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椎名林檎/との/半生

98年にデビューし、未だに一線を走り続ける椎名林檎。彼女なしでは私の人生は語れない。というわけで今回はとことん彼女について書きまくろうと思う。長いぞ。

椎名林檎との出会い

小学生くらいの時、歌番組でここでキスして。や 本能を歌っていたのをうっすら覚えている。が、まだ小学生の私は彼女の良さが分かるはずもなく、SPEEDやらモー娘やらaikoやらを聴いていたのだった。
で、中学生の頃。真夜中は純潔のルパン風PVが気になり、椎名林檎のアルバムを借りてみることにした。ここで何故か3rdの加爾基精液栗ノ花をチョイス。
今でこそ3rdアルバムが1番好きなのだが、中学生で林檎しょっぱなカルキはヘヴィー過ぎる
宗教のイントロは恐怖でしかなかった。
私の中で完全に椎名林檎は『着物を着て暗い歌を歌う病弱な人』というイメージになった。ライブで声聞こえるのかな?盛り上がるのかな?とか思ってた。今思うと失礼過ぎる。むしろライブ畑出身だっつーの。

そんな訳でファーストコンタクトは軽くトラウマとなり、私は少しの間林檎と距離を置くことになる。それでもずっと彼女の事は気になっていて、蔦屋で勝訴ストリップの曲名を見ては(浴室とか これ絶対浴室で人殺してる歌じゃん!こっわ!)とか思ってた(さっさと借りろよ)

そんな私が やっとの事で勝訴ストリップを聴いたのは 高校へ行く少し前だった。しかも今回は借りたんじゃなく中古で買った。
そしてグッサリ刺さった
(浴室…やっぱり人殺してる曲だった…弁解ドビュッシーも闇に降る雨も月に負け犬も本能も最高すぎる……)
その勢いで無罪モラトリアムも買い、もうハマりまくった。
(正しい街……!泣 積み木遊び…警告!!)
つまり私は彼女のアルバムを3→2→1と全く逆から聴いていたことになる。1stから聴いてたらもっと早くハマっていただろうに。
全てのシングルを買い集めるのにそう時間はかからなかった。そして高校に行ったら美術部辺りに入るかな〜とフワフワ考えていた私はその考えをさっさと改めた。
高校に行ったら軽音部に入ってバンドで林檎の曲をやるのだ!と。

懐古厨と言われても

構わない。林檎は当初「アルバム3枚出したら辞める」と公言していたらしいが、それもごもっともな出来栄えなのだ。初期の3枚は神がかり過ぎてる。実際、カルキの後のオリジナルアルバムは『三文ゴシップ』『日出処』『三毒史』と出ているが(東京事変はまた別として)
今パッとアルバム名出てこなかったし 日出処は買ってすらいない……

悪いわけじゃない。けど初期の3枚と比べてしまうともう、あれらは別格なのだ。多分林檎本人もこんな事言われるのウンザリしてるんだろうな〜と思うんだけどさ…。

Spotifyの恩恵を受け、日出処も聴いてみた。え、いいじゃん。普通にいいじゃん。カーネーションとかありあまる富 系統は好みじゃないけど…

一曲目の「静かなる逆襲」は「果物の部屋」のメロディーそのまま歌詞を変えたバージョンだ。「果物の部屋」とは本来勝訴ストリップに収録される筈だったが、「浴室」が出来たためお蔵入りになった曲である。

東京なんてのは 危険な処よ
ちょっと特別視すりゃ不平等呼ばわり
平等な関係、平等な姿勢
出来ていると言い張れる奴ほど疑わしい
何もキめずに静かに生きるわたしは今すぐ
抜けて泣けて笑える映画が観たいのねえ貸してよTSUTAYA

上記の歌詞が静かなる逆襲の一部。洗練されてるしウィットにも富んでるし事変感がめちゃある。
元はこうだった↓

同席に向き合って 口移しスパゲッティ
誘惑の目を光らせるのさ
池袋への切符 お揃いの物一個
どんどんこれから増やしてくのさ
暗い部屋では 煙の先に 常に一人の 男を映して
互いを舌で味わうと 果物の香に酔うだけさ

