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私に関わった選手達。T.T編2

今日登場するT.Tは前回の徳島剛ではなく、T海のほうです。

私の今働いているフェニックス卓球クラブのオーナー一族になりますが、専務の子供です。

今までご紹介してきた選手の中で、K吾だけが1から育てた選手とご紹介しましたが、このT海は全くの1から私たちが育てた選手です。よくよく考えると、最初は誰かが教えてきたことが多く、なぜだか分かりませんが珍しいパターンですね。

このT海はT下一族6人の中で、一番年上でした。クラブに来始めたのは、私の記憶では、保育園年長か1年生頃だったと思います。T下一族は、6名全員が右利きなのですが、卓球は全員左といういわゆる矯正左です。特にこの時野球をやることでF商業入学を考えていたT海は、おじさんである社長がクラブを始めて、父である専務も社長と同じ、名門M大学卓球部でしたので、卓球を始めることは運命だったのかもしれません。

来たばかりのT海は申し訳ないんですがどんくさい。笑
全く同学年にはT也、T陽という、県バンビで1.2フィニッシュする仲間がいました。T海はぶっちぎりの3番手だったのですが、この子達が6年生の時には全国ホープスでも上を目指せると期待したことを覚えています。そのくらいT也、T陽はセンスの良い選手でしたし、T海もどんくさいながら努力でコツコツついてきてくれました。

この3人トリオが3年の頃、T陽が脱落します。本人はセンスもあり、恐らくやりたかったと思いますが、リーマンショックで親の仕事がなくなってしまったことでクラブに通えなくなってしまいました。
更に、4年生の時、なんとT也までもがクラブを去って行きました。ここでは理由は書きませんが、4年生の中部日本で3位に入り、その帰りのバスに乗らずにお別れとなりました。

4年生の頃にはT海も県で3番手くらいでしたが、このT也、T陽が抜けてクラブの柱になってくれるべき選手に強制的になってしまったという感じでした。同学年にT海が連れてきたI晟、三国から来ていたS之助と共に戦っていくことになりました。

5年の頃、県では6年生のMLのN村くんが東アジアホープス代表になり、抜けている。同じくMLのF田くんもかなり運動能力の高いペンで、当時は県2位、そしてライバルで同学年のS田くんも県の3位と県の1,2,3を擁するMLがダントツで強かった。このMLと県ホープスで決勝を戦った際、J朗、H夢、T海の県ベスト8クラスを勝たせるために私も色んなことをやりました。

試合は誰もがMLの勝利を考えていたと思いますが、J朗がS田くんに勝ち、ダブルスをH夢・T海が勝ち、2-2ラストでF田くんとT海の勝負も巧みがこれ以上無い粘りでゲームオールに。最後は今考えても泣きそうになるくらいの爆発力を見せ、T海が勝ってくれました。この時の試合は私の指導者人生でも5本指に入るくらいの団体戦です。

6年生の時には残念ながらMLにやり返されましたが、シングルでは4年までは全く勝てなかったT也やS田くんにも勝つことがあり、何度か優勝をしています。そして、5年後に行われる福井国体の主力になるであろう選手をT2中学に集めるという話が出てきた時に、私は現実的ではないと考えたのですが、彼は行って頑張りたいと言いT2中学に進学します。

T海が中1の時に全日本カデットに出場。当然全国的な実績の無いT海があんなことになるとは…。T2中のゼッケンで出場していたので、私はあまり観るつもりもなかったのですが、個人戦のベンチをどうしてもお願いしたいと言うことでなぜだかその時には入ったのです。今考えたら絶対に入らなかったと思うのですが、色んな事情を考えて入りました。

この時は本当にうそのようなT海の試合と、私の勘が冴え、まさに阿吽の呼吸とはこのことでしょう。なんとランク入りどころか準決勝にコマを進めました。全国大会の個人戦で準決勝以上に行ったのは、この段階では初の選手で、私にもそんなベンチに座らせてくれたT海は誇らしかったです。準決勝は当時5年生の怪物張本くんでした。1ゲームを取るも、良いところ無く敗退。しかし全国3位は凄かったです。

T2中では全中にも出場出来、先生の理解もありクラブとも良い関係を保てたことが、T海にはラッキーでした。その後中3で全日本選手権ジュニアにも出場したり、T海は大きな試合に強いという印象があります。

F商業に進学したT海は、2年生の時に福井国体に少年男子選手として参加。3年の時には国体でベスト8入賞という成績を出してくれました。あのどんくさい、クラブの3番手だった選手がここまで頑張って成長して私もぐっとくるものがありました。

3月下旬にT海は父親と同じ道である、M大学卓球部に入部しました。私の次の夢は、T海がフェニックスに戻ってきて、私の後を継いでくれること…。私の後継者はこいつしかいないと思っています。

頼んだぞT海!!

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