが切り替わる演出が取り入れられており、そのカットに原作既プレイ勢にとってはグッとくるものが仕込まれているらしく、それで盛り上がっていたことはXで見かけていました。
最終話後には特に目立った称賛も批判も流れてこなかったので、微妙な評価だったといことですかね~

12話使った壮大なイントロ

キヴォトスと呼ばれる学園都市の舞台設定と荒廃した世界の背景、廃校危機のアビドスを救うという物語からポストアポカリプス的なSF作品なのかと思いつつ視聴を続けていきました。
視聴者には詳しく説明されない単語とか状況も発生しますが、これはSFというジャンルではありがちなパターンなのでなんとなくこんな感じなんだろうな、後の物語展開とかで説明されたりあるいは間接的に示唆されたりするんだろうなと納得できます。

記憶喪失の砂狼シロコと現在のおちゃらけたキャラクターからは想像ができない過去を持っていそうな小鳥遊ホシノがキーパーソンとなるなと。
しかし結局意味ありげに悪い人にホシが捕まってそれを奪還して終わってしまいました。
核となる物語は意味ありげに匂わせるだけでそれ以上は説明がなく、いくらなんでもという気持ちになりました。

メインの部分はそんな感じで不完全燃焼だったのですが、序盤から中盤にかけての個別のエピソードでアビドス生徒たちの日常が描かれるシーンは良かったです。
作品の売りであろうキャラクターのかわいさが物語的には良く表れていたのではないでしょうか。

明かされない謎や登場していないキャラも多くいるっぽいので、そういったことが気になった方はゲームをプレイしてねということなのでしょう。

ゲームへの流入のためのアニメとしては力不足か

しかし、この匂わせだけでは客をゲームに流入させる力が足りてないように思えました。
客は明確な説明を求めていて限定的な情報だけ与えられてもそこだけ判断してしまうのが最近の傾向だと思っています。
今作のやり方が通用するのはゼロ年代ぐらいまでな気がします。

かくいう自分にはそこそこ刺さっていて、原作面白そうだなと思いました。
しかし、ソシャゲというところでどうしても二の足を踏んでいますね。
youtubeでストーリーまとめ動画でも見ようかと思ったのですがフルボイスでなくて、ノベルゲーをAUTOで流しプレイする自分には合わず断念しました。

アニメーションの質がそんなに良くなかったのも弱点です。
OPで見せているシロコの銃撃戦のような映像はなく、戦闘シーンでは平坦な映像が続いて面白みに欠けます。
前述でキャラクターのかわいさが物語的に表れていたと書きましたが、作画的にはそうでもなくて、崩れる3歩手前ぐらいの感覚だったと思います。
7話のエピローグのところとか特徴的な場面で作画がいいシーンもありますが、他のところの差が激しかった印象です。

また意外だったのが、全然エロ売りしない作品になっていたところですね。
物語自体はシリアスでもアクセント的、またはキャラクターのかわいさを引き立たせる目的でもちょっとえっちなシーンを入れてくるものだろうと想像していたのですが、全然そんなことはなかったです。
これは私のブルアカに対する認識がXのフォロワーによって大いに歪められていたために起こった意外性なのかもしれません。
でも作品的としてはエロ創作が盛り上がっているように見えるので、そこの強みを活かしてもよかったのではないかと思います。

言葉は悪いですが、こんなアニメーション化をするぐらいだったら他の事業に注力すればよかったのではないでしょうか。
原作の開発や新しく魅力的なキャラを投入したり、グッズを拡充したりして既存ファンの欲望を満たしつつ、新規流入はちょっとえっちな広告で釣るような古典的な戦略を取り続ければよかったような気がします。

怪獣8号

TL;DR

  • さすがProduction I.G.の作画

  • 設定のちぐはぐさ

  • 物語が弱すぎる

さすがProduction I.G.の作画

戦闘作画は良かったです、戦闘作画は。

過去に手掛けた作品からもわかる通り、Production I.G.のアニメーションには信頼感があります。
ということで、あまり言う事はないです。
体術や銃撃での戦闘シーンの迫力は言うまでもなく、8号の一撃のやその後の怪獣の血肉の爆発もド派手でかっこよかったです。

OPも個人的にはそれ1つの作品としてかっこよくて好きです。
サビ前までは生物、化学、兵器、テクノロジーといった物語の要素がオブジェクトとして映像に表れ、シームレスに移り変わっていく。
サビからはいろいろな怪獣が切り替わっていくメタモルフォーゼの技法が使用され、そこから日比野カフカと亜白ミナの後ろ姿が映され、最後に原作1巻の表紙と同じシルエットで締める。
珍しく海外アーティストの曲を採用しており、映像と相まって硬派さを感じさせます。