静かなる逆襲verも悪くないけど、やっぱりあの気怠いメロディーにはこの爛れた歌詞が合ってるのよ‼︎
同棲始めたてのだらしない生活感というかさ…
もちろん今更こんな過激な歌詞で出すつもりが無かったからのリメイクなんだろうけど。

今の林檎の歌詞は、世の中への愚痴みたいなのが多いような気がするんだよな…
同じ愚痴でも「不幸自慢」とかは

常時お前は 被害者に模して喰って
大概若い衆 思うならヤって 出して
愛という既成の概念 断って好い加減失せろ
いいたい まあいいたい
あたしは全然関係無い
ファックオフ 死ね

ほらキレッキレ!超カッコいい!
アーティストは尖っていて欲しいのだ。暗い曲、激しい曲、鬱な曲大好き。
世界に1つだけの花なんてクソくらえ。私はそういう女だ。

完璧な世界観

茎(STEM)シングル発売
短篇キネマ百色眼鏡発売
加爾基 精液 栗ノ花発売
性的ヒーリング其の参発売
ライブツアー賽六エクスタシー

この辺の流れがもう完璧すぎて怖い
字面見るだけで綺麗だもん。
アルバム3枚出して終わるとの言葉通り、フィナーレに向けて全力出してる感が凄い。

百色眼鏡は小雪も出演してる、カルキの世界観を切り取ったような短篇映画なんだけど、これは是非観て欲しい。江戸川乱歩感というか、この辺りの世界観は一貫して 明治大正辺りの文学っぽくて本当に本当にツボなの(私の)
歌詞カードもまるで小説を読んでいるような気分になるし。そう、椎名林檎は文学的なんだな。

性的ヒーリングとはPV集なんだけど、其の参はカルキメイン プラス「映日紅の花」とか「la salle de bain」の隠れ鬼名曲が収録されてるのでこちらも全力で推したい(もちろん其の壱其の弐も最の高なんですけど!)
特に迷彩のPVはもう 毒っぽさ悪夢っぽさが素晴らし過ぎるの‼︎ 映日紅は可愛くも儚く切なく、la salle de bainは美しい映画みたいだし…

で、その珠玉のサードひっさげてのライブツアーね。electric moleに収録されてます。ちなみにバックバンドは後の東京事変のメンバー。
無罪、勝訴と比べてカルキはバンドサウンドだとどうなるんだ⁉︎って音だけど、生演奏verもまぁ格好良い格好良い。このツアーは是非DVDで観て頂きたい。ラストの舞台裏を歩く演出、今まで出した曲の頭文字を繋げて ある一文が現れる演出は鳥肌ものだから(狙って曲名考えてたなら天才すぎるし後から考えたのだとしても頭おかしい(褒めてる))

トップ10決めるなら

好きな曲トップ10を決めるなら…
(割と有名なシングルカットされてる曲は除きます)
不動の一位はギャンブルだな

斎藤ネコとコラボしたverも壮大でいいんだけど、絶頂集に収録されてるライブverが矢張り良い。そして何よりデモverもたまらんエモさなのだ。

蝉が喚いて夏の到来を知る
その都度何故か羨んでいるのさ
この勝負に負けたら 「生キテユク資格モ無イ」
帰る場所など何処にありましょう
動じ過ぎた もう疲れた
愛すべき人は何処にいましょう
都合のいい答えは知ってるけど

良い〜〜良い意味で死にたくなる曲〜
一応番号ふるけど2位以下はほぼ同列と思って頂きたいです。順番つけらんないわ。

2.正しい街
3.すべりだい
4.愛妻家の朝食

はい、どれもこれも死にたい気持ちにさせてくれる素晴らしい曲たちです。1人海辺で延々と椎名林檎を聴いて過去のあれこれを思い返して鬱々としたい。私はそういう女だ。

5.警告
6.so cold
7.月に負け犬
8.メロウ
9.la salle de bain
10.やっつけ仕事

10曲書き出してみたけど もっと紹介したい曲あるし やはり良さを語り切れないということでまさかのシリーズ化
ちょこちょこ全曲レビューを書くよ!
誰も読まなくてもいい!私が楽しいだけ!

子供に何か買ってあげます!