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リフレクティングでの布石

リフレクティングは、対話を広げるため、とされている。

話がいろいろな方向に広がっていけるために、言葉の布石を置いていく。

つらい困難な語りがされるとき、わたしは、ポジティブな方向、局面にのみ石を置いていきたくなる。

普段の会話で「話を聞いてもらって、元気が出た」「前向きになった」というのは、その効果かもしれない。

だが、それが、オープンダイアローグでされたらどうだろうか。
その人本来の語りのペースではなく、誘導になってしまわないだろうか?

自らの力とタイミングではないところで、前に向かせられた感覚は、外からコントロールされる違和感、上滑り感と共に、「自分では前に向けない」という無力感をもたらしそうだ。それは、自己否定、他者への依存に結びついていくかもしれない。また、充分に聴かれなかった苦しみは置き去りにされ、心の底でじくじくと膿んでいくかもしれない。

つらい方向にも話が広がっていけるように石を置く。

なかなか難しいことである。

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