すがも


やっぱり巣鴨の空気感が好きだ

お年寄りの原宿なんて言われてはいるものの、老若男女関係無く集まる街だと思う。

東京メトロの料金がJRと比べると少し高いのは何なんだと思いながら改札を通る

どこかで見たことがあるようで独特の空気を醸し出す住宅街を抜けて行く

住宅街を歩くのが好きになったのはいつからだろうか
少しの恐怖を携えながら歩いていた頃とは違い、猫に挨拶をする余裕すら今ならある。

外壁が新しい家、命名した人に問い詰めたくなるようなネーミングセンスのアパート、一種の歴史的建造物になりかけている古ぼけた一軒家
すべてが完成されている。

不似合いなサイズ感の建物は大体病院か大学
ほら大正解。大正大学。
実は行ってみたかった学校だ。
まあもう未練は無い。多分。

落ちていたワイシャツを掛け直してあげようと試みたら予想外に苦戦した。舐めやがって。

デカめのアパートが集合している場所には必ずと言っていいほど謎のスペースが存在している。かくれんぼ以外で使った覚えが無い。

淑徳巣鴨中学、高校。
義兄の母校だ。その情報のみで戦うつもりである。

今の今まで公園のベンチでフードまで被って座っていた老人が急に歩き始めた。
自分に向かってくるのではないかとちょっとだけ自意識過剰になった。ちょっとだけ。

不釣り合いな高級車が停まっている
何で財を成したんだろうか

何が売っているのかも明らかでない店が並ぶ商店街
本当にこれでやっていけるのかとインタビューをしたくなる鰻と焼き鳥の店の先には何も陳列されていない

コモディイイダの安心感に救われる

庚申塚駅が見えてきた
そろそろ此度の子旅も終わりを迎えよう
駅に隣接する小洒落た喫茶店に入るのはまた今度にしよう
まだまだこのお店もこの人生も続くんだから


あれ、これもしかして巣鴨じゃなくて西巣鴨と庚申塚の話か?


まあいいか。

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