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3 どのような景色をめざすのか その2・教師編

「子どもが主役になる授業」では、教室や学校に、どのような景色が広がっているのか?

前回のその1・子ども編に続いて、今回は教師編を書きたいと思います。

どちらも子ども/教師が、
・何を見て (1)見ているもの・こと
・何を聞いて (2)聞いているもの・こと
・何を発して (3)発しているもの・こと
・どう動いていて (4)どのような動きをしているか
という視点で考えてみたいと思います。
それでは、いってみよう!

〈その2 教師編〉

(1)見ているもの・こと

意外と教師は、子どもを見ていないのです。教師という仕事はマルチタスクで進める必要があり、いろいろ気にしているうちに、目の前の子どもを見れなくなってしまうのです。

・45分間で、今日のココまで進めよう。
・支援を要する〇〇さんはがんばれてるかな?
・あれ?この子何回も発表してるな。
・反応がよくないぞ、この発問は失敗したな。
・あ、ワークシート早く配りすぎた!
・え?ノート忘れたの?このタイミングで言ってくる?
・おいおい、そこ、何をしゃべってるんだ?
・あぁ~もうこんなに時間が進んでる!!

などなど、授業中の教師の頭の中は、いろいろなことが巡っているのです。

「子どもが主役になる授業」をするには、必ず子どもを見る必要があるし、見ないと進められない。
だから、教師には子どもの目が見えています。

あと、子ども一人一人の学びの過程を見ています。バラバラに動く子どもたちを見ています。

(2)聞いているもの・こと


できるだけたくさんの子どもの声を聞きたいと思います。
その1で考えた「子どもの発しているもの・こと」を受け止めるのだけど、それは従来の授業でもやっていると思うのだけど、その量や質が違うと思います。
一斉指導で聞く、整った声でなく、
まとまりのない言葉でも、自分が必要だと思う、本音を教師に届けていると思います。それをたくさんたくさん受け止めます。

子どもからの
・率直なつぶやき
・たくさんの「?」 質問
・感想 心の動き
タイミングも、内容も、バラバラですが、それが学びのモチベーションになるので、聞き逃さず、授業の中にどんどん取り入れます。

(3)発しているもの・こと

教師になってほとんど「教師が 何を、どう教えるのか」と考えてきましたが、
子どもが主役になるのであれば、「子どもが 何を、どう学ぶのか」という考えになります。
だから、
教師は、極力「発しない」
予めは、学ぶ上で必要なことだけを伝え、子どもが困ったり、迷ったりしたら、ここぞとばかりに求めていることをまた伝える。

教師ができるだけ「話さない授業」を目指しています。

(4)どのような動きをしているのか

基本的に「待つ」「支える」「受け止める」「勧める」…です。

基本的に「子どもをコントロールしない」という覚悟で授業をやります。教師であるから、「教えたくなる」「案内、リードしたくなる」「間違いや失敗じゃない方向を示したくなる」気持ちはよく分かるけど、
間違いや失敗こそ、学びのチャンスなので、
その芽を摘むことはしません。

特にある程度時間がたたないと、子どもは自分では動き出さないようなので、
動き出すのをただ「待つ」ことが大切だと思います。

ときには何もしない時間もあるし、とことん子どもと向き合うこともある。
その瞬間まで、何をするかは分からない。

あるお笑いの巨匠が言った「予定調和はつまらない」という言葉。
すごく魅力的な一言です。
子どもたちも予定調和な授業、答え合わせの授業、いつもの誰かが進めてくれる授業は、つまらないんじゃないかなーと思います。

ただし、
子どもと向き合う前、授業前には、
予測不可能な子どもの動きや声に答えられるように準備をします。
私は、子どもたちが迷ったり悩んだりする、余白を残すようにしています。


まとめ

子どもが主役になる授業で教師は、
一見受け身なのかもしれない。
なんにも発さなくて、なんにもしてなくて、「大丈夫なの?」って不安になるけど、
その先には、予想できない子どもの動き、学びがあると思う。

「教師がしゃべる=子どもが聞く、受け身になる」時間を減らして、「子どもの」時間にしませんか?


おまけ


前回のタイトルに、番号をつけ忘れました…
前回が「2」です。
実は…この「子どもが主役になる授業」というお題で、20番まで目指してます!