Mリーグ12/8① 勝又先生の麻雀講座
12月8日のMリーグ第一試合。
出場選手は、
東家 渋谷ABEMAS 白鳥翔
南家 セガサミーフェニックス和久津晶
西家 U-NEXT Pirates 石橋伸洋
北家 KOMAMI麻雀格闘倶楽部 佐々木寿人
の4人。
実況・松島桃
解説・勝又健志
勝又さんの解説は初めて聞く。評判が良いので楽しみ。あと、最近は土田大先生の解説ばかり聞いていたから、久しぶりに普通の解説だよ。
◯東1局 白鳥さん親倍炸裂!
白鳥 7巡目 ツモ9万、打5万
🀄️ドラドラのカン6万待ち7700点をテンパイをしていた白鳥が、待ち替え出来る9万を引いてきた。
打点も12000点に上昇し、待ちもカン6万からカン8万へ。打5万でスジ引っ掛けになっているが、ドラそばでもあり、ここはダマテンを選択。
白鳥 8巡目 ツモ6ピン空切りーち
6ピンを引いてきて、手牌の6ピンと入れ替える。
白鳥「リーチ」
まじ?5万のスジとは言え、ドラそばだし、リーチしたら相当警戒されるでしょ。ダマならかなり拾えそうだったが。
さすがにこれは「やり過ぎ」というよりかは、「なめ過ぎ」でしょ。
裏ドラ乗らなければ、出アガりの打点上昇もないし。
ちなみに、リーチの2巡後に🀄️をツモってきてアンカン。カンドラ4ソーが2枚乗り。(ダマでも親っパネだった。)
和久津 13巡目 ツモ4ピン、打8万
打8万でリーチにいって、親倍24000点の放銃、、、。
ちなみに白鳥の捨て牌は、
で、赤5万を切って、カン7万のタンヤオ三色ドラのダマテンのマンガンに受けることもできた。
メンタンピンツモ赤ドラで、高めツモればハネマンまである勝負手なので、放銃は致し方ないかも知れないが、和久津プロはここで我慢できる打ち方だと思っていたのでちょっと残念。意外な結末であった。
◯東1局 1本場 和久津コツコツと。
和久津 8巡目 ツモ6ピン、打7万
和久津「リーチ」
69万か69ソーが入れば高め三色のリーチを打てたが、ここは棒テンリーチを打つ。
これはファインプレーだと思う。
トンパツで親倍打って持ち点が1000点しかないので、マンガン手に仕上げたくなるが、三色が崩れる6ピンツモを受け入れて、ドライに即リーを打つ。これは、白鳥から6ソーロンして、 1300は1600。
まだ東1局。トップはもう難しいかも知れないが、大振りをせず、いつも通りコツコツ上がって一つでも上の着順を目指すのはすごく大事なこと。
気持ちは保ってるね。
◯東2局
和久津、石橋、ヒサトの3人テンパイ。
◯東2局 1本場
和久津、白鳥の2人テンパイ。
倍満放銃後、1600点、1000点、1500点とコツコツ稼いでいく和久津。
あと2万点だ!頑張れ👍
◯東2局 2本場 ヒサトリーチ
ヒサトが7巡目リーチ
ドラは6万。赤々ドラドラでツモればハネマン。なんかヒサトさんらしいリーチって感じ。
和久津もダブ東鳴いて25ソー待ちの2900テンパイを入れたが、12巡目に安全牌がなくなった白鳥からスジの3ソーでマンガンロン。
スジ引っ掛けでアガリ、後スジに引っ掛かる白鳥。まぁ、無スジ打つわけにもいかないから、仕方ないよね。
◯東3局
和久津 11巡目 ツモ6ソー、打2ソー
リャンメン埋まって単騎選択。場には2ソーが1枚切れ。5ソーが3枚切れているのも見て、3ソー単騎ダマにとる。
そして次巡引いてきた2ピンを空切りしてリーチ!
