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人生初の手術がカオスだった②#13

 母に電話をすると「大丈夫だからね。すぐに行くからね!」と言って切れた。

 たまたま19◯◯年に発生した大地震の影響で、道路は寸断されていたため通行止め。
 山道を迂回しながら2時間以上かけてやっと到着。
 病室に顔をだすと、小さいベッドで点滴につながれている私を見て、“ここではダメだ!”と母は直感したらしく、病院に勤めていた姉に電話をして状況を説明。
 母は院長に「すぐにその病院を退院すること。
お金だけ払って、病院側に何言われても“とにかく退院する”とだけ言いなさい」と言われたらしい。

 すぐに言われた通り、
スリッパもはいたままの勢いで病院をあとにした。

 私はまた振動の痛みに耐えながら、母は必死に運転。
 
 やっと大きな市街地にでた。…でもなかなか着かない?“そうだ、母は方向音痴だった💦”
 私は後部座席から頭をあげて、道案内に集中した。

 やっとの思いで、姉の勤める病院に…。
 すると姉と手術をして下さる先生、院長まで玄関でスタンバイしてくれていた。
 よろよろ歩く私の歩き方を見て「間違いなく虫垂炎だから、すぐ手術するよ」
と、ここまでは何となく覚えている。

 目を覚ますと手術はすでに終わったあとだった。

 こんな大変な思いをして、手術はたった20分程で終わったそうだ。


 退院の次の日、両親は旅行でフランスへ飛び、
 私はへき地2級の我が家に無事に帰ることが出来た。


 

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