やっと脱炭素に向けて
2020年10月に菅前首相が「日本も2050年までに脱炭素社会を目指す」と宣言してから注目度が上がりながらも、日本はどこまで本気なのだろうと思っていたが、ようやく1月18日に岸田首相が動いたようだ。
日経新聞においては、
政府は18日、首相官邸で脱炭素の取り組みで経済成長をめざす「クリーンエネルギー戦略」に関する有識者懇談会の初会合を開いた。岸田文雄首相は温暖化ガスの排出に価格を付けて削減を促すカーボンプライシングの検討を指示した。
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クリーンエネルギー戦略は2021年12月に経済産業省が有識者会議で議論を始めたが官邸は直接関わっていなかった。これを首相主導で決める政権の主要課題に据え直し、環境省など他省庁も巻き込んで推進力を強める。
ということなので、ようやく日本としても重い腰を上げたのか。その中には以下の内容が書かれている。
カーボンプライシングは政府が税率を設定して企業や家庭に税金を課す「炭素税」や温暖化ガスを多く出す企業が排出枠を買い取る「排出量取引」が代表例だ。これまで環境省と経産省がそれぞれ検討を進めてきたが結論は出ていない。
首相は会合で、温暖化ガスの排出量を30年度に13年度比で46%減らし、50年に実質ゼロにする目標達成に意欲を示した。脆弱な送電網や事故による原発不信、再生エネのコスト高などを挙げ「この弱点をなんとしても克服していかなければならない」と力説した。
ものづくりが中心の中においては世界で進む炭素税については、きっと国際競争力が弱まるということだろうか・・・中々進んでいない、というか進めにくいのだろうか。
また、排出量取引は「企業が排出できる温暖化ガスの量に上限を設け、過不足分を取引する」というものだが、対象業種の選定や排出量の上限設定などのルールを行政が決める必要があり、仕組みが複雑ということもあるようだ。行政はデジタル化も遅れ、非常に非効率であるためにこのようなやるべきことに人が割けない状況にあるのだろうと勝手ながら思う。やはり優秀な人が行政に携わっているいるとは思うので、定型業務はデジタル化で効率化、そしてもっと頭を使う仕事に取り組んでもらえるような環境を整えるべきだと思う。
そして脆弱な送電網というのも、地域を分割して競争させないできたことのツケであろうし、原発不信は色々な書籍でも述べられているように、責任そしてそもそもの真因が不明確であるために、対策も不明確、国民も理解をしないというサイクルなのであろう。再生エネのコスト高は、中国のような何千社という企業が入ってきて競争をさせていく、というような競争原理を働かせずに進めてきたからなのではないだろうか、、、固定買取価格(FIT)のミスか・・・
すべて近視眼的、かつ狭小的な思考からのような気がする。今やるべきは、これはビジネスも同じだと思うが、ゴールを折角、菅首相が宣言したのだからそこから逆算的にどうするべきかを考え、そこには既得権益という問題も出てくるかもしれないが、もうリーダーが意思決定し、進めるしかない状況なのだと思う。
この3ヶ月ほどの間に何冊もカーボンニュートラルの書籍を読んだが、どの国も先を見て行動している。それは産業革命と同じような大変革があるからであり、既得権益ということにとらわれると本当に10年後、その大変革の波にその既得権益に守られていた人はもちろん、日本全体が沈んでしまう。
岸田首相が脱炭素に本気で取り組もうとしたことは、応援をしたいと思う。がんばってもらいたい。
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