★堀内正人「神速の麻雀」
こういうのって、堀内正人さんの「神速の麻雀」的には2ソー単騎でテンパイ即リーなんだろうなぁ。良い単騎やリャンメン・ノベタンになる牌を引くのに数巡かかるから、即リーの方が局収支が高いと。
局収支とか数字的なことはわからないけど、実体験として、良い単騎待ちにならずにクルクルしている間に他家に手を進められるのは確かにある。わかっていても中々実践出来ないんだよなぁ。
それはそうと、最近は堀内正人さんのYouTubeをよく見ているけど、あんなに明るく話す温和な人だとは思わなかった。新宿のダンディでメンバーやっていた時と全然印象が違う。180度印象が変わった!あんな笑顔見たことないし、まさに機械のように麻雀を打っていた感じ。当時は、仕事として割り切って麻雀をしていたんだね。
「神速の麻雀」は、まさに雀荘のメンバー向きの打ち方なんだと思う。多種多様のお客さんが来るピン東のフリー雀荘で、平均的に勝ち越すのに優れているシステムなのだろう。アガるのもオリるのも正に作業という感じで、精神的にブレないのが良い。
みんな思っているだろうけど、堀内さんがもしMリーガーだったら、どんな活躍をしてくれるんだろうと。
まぁ、ギャンブル系の動画出しまくっているから、ZEROギャンブル宣言のMリーガーに呼ばれることは絶対にないんだけどさ。
(対局に戻る)
この局はヒサトが2000点のロンアガリで和久津のリーチを蹴る。
◯東4局
和久津の手牌を見ての勝又の解説↓
勝又「ちょっとね、河の状況出るまでは、なるべくロスなく組んでおいて、河の状況出てから勝負かけたい手」
さらに、🀄️をポンした和久津の上家白鳥についての開設↓
勝又「白鳥さんは東2局の和久津さんのダブ東ポンと違って、今回は白鳥さんの立場にたった時に、自分のアガリが一番嬉しいんですけど、2番目に嬉しいのが和久津さんのアガリなので、ここは絞ることはない局面かなと。」
桃さん「先程は和久津が親でしたが、今回は子で、しかも、点差がついている4着目。」
勝又「で、親番がトップ目で競りのヒサトさん。」
二人の何気ない会話だけど、結構大事なことを話している。そんなの当たり前じゃんと思うかも知れないけど、実戦だとその通り出来ないこともままある。
そうこうしているうちに、9巡目にヒサトからリーチが入る。
前局のアガリでトップ目にたったヒサトさん。ノリノリのリーチですな。
この局はヒサトさんと石橋さんの2人テンパイで流局。親リーチを受けながらも、テンパイに漕ぎ着ける石橋さん。まだアガッてはいないけど、要所要所はおさえてくるのはさすが。
◯東4局 1本場 勝又先生!
魔王ヒサトの親を早く落としたいけれど、返り討ちにあうのも怖いという話になり、勝又さんが一人一人の手牌を見て解説していた。
白鳥4巡目 ツモ6ピン、打南
勝又「あぁー。この白鳥さんの今の南切りとか、めちゃくちゃ勝負なんですよ。」
これは、勝負手という意味ではなく、安全牌の南を手放してまで手を進めているので、返り討ちのリスクを覚悟しながら前に進んでいるという意味。
桃さん「何気ない南切りに見えますが」
勝又「何気ないじゃないですか。手的に普通って思うじゃないですか。」
勝又「現段階で価値が低い上に、じゃ、どれだけ価値が高い手になるのって考えた時に、そんなには僕には(価値を)感じない訳ですね。」
勝又「カン7ピンの部分と3万と1ピンのシャンポンもしくはカン2ピンって、2つネックがあるわけですよね。そこから埋まって、初めてリーチピンフ赤イチ」
桃さん「そう言われると結構大変ですね」
勝又「白鳥さんの南切りに戻ると、1ピン1枚外して、タンピン系を見ながらアンパイ持つという手も有力なんですけどね。」
白鳥 8巡目 ツモ4ソー、打發(ドラ)
ドラの發を打ち出していいものか、白鳥の手が止まる。
桃さん「白鳥イーシャンテンです。どうしましょう?」
勝又「で、探っていく時に、あ、今これ河映ってますけど、白鳥さんのトイメンの石橋さんとかは、1ソー(1巡目)、8ソー(2巡目)、3ソー(3巡目)と切っていて、今(7巡目)西?