一方で商業的には明確に失敗してるように思います。
最近のアニメはOP曲がバズって作品もバズるみたいなムーブメントがあるので、こんなキャッチーさの欠片もない曲と映像では、端からそのマーケティング手法は捨ててるようなものです。
そういった利点を無視してでもこういう映像作品にしたのだから、リアリティがあり重厚な物語があってそれに合わせているんだろうなぁと2話のときには想像してました。
後述しますがそうではなかったので期待外れだったというところです。

設定のちぐはぐさ

1話目でカフカが怪獣の死体処理をしているシーンが描写されます。
この時点で、「お、この作品は怪獣の生態的なところも描写してリアリティを出してるんだな。子供向けの特撮の怪獣みたく倒した後に爆発などで雲散霧消してしまうものではないんだな」という雰囲気を感じ取ります。
一方で、カフカが何の因果か怪獣になってしまって超強力なパワーを手に入れるみたな非現実さも描かれ、ここはジャンプマンガらしさがあるなと納得もできます。
ただし怪獣の力は使わずに、怪獣の死体処理で得た生物知識を使って努力して怪獣を倒すみたいなシーンも挟まれるので、ジャンプらしさにリアリティを加えている感じがしてよかったです。

そういった描写が序盤にあるからこそ、現実感と非現実感のちぐはぐさに違和感を覚えました。
隊員入隊シーンで怪獣との実戦試験っていうのが非現実的すぎます。
正式な隊員のトレーニングをしたわけでもない一般人たちと怪獣を対面させるって雑な試験にもほどがあります。
加えて、怪獣って生け捕りにしておけるものなのか?そんなに研究進んでるのか?可能か不可能かの如何に関わらずトレーニング用という名目で隔離できる場所で生かしておくか?というのが気になってしまいました。
現にこの時点で視聴者目線ではカフカというイレギュラーな怪獣の存在がわかっているわけですから、「怪獣」という不可知でリスクの高いものを取り扱うような方針を国あるいは世界が取るわけ無いだろって思います。
結局イレギュラーなことが起こって四ノ宮キコルが死にかけてカフカが怪獣の力を使って助けるみたいなくだりが発生するので、急なご都合主義だなという感じでした。

その後もそんなすぐに兵士が実戦投入されるか?とか、なんで重火器は登場するのに戦車や戦闘機みたいな戦闘兵器はほとんど出てこないのか?とか。
ミナという若くて美人の女性が防衛隊の隊長やってるのに、カフカの処遇を決める際の意思決定をする場に集まった軍隊のお偉方は全員おっさんなんだなぁといったところも。
ジャンプという型に当てはめつつも、怪獣というものを現実味を持って描写しその戦闘でリアリティを出すことで型からは外れた面白さを提供してくれるのかなって思ってたのに、めちゃくちゃ中途半端な設定でがっかりしました。

舞台設定についてだけでなくキャラの設定も気がかりでした。
主人公が30超えのおっさんなのに精神性が10代すぎるように感じました。
いい意味で若いのではなく、悪い意味で幼いように見えてしまいました。
自分にブルーカラーの職の経験がないからなのか人間関係の問題なのかはわかりませんが、こんなおっさんいるのかよっていう感想ですね。

その非現実味のせいで全体的に隊のノリが体育会系よりもさらに軽い部活動みたな感じがして、そこも現実感とのバランスの悪さが出ていたように思います。
典型的でも良かったので、先輩隊員から暴言を浴びせられ圧倒的に理不尽な指導が行われる描写があれば緊張感が出て軍隊らしさを感じられたのになあという印象です。

物語が弱すぎる

前述したように、結局ジャンプの型にハマってしまっていて1クールの範囲ではそれを超えてこなかったなという印象です。
怪獣のバトルも生態の弱点を突く戦い、例えばアルドノア・ゼロの序盤みたいなものが続くと期待していたのですが、怪獣も人型でコミュニケーションが取れるやつが出てきてしまい、ただの異能力バトルになってしまいました。

意外性があったのは割と早い段階で隊のみんなに怪獣バレしてしまうという展開ぐらいで、他の展開は見覚えがあるなあという感じです。
その物語の上で動くキャラクターたちもどこかで見たことある感じがして新鮮味に欠けます。
それを王道と言ってしまえば、ジャンプマンガだからと言ってしまえばそれまでなのですが、そこから1つ抜きん出るなにかが見られるとよりよかったなと思っています。

ジャンプラでもランキング上位にいるし、アマゾンの漫画の評価もすこぶる好調のように見えたので、ただの私の逆張り的な評価なんですかね。
漫画完結したらネタバレ見ようと思います。

