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隔週で読む10数ページの中に

隔週に一度、楽しみにしているものがある。

ながしまひろみさんが連載されている
「鬼の子」だ。

野球部を退部したみのるが、1人の男の子と出会う。
その男の子は「鬼の子」で・・・・・・という話。

みのるの家族もちょっと複雑な事情があったり、
鬼の子(オニくん)が小学校に通うようになって、
そこでも色々なことがあったり。

「鬼の子」というタイトル、
「オニくん」という子どもが繰り広げる話だけど、
起こる出来事は自分のような人たち・子どもたちの周りにも
よくよくありうる事だなと感じてしまう。

今回の話は、友達の「ゆきちゃん」が中心の番外編。

ながしまひろみさんの作品と言えば、
と言ってもいいくらいの女の子。
ながしまひろみさんを好きになったきっかけの作品、
『やさしく、つよく、おもしろく。』
も、このゆきちゃんとおかあさんの物語。
(『やさしく、つよく、―』は今後どこかで絶対に
 感想を文章にしようと思う)

『そらいろのてがみ』という絵本も、ゆきちゃんが主人公。

Twitterではゆきちゃんとオニくんが
同じ年頃で描かれているものもあるけど、
「鬼の子」ではゆきちゃんとみのるが同級生。

ゆきちゃんが野球をしているという点は、
『やさしく、つよく、―』でも共通している。

そんなゆきちゃんが、
自分の目標に向けて勉強しながら、
これまでにあったことを振り返るのが今回。

ワークの漢字の問題に解答しながら、
それに呼応して回想が進んでいく。

「再会」と解答すると、
みのるが偶然な形で再会した父親との場面が回想される。
「恐ろしい」と解答すると、
みのると、みのるの母の話で出てきた、
みのるの母の恐い一面が思い出される。
「普通」と解答したところで、
みのるの言った「普通」の意味を考える。

自分の考える「普通じゃない」ことが、
最初は悪いことや変なことに見えてしまうかもしれない。
でもその普通じゃないことを本人が楽しんでいたり、
充実していたりすれば、
それは変じゃなく、むしろ良いことかもしれない。

そう感じる話だった。

何度も読んで、メッセージを自分なりに受け取りたくなる。
「鬼の子」はそんなマンガだと思う。
会話や文字のないコマも最初から振り返ると、
ここで言っていたことを表しているのかなと想像してしまう。

もしかしたら自分が思うようなこととは
違うメッセージが込められていたり、
そこまで明確なものがあるわけではないのかもしれないけれど。

隔週で読む10数ページの中に、
あたたかな、時に寂しい、
でも微笑ましく、応援したくなるような
子どもたちの日常が広がっている。

その日常を読んで、
何があるのか考える時間が大好きだ。

次の話が見られないかと、
早速待ち遠しいような気持ちにもなるけれど、
また数週間先に来る、みのるやオニくんたちのことを
楽しみにしている。


お母さんからゆきちゃんにきたメールが、
ゆきちゃんの大好きなハンバーグのことだった。
これもふと「やさしく、つよく、―」を思い出して
嬉しくなった。

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