これ安牌持っていたんじゃないの?みたいな風になると、まず石橋さんは警戒しなくて大丈夫だな、とか。」
勝又「てやって考えていくんですよね。」
考えた末、ドラの發を手放す。これを和久津がポンして、カン2ソーのマンガンテンパイ。ヒサトに親リーチをかけられるも、2ソーを和久津がツモッて2000、4000。
◯南1局 石橋、電光石火の1000点
1巡目に發をポンして、3巡目にペン7ピンをロン。形が悪い中、積極的に鳴いてアガリにいった。
◯南2局
和久津(東家) 11900点
石橋(南家) 24900点
ヒサト(西家) 31500点
白鳥(北家) 31700点
勝又「和久津さんはこれは点数状況的にオリない親です。」
勝又「その辺の反撃も考えて、(他家は)手作りしないといけないですね。」
桃さん「他の3名ですね。」
さりげなく入る桃さんのフォロー。
勝又「和久津さんの捨て牌を見て、どれくらいの手なのかってのを、推理して攻めていきたいですよね。」
この局は和久津のカン6ソーリーチに3人ともオリて流局。
◯南2局 一本場 4者激突!
ヒサト 10巡目 ツモ4ピン、打6ピン
テンパイ一番乗りはヒサト。
メンタンピン一盃口のマンガンリーチ!
白鳥 11巡目 ツモ7万、打2万
258ソーはリーチの現物ではないが、白鳥はダマを選択。
勝又「うわぁ勝負だ、これは勝負だ。しかもリーチでしょう。いや、ダマテン!?現物じゃないですよね。」
桃さん「(現物じゃない)です。」
勝又「そっか、ダマでもマンガンありますもんね。」
★追っかけリーチを打つべきか?
3面張につきリーチでも全然良いと思う。ただ、ダマでもマンガンあるし、ドラ表示牌スジとは言え、2軒リーチよりも1軒リーチの方が、ラス目で親の和久津さんが無スジを押してくれる可能性が上がる。だから、このダマは良かったと思う。
和久津 12巡目 ツモ3万、打9ピン
さぁ、テンパった。場1のカン8ピンで勝負に行くか!?
勝又「9ピン、7ピン通ってますけど、リーチでおかしくない。」
和久津、テンパイ取らずの打9ピン!ヒサトリーチに通っていないスジはこの時点で12本もあったから、ドラスジの6ソーが打ち切れないということもなかったんだろうが、ピンズやソーズで好形を求めたか。
勝又「和久津さんもこれねぇ、8ピンぱっと打たれたら激痛ですけどね〜。」
勝又先生的には、リーチ推しってことだよね。
2巡後 和久津、白鳥のアタリ牌である2ソーを引いてきて、147のフリテンテンパイに。
勝又「フリテンだがリーチもある」
和久津はダマテンを選択。ここでもリーチしないかぁ。トンパツの親倍打ったのが、精神的に弱気にさせているのか!?
これ以上の手替りないから、ここでリーチを打たないと言うことは、まだ危険牌で回る気があるってこと?さすがにここはリーチをぶっ込んでいいでしょ。ここまでやって振り込んだら仕方ないよ。
でも、気持ち的にはわかるなぁ。和久津さんがどう考えていたか分からないけど、このジリ貧の展開で調子良さそうなヒサトさんから先制リーチ。しかも自分はフリテンテンパイ。マンガン振り込む気しかしないよね(笑)
ここで8000点打ち込んだら確実にラスだし、もしかしたら3着を目標に定めていたのかも。
最終的には、石橋プロも
この形から8万ポンして、赤5ピン引き入れて47万のテンパイ。ワンチャンスの9万とは言え、石橋さんもよくテンパイに向かって行ったな。すごいわ。
これで4人テンパイ。決着必至。
ヒサト 36万
石橋 47万
白鳥 258ソー
和久津 147ソー(フリテン)
この対決は、、、
6万ツモでヒサトの勝ち!!