鬼滅の刃 柱稽古編

TL;DR

  • 強気の映画化

強気の映画化

シリーズものなので特に内容についてあれこれ言及することがないです。

1クールには満たないとは言え、原作でそこまで時間をかけていない修行パートをここまでしっかり描写しつつ間延びせずに見られたのは、ufotableのアニメーションの力なのかなと思いました。
(とはいえ最終話前話と最終話アバンの鬼舞辻無惨の歩くシーンは引き伸ばし感が否めませんでしたが)
進撃の巨人でさえWIT STUDIOからMAPPAに切り替わったぐらいなので、ここまでずっと同じアニメ会社がシリーズを担当し続けるのも珍しいなと思います。
無限城編も引き続きufotableが制作をするということで、まさにライフワーク的作品となっていますね。

無限城編は劇場三部作ということで気合入ってるなと思う一方、だいぶ強気だなとも思いました。
無限列車編は確かに日本歴代興行収入第1位という偉業を達成しました。
が、無限城編三部作にそこまでのパワーがあるのかどうかが微妙です。

無限列車編は上映時期がちょっと前に原作が完結したばかりで、かつコロナもめちゃくちゃ流行る一歩手前ぐらいでまだ先行きが見えず気持ちの晴れない日々が続いていたころだったので、エンタメを求める人々の気持ちが爆発してメガヒットしたのかなと。
もちろん原作の力と映像の質の良さもあるのは間違いないのですが、それに加えてバフがかかっていたという印象です。

一方今回の三部作は鬼滅シリーズ最後の作品になるとはいえ、そこまでのヒットに繋がるのかが気になります。
上述のバフがかかっておらず、作品の完結からはすでに4年経っており、映画上映からも時間が経ち熱心にアニメシリーズを見ている人は明らかに減っているはず。
そういった状況で残りの話をすべて映画でやるというのは結構強気だなと感じました。
でも固定ファンは他の作品よりかは多そうだし、三部作の最後、無惨との対決だけでも見に来る人は多いのかもしれません。
ただの杞憂おじさんで終わって三部作もしっかりとヒットして有終の美を飾ってほしいです。

夏の第一印象

最後に夏アニメの第一印象だけ書いて締め。

1話だけの前提で見たやつ

  • ロシデレ

    • えっちなシーンに力が入っていて良い

    • 上坂すみれさんのためのアニメ化だろみたなところがある

    • 10年代前半ごろに流行ったちょいエロラノベアニメを今やってる感

  • しか

    • WIT STUDIO版の「日常」的な感じ

  • ダンジョン

    • 原作既読

    • あのゆるふわな絵で戦闘シーンをそこそこ動かせていて意外

  • この世界は不完全すぎる

    • 原作既読

    • デバッグの作業が映像に起こされると、コミカルさが増して面白い

    • 前情報をまったく知らない人が見たらいい掴みだと感じるはず

  • 2.5次元

    • Xで流れてきたえっちな作画に釣られたクマー

    • ヒロインがクレイジーすぎる

    • こういうキャラ愛の強いオタクって今ではアニメキャラよりVtuberのほうが多そう

  • ATRI

    • 原作既プレイ

    • アトリのかわいさがアニメーションにより引き立っている

    • が、すでに作画が怪しい気配を感じる

  • 魔法少女

    • 原作既読

    • 10年も前の未完の作品をアニメ化するという、原作と作者への愛と哀悼を感じて泣ける

継続

  • サクナヒメ

    • 原作未プレイ

    • めっちゃ動きが細やか、背景作画も綺麗

    • アクションRPGゲームをアニメーションに上手く落とし込んできそうという期待感がもてる

  • 逃げ上手

    • 原作未読

    • ネウロ、暗殺教室は既読で物語の質には信頼感がある

    • Clover Worksの作画が素晴らしい

  • 小市民

    • 原作未読

    • 原作読んでから見ようかなと思って1話みたら、主人公たち2人の関係性や距離感を表現する描写がかなり凝っていて目を奪われてしまった、とても好み

    • オサレ感MAX、すべてがFになるを思い出した

  • スーサイド・スクワッド

    • 映画見てないけど大丈夫そう、いったん様子見

  • グレンダイザーU

    • 旧アニメもグレートマジンガーも未視聴

    • いい意味で古臭い、様子見

  • ばいばいアース

    • 原作未読

    • 2000年の作品ということで古臭いファンタジー感

    • 冲方丁だからという理由で見始めたが様子見

  • 菜なれ

    • アバンでちょいシリアスな感じ出しつつOPがポップすぎて笑った

    • パステルカラーが目立つ色合いが特徴的で面白い

  • NINJA KAMUI

    • アクションシーン気合入りすぎててビビった

    • 今後の物語の展開も気になる

  • 真夜中ぱんチ

    • 主人公に微塵も共感できないところがいい

    • コメディ寄りで面白くなる気配があまりしない、様子見

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