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AIと協働する未来:人間が担うべき役割とは?

ChatGPTをはじめとしたAI技術の急速な発展は、私たちの生活をこれからもっと豊かに変えていくことが期待されています。2045年問題ともいわれる「シンギュラリティの到来」を思わず意識してしまいますが、たとえAIが人間の能力を超えても、人間性を捨てる必要はなく、世界が滅亡するのは映画の中だけの話だと思います。むしろ、進化するAI技術を積極的に活用し、人間とAIが協働してより良い未来を築くことが大切だと思います。

例えば、人間の能力を高めることにおいて、AI技術が大変効果的であることがわかっています。将棋の天才、藤井聡太選手がAI将棋と練習を重ねることで強くなったのは有名な話です。チェスや囲碁、将棋のプレイヤーたちがAIと対戦し、スキルを向上させたり新たな発見をしたりすることで、毎日最高のライバルと共に成長を遂げています。

このように、人間社会のなかで「AI技術をどう使っていくか」について考える姿勢は、とても大切なことだと考えています。


AIとの協働社会における、人間の役割

AIと協働する世界で、私たち人間はどんな役割を担うのでしょうか。

まず、AIにうまく指示を与え、思い通りに動かす役割が増えていくでしょう。それはプログラミングコードを書くという意味ではありません。ChatGPTの登場によって、話し言葉のような自然言語でもデジタルなものを生成できるようになりました。専門用語の知識もある程度必要ですが、それ以上に言語化する力や課題を発見する力が求められるでしょう。例えば、AIが病気の診断を行う場合でも、患者の症状や経過を正確に伝えることが重要です。人間の適切な言葉で情報を伝える能力は、今後も求められ続けるでしょう。

次に、人間は好奇心や違和感を感じる力を持っています。これはAIにはない特性であり、より感性が強い人が求められるようになってくると思います。 具体的には、AIが過去のデータから解決策を見つけるのに対し、人間は未知の領域への探究心や直感によって新たな発見をすることができます。また、違和感をきっかけに、新たなアイデアやサービスが生まれることもあります。これにより、人間はさらに創造性豊かな文化や芸術を生み出すことができるでしょう。

さらに、人間は決断力や失敗に対する責任を持つ力を備えています。AIは指示通りに動くものですが、人間は感情やその時の気分に基づいて決断できます。
また、私たち人間は物理的なものを触れて創造する力も持っています。料理のように、手足を使ってものを動かす身体的・非言語的な技術を扱うことができます。例えば、AIがレシピを提案しても、最終的には人間が食材を切り、調理し、盛り付けることで料理が完成します。

最後に、人間は面白さを見出す力を持っています。偶然起こったことやちょっと足りないところに面白さを見出すことができます。AIサービスで生成した物を交換し合い、喜びを共有するといった楽しみ方が増えてくると思われます。例えば、美味しそうな料理の画像をAIサービスで生成し、それをSNSに投稿することで料理人に伝わり、実際の料理としてレストランに並ぶことで、私たちは感動したり喜び合うことができます。このような瞬間を共有することで、人間同士のつながりが深まります。

このように、AI技術が進歩する世界でも人間の役割は欠かせないものですし、これまで以上に人間らしさが重要になっていくでしょう。好奇心を持ち、決断を下し、時には失敗しながらも、それを笑いながら乗り越える自由な生活が人間の魅力だと思います。AIの進歩を肯定的に捉え、私たち一人ひとりが大切にすべき役割を見つけ、子供たちにもその価値を伝えていくことが、これからの時代に求められると思っています。


AIと協働する、豊かな未来を育むために

ですので、人間同士がお互いの「特性」を理解し、尊重しながら共存していくように、AIとの協働にもそのような姿勢が求められると思います。

AIは膨大な情報を素早く処理できる能力を持っているので、私たちの多くの仕事を効率化し、時間を節約してくれるでしょう。ただ、現場の空気や人間の感情を読み取ることは、現段階ではできず、人間同士のコミュニケーションや感情に対する理解は、AIにはまだ及ばない部分があります。AIと協働する世界では、人間としてのコミュニケーション力や感性、創造力がより一層重要になります。

加えて、AIと協働する未来では、新しい職業や働き方がどんどん登場していくと思われます。例えば、AIと連携して環境問題に取り組むエコロジストや、AIを活用したアートやデザインの分野で活躍するクリエイターが登場することでしょう。このような新しい職業に対応できるよう、柔軟な発想力や独創性を持つ子供たちを育てることが、わたしたち大人の重要な役割だと考えております。

そのために、AIの進歩を積極的に捉え、最新の情報に触れながらAIを使っていくことが、必要だと感じております。キープオンでは、3月に実施したアクティブラーニングYononakaで、参加者としてChatGPTを使う試みをしましたが、次回以降も継続する予定です。

以上、3回に分けて「AI」のテーマについてお話してきました。最後になりますが、人間とAIが互いの能力を競い合わせるのではなく、お互いの特性を理解し、活かしながら協力していくことが大切だと思います。

人間とAIが互いに補完し合う協働の未来を築くことで、より良い世界を実現していきたいですね。

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