見応えある1局だったわ。
◯南3局
石橋(東) 21800点
ヒサト(南) 39800点
白鳥(西) 28600点
和久津(北) 9800点
オーラス前の大事な一局。
親の石橋は、とにかく連チャン。少なくとも2着目の白鳥には追いついておきたいところ。
ヒサトは、2着目の白鳥と11200点差だ。1000点アガれば12000点差が以上ひらくため、オーラスにマンツモされても追いつかれないセーフティリードとなる。
白鳥は、オーラスマンガン出アガリ条件の3900は最低でもアガりたい。イチサンニンロクをツモれば、4700点差となりセンニセンでOKだ。
和久津はマンツモすれば、石橋と同点でオーラスに入れる。
各者の意図が一番ぶつかるラス前。
まずは石橋がタンヤオドラ1で3900を和久津からロン!
テンパイ一番乗りのヒサトの69万待ちをかわした!
和久津はここで脱落、、、。
◯南3局 1本場 ヒサトダメ押し
石橋 1巡目 ツモ6ピン、打南
めちゃくちゃ良い配牌。
ヒサト 1巡目
こちらもいい!
他の二人は省略。
石橋 2巡目 ツモ5ピン、打白
これで、1ピンと6万のくっつきテンパイ。
ヒサト 2巡目 ツモ8万、
完全に二人の戦い。ただ、打点は見えるが2シャンテンのヒサトに比べて、石橋は1ピンと6万のくっつきテンパイ。11種38枚で、圧倒的に石橋が有利。
あくまで結果論だが、この後石橋は、トップ目までの蜘蛛の糸を何本も自分で手放していくことになる。
①發のポン
石橋「ポン!」
3巡目のくっつきテンパイの形から、發をポンしてドラ単騎のマンガンテンパイ!
そしてこのポンで、石橋がツモるはずだった2ピンがヒサトに流れる。
ちなみに2ピンが石橋に入っていれば、
3巡後に3ピンをツモッて2000は2100オールのアガりだった。一見、發ポンなんてダメじゃんと思いそうだが、門前テンパイでマンガン確定するツモは、11種34枚のうち、發と1ピンと9ピンの3種8枚だけであった。それに比べて發をポンして、ドラ単騎に受ければマンガン確定なんだよね。
②ドラ単騎から258ピンへ受け替えせず。
5ピンを引いて258ピンの3面張に待ち替えが出来たが、ドラ単騎での12000点を狙っていたので、ツモ切り。
ヒサト 赤5ピン切り!
この形からなので、石橋がドラを切って行ったとしても、2ピンか赤5ピンかのどちらかは確実に捨てていたであろう。
最終的には、
この形から打2ピンでリーチ。
勝又「これ、リーチすごいですよ。」
桃さん「ノータイムでしたよ。」
勝又「えっ、だってこれダマテンでアガッても、二人のマンガンツモ条件を消したオーラスにいけるわけですよね。」
勝又「もう、ハネツモでも届かないようにしてやろうということですから。確かにこれを引きアガッてオーラスを迎えたら、もう、全部押して、さらに、半荘最高スコアを記録してやろうかというところもあるかも知れないですね。」
桃さん「自分で自分を超えていけということですか」
さすが、ヒサトさん。ノリノリの時は細かいことを考えずにガンガンリーチにいく。勝又プロなら当然のダマだったんだろう。この辺は個人差がかなり出そう。自分にあったやり方でいいだろうね。
このリーチは、石橋が2ソーで振り込み。メンタン赤裏のマンガン。このアガリでヒサトの持ち点は、48100点まで増え、2着目の白鳥にハネ直されない限りまくられない安全圏まで飛び越えて行った。
◯南4局
オーラスは、石橋がセンニセンをアガッて終了。
◯対局を振り返って
ここが運命を変えたポイントだった。
①まずは東パツ。和久津プロの親倍放銃。五分五分くらいで避けられたので、和久津さんも相当悔しかったでしょう。
②ラス前の石橋さん。發ポンと258ピンへの待ち替えせず。2つのアガリルートを逃したのは痛かった。
これ以外には能動的な選択で、結果に大きく影響を与える場面はなかったかな。
勝又プロの解説はわかりやすかったし、勉強になったな。たまにはこういう真面目な解説もいいもんだね。
おしまい。
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