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人を動かすのに重要なのは「お願い」ではなく「問い」

就職活動が公式に解禁され、現場で働く一人として学生と面談をする機会が出てきました。そのとき、在宅勤務について聞いてきたことに一つの希望を見出したのです。

僕が就活をしたのは2017年で、在宅勤務やリモートワークは限られたごく一部の人しかしないという認識でした。実際、就職活動の場で在宅勤務やリモートワークという単語を聞いた記憶はありません。

もちろん、こちらが在宅勤務に関する話題を出したということもありますが、会社選びをする上で在宅勤務を取り入れいているかどうかを就活生が重視していることを強く感じました。

このときに思ったのが、やはり人を動かすには「問いの力」が重要であるということです。

・これからも在宅勤務の制度は続くのですか?

・なぜ在宅勤務が難しいんですか?

このような問いを行うことで、質問を受けた側はその理由について考えざるを得ないし、「働き方を良くしていこうとしない会社は就活生から選ばれない」という強いメタメッセージになります。

きっと今年は数多くの就活生が「在宅勤務」や「リモートワーク」という単語をさまざまな企業で発し、各企業にプレッシャーをかけていくことでしょう。

日本は思ったより新型コロナの被害が少なく、それは素晴らしいことである一方、コロナ以前の失われた20年の慣習に戻ってしまいそうだと懸念していました。

しかし、少なくとも東京においては意識が変わっているような気がするのです。これからも就活生がさまざまな場面で日本社会にいい意味でのプレッシャーをかけてくれれば良いなと思いました。

後輩の育成においても、改善点や気がついたことを直接伝えることもありますが、それより重視しているのはどのような問いをするか?ということでした。

・その提案は誰にどういう行動を起こしてほしいの?

・人的パワーが限られている中で、どのような基準でにやるタスクを選別したら良いかな?

適切な問いは、相手が考慮していなかったポイントを暗に示したり、能動的に考えさせる力を持っています。実はこの「能動的に」というのもとても重要なんです。

人間は自分の頭で考えて出した結論は正しいと思い込むバイアスがあるので、実は思考を誘導しているけれど自分で考えたと感じれば能動的に動き出すことがあります。

これはマルチ商法やカルト宗教の勧誘にも使われるので要注意ですが、育成の場面においては有効に作用することが多いと感じています。

どのような問いを発するか、それはとても奥深くて重要だなと感じます。

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