節電ポイントという短期的視点ではなく、長期的視点がほしい

■節電ポイントの導入は短期的にはGoog!
6/17の日経新聞には以下のような記事が。これは朝のワイドショーを見ていても取り上げられていたが、ソフトバンクなどもこのような取り組みに参画しているようだ。

萩生田光一経済産業相は16日、電力需給が逼迫した際に節電に協力した家庭や企業に対価としてポイントを付与する電力小売会社のサービスについて「官民連携で拡大していきたい」と述べた。小売りの1~2割程度しか導入していないとみられ、現時点では定着していない。普及に向けた支援策を検討する。政府が7~9月の間に全国に節電を要請したことを受け、全国の大手電力会社と、東京電力ホールディングス(HD)と中部電力が折半出資する発電会社のJERA、Jパワーを含めた計12社の社長を集めて電力の需給対策について話し合う会議を開いて表明した。

2022/6/17 日経新聞

確かにポイントという仕組みを使うと、10円というよりも、10ポイントと言った方が得した感覚が増す。ただワイドショーでも触れていたが、頑張っても年に480円という。そのようなインセンティブを使って目先の電力不足を補うのは良いが、では今後のエネルギー施策はどうするのか。

■長期的な視点に立つならば・・・そもそも長期視点はあるのか?
その電力不足が発生している原因を見たときに、ロシアによるウクライナ侵攻が発端となり、ロシアに対して経済制裁をしたが故にLNGや石油の輸入ができなくなることがその大きな原因ではあるが、原発についても稼働をどうするかという点を明確にできておらず、そのような中で再生エネルギー分野でも中国が、一気に洋上発電を進めているという状況で、完全な戦略不足にしかみえない。

ちょうど6/17の日経新聞には、貿易赤字の長期を懸念する記事も出ていた。これは原油価格の高止まりと円安による影響。このまま、これまでのように単純に石油、LNGなどのエネルギー資源の輸入という方向で良いのか。。。

貿易赤字が長期化する恐れが出てきた。財務省が16日発表した5月の貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を引いた貿易収支は2兆3846億円の赤字だった。比較可能な1979年以降で、赤字額は過去2番目の規模に膨らんだ。原油価格が高止まりし、円安に歯止めもかからず、年度ベースで過去最大の赤字になる可能性がある。

2022/6/18 日経新聞

原発の再稼働もできていない中において、長期的な視点があるように思えず、このままでは経済力も地盤沈下をしていく状況であることは、明白でありなんとかならないか。

■エネルギー自給自足を考えられないものか
そのような日本の状況の横で、洋上風力発電市場は伸びているようだ。その中心には中国がいるようで、日経新聞の記事には、なんと「21年の新設量は中国だけで世界全体の8割を占めた。」とある。

洋上風力市場の拡大が止まらない。国際団体の世界風力会議(GWEC)によると、2021年の世界の新設量は20年比3倍と急増した。けん引するのは中国だ。巨大な内需を貪欲に掘り起こし、21年の新設量は中国だけで世界全体の8割を占めた。中国の洋上風力への追い風はやまず、世界の風車メーカーの序列をも覆しつつある。
GWECによると、21年に新たにできた洋上風力発電所の発電能力は2110万6000キロワット。原子力発電所約20基分に相当する規模だ。累積導入量は5717万6000キロワットになった。21年だけで累積量の約4割を占めるほどの急増ぶりだ。
特に目を引くのが中国市場の急激な膨張だ。21年の導入量は1690万キロワットと20年の4倍超になった。洋上風力の先進地である欧州は20年比13%増の331万8000キロワットと堅調だったが、中国の急増ぶりにかすんでしまうほどの差がついた。

2022/6/15 日経新聞

日本がエネルギー大国になろうとすると、きっと国土面積は小さい一方で海に囲まれているという状況を見ると、海をうまく使う方向で進めるのがよいのではないか。となると、この中国が積極的に進める洋上発電だったりしないのだろうか。そこからグリーン水素(製造工程においてもCO2を排出せずにつくられた水素)を生み出せるようにしていく方向を、本気で考えるときなのではないか。火力発電所をどう動かすかということに頭や体力、お金を使う時ではないのではないか。原子力発電も、ビル・ゲイツも行っていた小型の制御可能な電子力発電という方向も、しっかりと考えた方がよいのではないだろうか。0と1の議論でなく。



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