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Dポイントの人生

わたしが日本に来て「Dポイント」という言葉に出会った時の話はこうだ

わたしがある日本人女性とスーパーで買い物をしていた時のことだ
レジで自分の順番になると

彼女はわたしが支払おうとする前にスマホを店員に差し出し、

ピッとされていた

わたしは彼女にそれはなんだと聞くと

Dポイントだという

Dポイントってなんだ..

またある時、

彼女はスマホ画面を見せてきた

「今マクドナルドでカフェラテを飲むとその金額分、Dポイントとして還元されるからマクドナルド行こう!」

と言い出した

わたしは彼女が何かに取り憑かれているのではないかと目の奥をみた

(コンタクトが合わないのか充血していた)

彼女は「あ、でも一回だけか。。。クーポン的な感じか」

と続けていう

取り憑かれている...

わたしはこう思った

日本には恐らく、

Aポイント、Bポイント、Cポイントがあるのだろう、

恐らく、Eポイント、と続き、Zポイントがあるのだろう

私はここだけの話日本人が怖くなってきたのだった

細かい細かいとは聞いていたがこんなにも数多くのポイントを操る日本人が怖くなってきたのだ

日本人は恐らくだが

平日はポイントのことしか考えていないのではないだろうか

そしてDポイントとはどういう状態のポイントなのだろう

わたしは今

Dポイント、還元、クーポン、カフェラテ...それぞれの相関図が知りたい気持ちだ

日本語には「知るは一時の恥、知らないのは一生の恥」という言葉がある。

わたしは恐る恐るその日本人女性に聞いてみた

「Dポイントとはなんですか?」

「Dポイントってドコモがやっているポイントで、どこでも使えるんだよ

例えばファミマとかローソンとか」



その夜、私は荒れた

夜寝る前に一杯の熱いほうじ茶を飲んだ

沸騰していた

今日のわたしにはそのくらいが丁度いい

わたしは

目を閉じて、

正座して、

茶碗を口元に運ばせた

よく見ると

お茶の表面には小さな茶葉が浮いていて、

恐らくそれは急須から出てきたのだった

わたしはわたし自身の人生を見つめ直すつもりだ

AもBもCもなかった

経済社会に於ける「順番と整列」について学ぶつもりだ

そこにはDがあるだけだった

Dはドコモという通信会社の頭文字だったようだ(ドコモってなんだ...)

わたしは今あなたに向けて決して難しい哲学の話をしているわけではない

お茶をすする

もう温度はない

彼女が最初にスマホを出し、Dポイントを追加した

そのスーパーの名前は確かLIFEだった

LIFE

私はもうしばらく日本にいるつもりだ


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